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■前田育子個展 (2016年11月23日~12月11日、札幌)

2016年12月16日 10時19分04秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 前田育子さんは胆振管内白老町の陶芸家。オブジェに取り組んでおり、今回は3階の「レタラ」でそういう作品を、1階のショップ、Sabitaでうつわ類を、それぞれ展示するという2段がまえになっていた。

 オブジェのほうは、表面が、光沢のあまりない黒い色をしている。
 もみがらなどで焼き、乾いてから石で研磨し、独特の風合いを出すのだという。
「表面の(こまかい)線が好きなんです」

 レタラには、西側にベランダがあり、大きなガラスで仕切られている。
 作品「山脈」は、その前に置かれていた。
 前田さんは以前は「山ガール」だったといい、その経歴が反映している。
 彼女が最近凝っている、複数のパーツに分割できる作品で、ひょうたんに似た形の山が上下にパカッと分かれるのを見て、おどろいた。
 窓越しに、円山が見える。
 「山脈」は円山を借景にして、意味ありげに据え付けられているようでもある。

 北側の壁面には「虚空 鳥」と題された3点が点在している。
 黒い鳥だが、カラスよりも小形だ。
 上のほうに小さい窓があり、これらの作品に相対していると、その窓の中を鳥が横切るのが見えた。

 ギャラリーレタラは、展示した作品が屋外と響き合う構造をもっているといえるのかもしれない。

 ほかに、大きさの異なる矩形20個を敷き詰めてひとつの矩形にし、壁に掛けた「虚空」、やはりパーツを組み合わせた壁掛け型で円形の「昇」、「山脈」よりも険しい山容の「山崖」など。
 DMの画像に使われた作品は「解いた土の香りは聳え立つ」。これも複数のパーツに分割できる。一見、船のような形状だが「こんなかたちになったのは偶然なんです」と話しておられた。
 手ごろな小品もいくつかあった。

 1階のSabita にならんでいた平皿は、高台が大きめ。異なる色の土を薄く重ね合わせて縞模様を出すという、高度な技術を用いているとのことだった。


2016年11月23日(水)~12月11日(日)正午~午後6時(最終日~4時)、火曜休み
ギャラリーレタラ(札幌市中央区北1西28)

前田育子個展(写真なし)

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