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■第6回北海道高等学校文化連盟石狩支部美術部顧問展 (1月31日で終了)

2009年02月03日 23時59分39秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 道内の高校の文化系部活の集まりである「高文連」。
 札幌など石狩管内の高校美術部を指導する先生たちによる展覧会が、毎年この時季にひらかれています。

 時計台ギャラリー3階にあるD、E、F、Gの4室が使われていますが、個人的には、G室に既成の美術らしくない作品が集められていて、おもしろく感じました。

 谷口明志さんは、「絵画の場合」展のときのインスタレーション的なアプローチではなく、その以前から取り組んでいる、細い形状と支持体が一致した平面作品。今回は、ドーナツ状のかたちで、輪の太さが、下方がやや太く、上の方が細いのが特徴です。
 これは、遠近法(透視図法)を応用した作戦かもしれません。
 また、最下部は、壁から床へと作品がはみ出しています。このことにより、作品の持つ空間がぐっと広がっています。
 谷口さんのこのシリーズは、米の画家フランク・ステラが「サーキット・シリーズ」などでみせた方法意識をさらに発展させたものといえるかもしれません。

 その左にあるのが、「プラスワン」展で谷口さんと一緒の、坂東宏哉さんの作品。目録には「変形50号」とありますが、横長の長方形のパネル30枚を、すき間を詰めて並べた大作の抽象画です。
 題の通り、大地を思わせる深い色彩が広がります。

 会場の奥には、齋藤周さん「たゆたふ」。
 小さなキャンバス37枚によるインスタレーションふうの展示で、不規則に壁に排列されているほか、一部は床に積み上げられています。
 女子高生をモティーフにしたドローイングに色彩を付加した、齋藤さん独特の展開のほか、昨年夏のtemporary space(札幌市北区)での個展と同様に写真のコラージュなどもさりげなく行われています。
 ただ、全体としては、おしゃれな感じよりは、かすかな切なさのような印象を抱くのはなぜでしょう。

 手前には、高谷有紀子さんのボックスアートの小品もあります。
 ボックスアートというと、どうしてもジョセフ・コーネルに近い作品になりがちですが、高谷さんは、「Colorless」という題のとおり、すべての素材と箱を白く塗ったところが、個性的です。
 また、形も、正面から見ると正方形です。中に入っているのは、砂時計やパンプスの模型、ハスの根? などです。

 ほかに、阿地信美智さんの、器械を模したような、独特の壁掛け型作品もありました。

 ほかの部屋では、札幌芸術の森美術館で昨年ひらかれた「SAPPORO IS WHITE」でも目立っていた富原加奈子さんが、白い厚布による立体の小品を出品していました。


 出品作は次の通り。
阿地信美智(有朋 通信)「既視感的風景 IV」
安藤和也(札厚別)「何を見ているのか、僕は知らない one's eyes I」
奥山哲三(大谷)「空中農場」
川上勉(札厚別)「君は窓辺にたたずんでいた」
菊地大(札北陵)「鉄釉組皿」
北口さつき(札開成)「沈黙」
小林光人(札幌市立山の手養護)「不条理の錠」「午後の夢」
齋藤周(札旭丘)「たゆたふ」
齋藤美佳(札山の手)「雨あがりに」
澤田範明(札清田)「青いセーターの女」
武石英孝(札東)「恵比寿岩」
谷口明志(札拓北)「感情曲線」
高橋聡(札啓成)「バレリーナ」
高谷有紀子(有朋 単位)「Colorless I」「Colorless II」
富原加奈子(札大谷)「丘の風景・習作」
波田浩司(北星女子)「年の暮れ」
場崎惠(北嶺)「道庁の秋」「晩秋の八剣山」
坂東宏哉(石狩南)「earth(黄土)」
平向功一(札稲雲)「ワンダーランド」
古館章(北広島西)「H4」「H5」「H6」
森田明(札創成)「ふるさと」
八重樫善照(札南)「片吟図 I」


2009年1月26日(月)-31日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A

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第3回
第1回
=以上画像なし


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