北海道美術ネット別館

美術、書道、写真の展覧会情報や紹介。2013年7月末、北見から札幌に帰還。コメント、トラバはお気軽に。略称「ほびねべ」

■板東優 透明な闇 (2016年9月13日~10月16日、鹿追)

2016年10月16日 07時29分00秒 | 展覧会の紹介-彫刻、立体
 帯広生まれ、NY在住の彫刻家の個展。
 六花亭福住店の前などに作品が設置されているので、名前を知らずに見ている人も多いだろう。


 冒頭画像は、屋外に展示されている「造形」。
 リストには「ブロンズ」となっているが、水色なのでどうしてもスタイロフォームに見える。
 材質が軽そうだと、どうしても、フォルムのよさとは別に存在感が薄れるような感じがしてしまう。人間は目で重さも感じているのだろうか。

 展示室内には「造形」「破壊」「Life on Life」「Cuore(こころ)」「かはたれどきのピエタ」「Roma」の5点。
 ご存知のとおり、神田日勝記念美術館は空間が広いので、中央部に彫刻を数点置いたところで、所蔵絵画の鑑賞にはほとんど支障がない。
 このうち「Life…」がスタイロフォームと記されている。
 人間の上に人間が覆いかぶさっているようなフォルムだ。

 この6点の多くは、抽象的でありながら、どこか人間像の面影を残しているようなかたちをしているといえる。

 「かはたれどきのピエタ」はリストには「かれはたれどきのピエタ」となっているが、誤植であろう。
 木彫で、ぱっと見には、未完成作に感じられる。チョークであたりのような線もかかれている。三つ、山のように盛り上がっているところがあって、右は十字架、中央は聖母マリアと、抱かれるイエスのように見えなくもない。
 むしろ未完成のようなフォルムだからこそ、見る側が想像力をたくましくする余地があるともいえる。

 「Roma」は高さ2メートル以上ありそうな大作。
 一見、抽象的なフォルムだが、見ているうちにトルソの立像のように、脳のなかで像が結ばれてくる。
 右上の、表面がすぱんと切れているところは、腕の取れた場所のようだし、下部の凹凸は片足をわずかに曲げて前に出す古代ギリシャ以来の人物像の伝統を受け継いでいるようでもある。この形状によって、全体に動きが感じられるのはまちがいないところだ。

 彫刻は版画などに比べると運搬に莫大な費用がかかるので、展示数が7点しかないのは仕方ないのだが、欲を言えばもう少しまとめて見たかった気もする。



2016年9月13日(火)~10月16日(日)午前10時~午後5時(入場30分前まで)
神田日勝記念美術館(十勝管内鹿追町東町3)

http://www.masarubando.com/

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