北海道美術ネット別館

美術、書道、写真の展覧会情報や紹介。2013年7月末、北見から札幌に帰還。コメント、トラバはお気軽に。略称「ほびねべ」

■第35回一線美術会北海道支部展(5月17~21日、札幌)■第19回 蒼樹会北海道支部展(5月16~21日、札幌)=2017年5月18日は7カ所(4)

2017年05月21日 01時22分33秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
承前

 今週の札幌市民ギャラリーは「さっぽろくろゆり会展」以外にもさまざまな展覧会が開かれています。
 なかでも、一線美術と蒼樹会の北海道支部展は、後発の団体公募展の行方について、いろいろなことを考えさせます。

 手前の大きな部屋は一線美術の北海道支部が占めています。
 一線美術は1950年旗揚げ。創立会員に上野山清貢がおり、創設直後には、釧路ゆかりの増田誠や、流氷の画家として知られた紋別の村瀬真治らがいたので、北海道の洋画壇と関わりの深い団体といえそうです。
 
 しかし今年はクリアな色彩で風景を描く曳地敏行さん(苫小牧)の作品が見当たりません。
 遠藤雅美さん(函館)「月」が、枯れた針葉樹の向こうで輝く満月を描いています。山奥のようです。

 芦別のベテラン河瀬陽子さん「マリオネット」は、ついに今年、人物が画面から姿を消してしまいました。左側に、頭部を欠くマネキンとそれにかぶせられた豪華なドレス、右側には操り人形が配されています。
 札幌の田仲茂基さん「盛秋に舞う」は、2羽のミミズクが迫力ですが、背景の緑やオレンジの葉の細かい描写も目を引きます。
 登別の信岡成子さん「刻」は、泡の中心に、しゃがんだ裸婦を描いていますが、裸婦の頭部が省略されているのが、ふしぎな感じです。

 ほかに石山宗晏さん(旭川)「流氷集落の朝」など5点、西村司さん(北広島)「6月の水田」など3点、永田このえさん(芦別)「郷愁」など5点、渡部泰子さん(札幌)「夢の競演」など4点。

 東海林真理さん(札幌)は8号の絵1点だけを出しています。これは
「100号を描いて上野の本展に出すのはしんどいので、支部展に小さな絵を出すだけ」
という人を募っているためのようです。
 団体公募展も生き残りのために知恵を絞る時代なのでしょう。



 一方、蒼樹会道支部は80~100号大の絵画を8人、20~30号の人が3人です。

 こちらも、山の絵を描く桜井寛さん(後志管内岩内町)、廃屋をテーマに取り組んだ田村隆さん(空知管内新十津川町)、パノラマ的風景を素朴に描いた小林伸さん(札幌)といった人たちがいなくなり、出品者は以前の半分。寂しさは否めません。
 炭谷秀正さん(札幌)「春近し旭岳」は、手前にディーゼルカーを小さめに描くことで、山容が巨大に感じられます。細かな色の入れかたも巧みです。

 ほかに、齋藤義雄さん(江別)、土屋勝重さん(美唄、日本画)、出邑勝之さん、美濃川弘子さん、百島忠雄さん、森スズ子さん、横内博子さん、佐々木小夜子さん、志道睦子さん、中山巴子さん(以上札幌)。
 齋藤さんの「浜辺の詩」は昨年、本展で毎日新聞社賞を受けた作だと思います。

 一線美術も創樹会も、本展に小品の部門を設けています。
 団体公募展といえば100号、という時代も、変化を迎えているのでしょう。



 団体公募展ではありませんが、第26回教職員OB美術展も開かれています。
 こちらはほとんどが小品で、道展や全道展の会員から趣味の人まで、絵画、版画、彫刻、工芸、写真、書の6分野で、48人が1点ずつ出品しています。

 種市誠次郎さんの遺作は、晩年の実験的な静物画ではなく、オーソドックスな写実の「道庁」でした。
 赤れんが庁舎を望みますが、絵の主役は手前の池と木々の緑のようです。

 昨年までの小野健寿さんの出品がなく、彫刻は本田俊朗さん「G線上のアリア」のみ。
 バイオリンを奏でるワンピース姿の少女の石膏像。バイオリンは省略されています。すらりとしたフォルムです。

 

第35回一線美術会北海道支部展
2017年5月17日(水)~21日(日)午前10時~午後5時(最終日は午後4時まで)

第19回蒼樹会北海道支部展 /第26回教職員OB美術展
2017年5月16日(火)~21日(日)午前10時~午後5時(初日は午後1時から、最終日は午後4時まで)

札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)


□一線美術サイト http://www.issen.org/

一線美術会第34回北海道支部展 (2016)
一線美術会第32回北海道支部展 (2014、画像なし)
第28回 一線美術会北海道支部展 (2010)※画像なし
第27回一線美術会北海道支部展(2009年)
※以下、画像なし
第26回
第25回展
第22回展
第21回展
第20回展
第19回展


http://蒼樹会.jp/

第11回蒼樹会北海道支部記念展 (2009)

第6回(2004年)
北海道支部小作品展(2003年)
第5回(2003年5月17日の項)
北海道支部小作品展(2002年9月13日の項)
第4回(2002年)
北海道支部小作品展(2001年)
=いずれも画像なし



第17回教職員OB美術展 (2008)
第15回教職員OB美術展・種市誠次郎展 (2006)
=いずれも画像なし






・地下鉄東西線「バスセンター前」9番出口から約300メートル、徒歩4分

・ジェイアール北海道バス、中央バス「サッポロファクトリー前」から約510メートル、徒歩7分=札幌駅前、時計台前から100円(現金のみ)で乗れます

・東西線「菊水駅」1番出口から約650メートル、徒歩9分
・中央バス「豊平橋」から約850メートル、徒歩11分
(市民ギャラリーに駐車場はありませんが、周辺にコインパーキングはいくつかあります)


(この項続く) 
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