北海道美術ネット別館

美術、書道、写真の展覧会情報や紹介。2013年7月末、北見から札幌に帰還。コメント、トラバはお気軽に。略称「ほびねべ」

■第49回 道美展 (2016年9月13~19日、札幌) 日程を訂正しました

2016年09月18日 16時18分02秒 | 展覧会の紹介-団体公募展
※日程が違っていたので直しました。おわびして訂正します。

 絵画、工芸、写真の3部からなる団体公募展。
 北海道美術作家協会の主催で、1969年に第1回が開かれました。

 筆者は第46回展の際はかなり厳しいことを書きましたが、あの時よりは出品も増えて、それなりのにぎわいを保っているように感じました。
 ただ、1人で2点、3点と出品している人も多いです。

 2階は写真です。
 会員54人、会友15人、一般85人で、人物、風景、祭り、ネイチャーなどさまざまなジャンルが並んでいます。
 写真部はかつて、北海道を代表する写真家の掛川源一郎さんが会員でした。ただし、そういう社会派リアリズム、ドキュメンタリー的な作品は、いまはほとんど見当たりません。
 各地で長年撮影に取り組んでいるアマチュアがけっこう多いように感じます。

 中野末吉(胆振管内安平町)「花吹雪」 古寺とおぼしき建物の前に散る桜の花びら。夢幻的に美しい光景。
 窪田實(旭川)「静寂」 凍った池の水面をすかしてコイが見えます。ハスの花も凍っています。コイは大丈夫でしょうか。
 沢谷敏夫(室蘭)「大内宿にて」 南会津の古い宿場の由。トラクターが曳くリヤカーに乗った農家の老夫婦の後ろ姿が、とてもほほえましいです。
 杢信行(室蘭)「陣屋夜話」 ライトアップされた満開の桜と、そびえたつ工場の煙突。自然と近代の対比の妙。
 渡辺一夫(留萌)「晩秋日本海」 青い空と海、白い波頭、そして赤い灯台。シンプルで美しい。高い波の上を飛ぶ鳥の位置も完璧。
 田中二三哉(旭川)「湖愁」 旅愁という語はありますが、湖愁というのは初耳。でも、それにふさわしい、薄暮の日本庭園と池のたたずまい。サギらしい鳥のきりっとした姿が、決まっています。

 金澤俊美(美唄)「都心のオアシス」 一般。ビルに囲まれているのは、札幌の道庁前の池でしょうか。水面近くに浮かび上がるコイの表情がユーモラスで、後方にたたずむカモも効果的です。魚眼レンズは、欲張りすぎた画面になりがちですが、この作品はしっかり整理されているように感じます。会友推挙。
 松本公子(伊達)「雪の爆破」 一般。早春の畑に融雪剤をまく男性の姿がなんだかおもしろいです。

 工芸は、最初の大部屋に陶芸の壺がたくさん並んでおり、陶芸がメインという印象を受けます。
 以前は、第1室の台の上に、壺もカップもびっしりと隙間なく置かれて見づらかったという記憶があるので、陳列はかなり改善されたと思います。
 ただしめざましい増加を見せているのがパッチワークキルト。これは、面積が大きいので、2室以降の壁面を華やかに彩っています。
 図録には作品サイズは書いてありますが、木工、染織など種類の記載がないので、これは改善を望みたいところです。

 道展などはいずれも最高賞が「協会賞」ですが、道美展だけは「道知事賞」で、今年は陶芸の川人久美子さん(札幌)「黄落」が選ばれました。
 続く第2席は「道美賞」で、絵画、工芸、写真の各部から1人ずつ選ばれることが多いようです。ただし今年をみると、3人とも会員で、このあたりどういう選考になっているのかよくわかりません。

 陶芸で気になった作品。
 ただ、全体的には、たとえば道陶芸協会展などに比べると、型破りな作品はありません。
 牧野きよ子(空知管内長沼町)「雪どけ(雪結晶釉)」 光沢ある白い釉薬の結晶がつくる景色がきれい。金子道雄(札幌)「結晶花器」も、同じような白い釉薬が美しかったです。
 魚住慈子(札幌)「冬の波」 こちらは群青の釉薬。矩形の陶片がいくつも貼り付けられ、流氷の海のようです。
 三橋エリ(同)「山女魚文壺」 ヤマメの表情が楽しいです。
 荘司博俊(北広島)「美瑛の丘」 白→ペイルオレンジ→緑→萌黄色とうつろう景色の変化が美しいです。
 魚住劭(札幌)「北の人」 武人の面構えのようなフォルム。
 ほか、西村美和子(同)の志野の釉薬や、菅原末男(長沼)の幾何学的な文様などに惹かれました。


 最後に絵画です。
 3年前に見たときは小品ばかりで、この先絵画部はどうなるのだろうと思いましたが、今年は50~120号クラスが第1室に30点陳列され、格好は保っています。
 ただ、大半はよくあるタイプの風景画などです。以前は散見されたスーパーリアリズム系の作品もありません。
 また第2室以降は、3~20号程度の小品ばかりです。

 この中で、山愛実さん(札幌)は3点も出品し、自分の描きたい世界をしっかりと持っている人だと思います。
 加藤貢(同)「絆」(P50)は2人の女性をリアルに描き新人賞、会友推挙。布の質感などの描き方が見事です。


2016年9月13日~19日(月)午前10時~午後5時(初日午後1時~、最終日~午後4時)

札幌市民ギャラリー(中央区南2東6 @s_c_gallery )

一般500円、70歳以上・障碍者・高校生以下無料






第46回道美展 (2013)
第39回道美展
第35回道美展
 =いずれも画像なし
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
📷19日迄です日程が違いますょ (🌸ペコちゃん🌸)
2016-09-18 20:26:49
🌹いつも嬉しく美術館などの感想を📷など拝見させて頂いております。(*^-^*)
🌻19日の(月曜日)祝日・・この日が最終日です、一日助かりました(笑)私も明日19日に札幌市民ギャラリーに行きます。
🌷とてもいい作品📷の勢ぞろいとお聞きしてワクワクです。
特に📷写真の応募もレベルが上がって来て居るとの事で嬉しいです(^_-)-☆🚲 
Re:📷19日迄です日程が違いますょ (ねむいヤナイ@北海道美術ネット別館)
2016-09-18 21:51:19
申し訳ありません、すぐに直します!
Re:📷19日迄です日程が違いますょ (ねむいヤナイ@北海道美術ネット別館)
2016-09-18 23:33:38
写真のレベル自体は、平均的なアマチュアの作品展だと思います。写真の歴史を塗り替えるような異色作があるわけではありません。

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