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佐竹真紀■クロスオーバー (2017年6月17日~7月17日、苫小牧) ※訂正あり

2017年07月23日 20時03分00秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(承前)

 佐竹真紀さんは、十勝・豊頃(いつも浦幌とごっちゃになる筆者…)の出身で、道教大を卒業してから札幌を拠点に、実験映画を作り続けています。
(※出身地を訂正しました。すみませんです)

 下に記したご本人のサイトを見るとわかるように、地元や国内よりも海外での発表が多く、しかも実に多くの国で上映されています。

 実験映画といっても、難解なものではありません。実際の風景を前に、手にした写真を、コマ撮りアニメーションふうに撮って、複数のイメージを展開しています。過去の記憶と現在とを交錯させて、なつかしさを見る人に感じさせる作風ともいえます。

 筆者は個人的に、一昨年に道立近代美術館が企画して開いた「もうひとつの眺め(サイト) 北海道発:8人の写真と映像」で上映された「WALK」の印象が強く、展示室で涙をぼろぼろこぼした記憶も新しいです。
 「WALK」は、下のリンク先でも見ることができますが、やっぱり大きなスクリーンで見た方がいいなあ。

https://lightcone.org/en/film-10177-walk


 さて、今回の出品作品は「Pivot」。
 英語で「旋回する」といった意味のようです。札幌の中心部にあるファッションビルとは関係なく、苫小牧駅のすぐ近くにそびえ立つ王子製紙の工場の巨大な煙突を、周囲をぐるりとまわって撮った画像をつなげて映像にした作品です。

 時折、古い苫小牧の絵はがきなどが挿入されるあたりは、佐竹さんの作品らしいです。

 この件について、筆者が語る資格を持ちあわせているかどうかはわかりませんが、苫小牧という土地は、札幌の人が思っている以上に、王子製紙の企業城下町の色彩を濃く持っています。
 駅前の一等地に工場を構えているだけでなく、ホテルもスポーツ施設も王子の名を冠しています。室蘭にも釧路にも大きな企業はありますが、苫小牧のように単一の会社が大きな存在感を持っている街は、道内では石炭産業の衰頽以降は苫小牧以外にないと思います。
 これはほんとかどうかは知りませんが、小学校の校歌で王子の煙突をたたえた歌詞のものがあったと聞きました。

 佐竹さんは別に、王子の巨大煙突を、肯定も否定もせず、フラットな視線でとらえていると思いますが、そのような背景を考えると、これはただの煙突ではないことがわかるのではないでしょうか。


 なお、隣室では、苫小牧在住で、今回の「クロスオーバー」展の出品作家でもある音響作家の中坪淳彦なかつぼあつひこさんの映像作品が上映されていました。
 昭和40年代とおぼしき、苫小牧の町並みを撮った不鮮明な映像に、中坪さんが自作の音楽をつけた作品です。トリスタン・ツァラ(ダダイズムの創始者)の音声などが引用されているとのことでした。


2017年6月17日(土)~7月17日(月)午前9時半~午後5時(入場~4時半)、月曜休み(最終日は開館)
苫小牧市美術博物館(末広町3)

http://www.makisatake.com/

愛する美術 ヒューマンラブ(3) 佐竹真紀「インターバル」(2008)

札幌の佐竹真紀さんが「デジスタ・アウォード」のグランプリに!(2006)

DESIGN LABORATORY EXHIBITION 2004
北海道教育大学大学院 院生展 (2003)
カルチャーナイトフィーバー (2003) ※7月25日の項
北海道教育大学札幌校芸術文化課程美術コース卒業制作展 (2003)

北海道教育大学札幌校 視覚・映像デザイン研究室展 (2001)
七月展 2001 北海道教育大学札幌校美術科作品展


(この項続く) 
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