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関谷修平個展(7月23日まで)

2006年07月22日 22時46分41秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 ことしの第7回BHARAT BHAVEN 国際版画ビエンナーレ(インド)でみごとグランプリを受賞した関谷修平さんの初個展がひらかれています。ビエンナーレでの受賞作「vertigo(目眩)」など13点を展示。版画に興味のある人は必見です。
 関谷さんの版画はシルクスクリーンです。
「1版でどれだけあそべるかがテーマ」
と話すだけあって、縦線がびっしりひいてある1つの版を、色を変え、1ミリずつずらして、何回も刷るのだそうです。
 「rebirth(流転)」は、12回刷ったとのこと。気の遠くなるような作業です。いろいろな色の縦線がびっしりとならび、オプアートのように、目がちかちかしてきます。
 そういう作風なので、会場写真を撮ってもぜんぜん雰囲気が出ないし、モアレが発生しやすいため図録の撮影などでも「カメラマン泣かせ」な作品なのだそうですが、ためしに、近づいて写してみました。
 
 すこしは、雰囲気が出ているでしょうか。
 まあ、本物をぜひ見てほしい、としかいえませんね。

 ちょうど会場で版画家のYさんと遭遇しました。
「平面的になりやすいシルクスクリーンの物質性を意識的に考えた、めずらしい作品」
と評価していました。なるほどなるほど。

 刷る際の力の入れ方を一定にしなくてはいけないなど、おそろしく精緻な作業のため、同一の作品がなかなかできず、事実上のモノタイプになってしまうのが悩みだそうです。

 「expansion(膨張)」や「focus(焦点)」といった正方形の作品は、ひとつの版を、90度ずらして刷っているので、格子模様になっているとのことでした。
 また、丸い作品が2点ありますが、これは友人に額縁を作ってもらったのを機に制作したとのこと。

 関谷さんは1982年函館生まれ。
 ことしの春まで道都大の学生で、現在は道都大の科目等履修生です。
 この若さで、すでに完成した作風を持ち、版画の極限に挑んでいるのがすごいと思います。 

 出品作はつぎのとおり。
「allotment 天命」
「rabylinth」
「methodwise 円 monologue」
「vertigo 目眩」
「rebirth 流転」
「methodwise 円 vainglory」
「hi 中間面」
「transition 遷移」
「prism 角柱」
「expansion 膨張」
「focus 焦点」
「time」
「extreme」

7月17日(月)-23日(日)10:00-18:00(最終日-17:00)
道都大研究センター(北区北9西4)
http://map.yahoo.co.jp/pl?lat=43%2F4%2F10.662&lon=141%2F21%2F6.481&layer=1&sc=3&mode=map&size=s&pointer=on&p=%CB%CC%B6%E5%BE%F2%BE%AE%B3%D8%B9%BB&CE.x=347&CE.y=230


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (居候)
2006-07-23 14:19:26
意欲的な制作姿勢とセンス、素晴しく刺激的な展覧会でした。これからの活動も楽しみですね!



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Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2006-07-23 21:26:13
居候さんも行かれたんですね。

とてもおもしろい個展でした。関谷さんの今後の活動が楽しみです。
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Unknown (関谷 修平)
2006-08-06 11:56:15
先日は展覧会にお越しいただきまして、ありがとうございました、素晴らしい記事をブログに掲載していただき光栄に思っています、ありがとうございます。これからも益々精進して良い作品をひとつでも多く作る様努力します。また展覧会を開催する機会がありましたらご連絡します。それまで少しでも成長できる様頑張ります。ありがとうございました。
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Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2006-08-07 09:54:45
関谷さん、ご丁寧にありがとうございます。

今後の活躍に期待しています。



道都の人以外にも、「他流試合」をやると、おもしろいかもしれませんね(思いつき発言失礼)。
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