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■二部黎彫刻展 知床からの贈り物 (6月19日まで)

2007年06月17日 16時04分48秒 | 展覧会の紹介-彫刻、立体
 3年ほど前、空知管内長沼町から、斜里岳のふもと、網走管内斜里町来運の廃校横の元教員住宅にアトリエを構え、心機一転創作に励む二部黎(にべ・れい)さん(全道展会員)。
 斜里に転居後も、何度か札幌で個展を開いていたようですが、筆者が見るのははじめて。個展を見るのは02年以来です。

 今回は、石の彫刻はなく、木とテラコッタあわせておよそ25点が展示されています。
 冒頭の画像は、左と中央が「共棲」、右が「空へ」。
 森の守り神フクロウをやさしくいだく人間をモティーフにした作品が何点もありました。 
 知床らしい作品だと思います。

           

 こちらは、左が「黒い翼」、右が「白い翼」。
 やはり手にしているのはフクロウのようです。
 写真がヘタで、かなり黄色っぽく写っているのは、ご容赦ください。

 むかしの二部さんは、全道展や「北の彫刻展」(札幌彫刻美術館)にはずいぶんにぎやかで、いろんな要素の詰まった彫刻を出していましたが、今回見た印象は
「ずいぶん素直というか、すらっとしたなあ」。

 二部さんは
「知床だから、木は、拾ったりもらったりして、たくさんある。これからは木が中心になると思う。雷が鳴ると、倒れた木はないかと探しに行ったりね」
「昔は木の筋を断ち切るような無理なつくりをしていたけど、いまは木に逆らわないでつくるようになってきた。ことし64歳なんです。還暦を過ぎるとやっぱり無理なことはしなくなりますね。長沼と違って、ススキノが遠いから、そういうにおいもしない(笑い)。1日に誰とも話をしないこともあります」
と話していました。


           

 こちらは、手前がテラコッタ作品。
 今回は、テラコッタは、膝を抱えてうずくまった人物像が多いようでした。
 後ろの列は木彫。ふたりの人が頭で縦につながっているのは「春の雪」。サーカスみたいにユニークな形状ですね。

                  

 画像にはありませんが、林などを描いたドローイングの小品も数点ありました。なかなか渋いです。

                  

 店内の彫刻展コーナーの入り口にあった大作「氷河の時」です。

 細長い人、というと、どうしてもジャコメッティを思い出しますが、受ける感じはだいぶことなります。
 森や流氷の世界で生きる人や精霊が、すっと姿を現したかのような、自然な趣きがあります。
 それぞれの人物像に、道東の自然が遠くこだましているようです。


07年6月14日(木)-19日(火)10:00-19:00(日曜-18:00)
青楓舎(中央区南2西24 地図D)

02年の木彫展(画像なし)
02年のテラコッタ展


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