北海道美術ネット別館

美術、書道、写真の展覧会情報や紹介。2013年7月末、北見から札幌に帰還。コメント、トラバはお気軽に。略称「ほびねべ」

■浅川茂展「遠い日々の心象III 1996-2016」 (2016年9月13日~18日、札幌)

2016年09月18日 16時19分35秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 帯広の画家で、独立展会友、全道展と平原社(十勝の団体公募展)の会員の浅川さんが、札幌では3年ぶりとなる個展を開きました。

 浅川さんは全道展などでは、架空の廃墟のような巨大な物体を上から見下ろした絵画で知られますが、個展では、厚塗りの抽象的な、サイズの比較的小さい絵を出品しています。

 これがいいのです。渋いです。
 小品なので、構図の妙などはあまり味わえませんが、厚い絵の具の重なりがつくるマチエールが、時間の厚みのようなものを感じさせます。

 浅川さんによれば、小品ですが、1年や2年かかるとのこと。もちろん、1年間ずっとそればかり描いているわけではなく、気がついたら加筆して、仕上げていくとのこと。
 作品によっては、赤や水色など彩度の高い色が使われていますが、マチエールの厚さから、浮ついた感じはまったくなく、落ち着いた渋い仕上がりになっています。

 右は「風をためて」。
 赤い道がまっすぐに伸びています。

 この絵のように、もともと具体的なモティーフがありながら、その存在を半ば消したような作品が多いようです。

 <あかあかと一本の道とほりたりたまきはる我が命なりけり>

 斎藤茂吉の絶唱(「あらたま」所収)を想起しました。

 モダニズム絵画にとって、文学的な香りがするということは、むしろ否定的な受け取られ方をしていたと思いますが、浅川さんの場合はむしろ作品世界に厚みを加えているように筆者には感じられます。
 先ほど時間といいましたが、あるいは、心の澱でも、言い出せない思いでも、なんでもいいです。簡単にはことばにできない思いが、厚みのある画面にこめられているように感じられてくるのです。

 あと、特徴として、古い額縁を用いた作品が多いことが挙げられます。
 知らないで見たら、半世紀前の絵と言われても、そうかなと思ってしまいそうです。そんな雰囲気も、時間の経過を感じさせる要因かもしれません。


 作品名は次の通り。

湿地
風土
雨の河
地の河
沈黙する風景
地に映る風景
凍土
青い河

音のない水
静かな風景
祈り


閉ざされる風景
石の花
地―流

風をためて
震える風景
黒い空
遠い日
深い辺
水の花
過ぎ行く風景

消えない森
埋れる風景
光の森


2016年9月13日~18日(日)午前10時~午後7時(最終日~午後5時)
ギャラリーエッセ(北区北9西3 http://www.esse.co.jp/gallery/




※モスバーガーのあるビルです


道東アートファイル2013 (画像なし)
浅川茂展「遠い日々の心象 II 1984-2013年」(2013)
『絵画』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« ■第49回 道美展 (2016年9月1... | トップ | 9月18日(日)のつぶやき その1 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL