北海道美術ネット別館

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■佐藤武銅版画展 55年の軌跡 (2016年9月23日~10月14日、札幌)

2016年10月13日 01時01分01秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 石狩市厚田にアトリエを構える画家、佐藤武さんの銅版画展。
 1964年から近年までの作品が展示されています。

 タブローのほうは、インドを思わせるスケールの大きな風景に、古城や塔がくずれていたり空中に謎の物体が浮かんでいたりといった、広々とした中にも不安感もきざすような絵画を制作する佐藤さんですが、銅版画は、似たようなモティーフを多く描いているものの、絵画がはらんでいるような不安感はなく、小さな画面の中には美しく幻想的な風景が精緻な筆致で描かれていることが多いです。

 月光のもとに立つ塔。
 ひろがる沼沢地帯。
 その沼を取り囲む木々。
 遠くに並ぶピラミッド…。
 モノトーンの作品を見ていると、佐藤さんの画面の中に入りたくなってきます。
 それほどまでに、美しくひそやかな世界です。
 版画ということもあり、虹を描いた作品などを除けば、有彩色はほとんど用いられていません。
 ぼんやりとうす明るい中に、静かな、音のない光景が広がっているのです。

 「旅愁」と題する作が3点ありました。
 いずれも、誰も乗っていない小舟が手前に描かれています。3点のうち1点は、近くに、母子とおぼしき2人の人物がたたずんでいて、この小舟が海上ではなく平らな土地に打ち上げられているものだということがわかります。

 「宵」は、縦に細長い構図。塔の上に満月が皎々と輝きます。
 「月明」は、水辺から遠く、タージマハルのような建物が月あかりに光り、異国情緒に誘います。

 時間を忘れさせてくれるような個展でした。

 出品作は次の通り。

1964年 冬の日  冬の日差し
 65年 下面
 67年 花咲く頃
 69年 私の胸  私の胸II  少女  夏の綱渡り
 71年 夏の終わり
 76年 旅愁
 77年 樹のある風景
 78年 夏の玉遊び  春の海辺
 81年 旅愁
 82年 夜  予感
 88年 ピラミッドのある風景
 90年 四月の夜II
 95年 宵の月(同題2点)
 98年 時  月明かり
 99年 朝の遺跡
2000年 ピラミッドのある風景  四月の夢
 01年 五月の夜  夕映  夜の海
 04年 陽に舞う  夕べの寺院  宵  宵月  暮れゆく時  残照  刻  水の宮殿  月明  星降る夜  予感
 06年 旅愁  夜の虹  春月
 08年 春宵
 13年 月明り  冬の沼地  樹に沈む  立木  陽は昇る
 16年 冬に舞う  冬の水辺


2016年9月23日(金)~10月14日(金)午前10時~午後5時、日祝休み
ギャラリー山の手(札幌市西区山の手7の6)

http://tsart1113.wixsite.com/tsart1113

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ギャラリー山の手への道順

・地下鉄東西線西28丁目駅でジェイアール北海道バスに乗りつぎ「ふもと橋」降車、約160メートル、徒歩2分

・ジェイアール北海道バス「山の手7条7丁目」から約430メートル、徒歩6分
・ジェイアール北海道バス「西野3条2丁目」から約580メートル、徒歩7分
・地下鉄東西線「発寒南駅」から約1.37キロ、徒歩18分
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