全道展会員で絵画の土井義善範、黒木孝子、島津明美、富田知子の4氏と、江別のガラス作家橋本祐二さん、後志管内俱知安町の陶芸家林雅治さんによるグループ展。さいとうギャラリーの部屋があいていた(=予約が埋まっていなかった)ために今回限りで集まったメンバーと思われます。
(※2018年3月。土井さんのお名前が誤っていたので、おわびして訂正いたします。申し訳ありませんでした)
一人ずつ、簡単に紹介します。
近年は、鋭角的な直線の組み合わせによる抽象絵画に取り組んでいる黒木孝子さんは、今回「邂逅」というシリーズを6点出品しています。
全道展や主体美術で見る作品に比べ、オーカー系などの色彩が後退し、モノトーン中心に構成されているという印象を受けました。
第44回主体展
■黒木孝子個展
■第6回主体美術北海道グループ展(2006年、画像なし)
■黒木孝子展 1985年から2003年の500枚の小さな世界(2003年、画像なし)
■黒木孝子展(2001年)
■主体美術8人展(2001年)
千歳市の島津明美さんは、段ボールにボールペンで描いた絵で知られます。変わった技法ですが、チープさは感じません。
今回も同様の手法で制作された5点。
なかには、支持体に切り込みを入れて、左側から見るのと、右側から見るのとで、絵柄が異なる作品もあります。オプアートというのともちょっと違うと思いますが。
島津さんは2006年に2人展、10年に個展を開いていますが、全道展以外で作品を見る機会はそれほど多くない人です。
土井さんは「童夢」と題するシリーズを6点も出しています。
いずれも題のとおり、子どもの夢のような、幻想的な世界を描いています。
たとええば「月の輝く夜に」という副題を持つ1点は、満月の浮かぶ群青の夜空の下、尖端に木馬の付いた棒が立つ城の塔がひっそりと立ち、手前では車輪を転がしてあそぶ女の子と、色とりどりの球体に乗る曲芸師とが向かい合っています。
「にぎやかで騒がしい夜」という副題の作品は、窓の向こうにサーカスが繰り広げられ、ちょうど窓枠が、手前で横たわる人物が見ている夢と現実の境界線になっているようです。
土井さんの絵は幻想文学の世界に、いまの道内の油彩画家でいちばん近い存在かもしれません。
■第15回あなたと育てたい北区のアーティスト展 (2013)
第30回 馬齢会展 (2003)
=以上画像なし、土井さん出品
この4人の中では、個展など、全道展以外で作品を目にする機会がいちばん多いのが富田知子さんだと思います。
モノトーンを基調に天使や十字架、女性、樹木などのモチーフを、力強いマチエールで描き、見ていて気持ちが引き締まる絵を描きます。
この引き締まった感じは、小品でも変わりませんが、活字の数字などをコラージュしてちりばめているのは、全道展で見る100号クラスの作品にはない特徴です。「Dream Box」は、コラージュの小品を額の中にずらりと並べています。
■行動展北海道地区作家展 (2016。画像なし)
【告知】富田知子展 (2013)
■さいとうgallery企画 第15回夏まつり「星・star」展 (2009年、画像なし)
■富田知子展(2008年)
■行動展北海道地区作家展(08年2月)
■富田知子展(03年)
■富田知子・林雅治・林玲二 三人展(01年)
工芸畑の2人にうつります。
橋本祐二さんは、道立総合研究機構工業試験場でガラスを担当する技師のかたわら、作家活動もしています。
使用済みのガラスびんに熱を加えて変形させた作品が多いです。
今回のインスタレーション「どこ行くの?」は、各30ないし31本、あわせて92本を展示。
ただ変形させただけではなく、サンドブラストという技法で、表面をマットな状態に加工しています。
■置戸コンテンポラリーアート (2012)
■はこ展(2009)
■橋本祐二ガラス博物誌 (2002年)
最後は、長年オブジェを手がけている林さんです。
うつわと並行して、これだけ長期にわたり造形活動もしている陶芸家は、道内でも数少ない存在です。
今回は「ヒップなマンティス」と「ヒップな白いマンティス」の2点を出品。
マンティスはカマキリの意味で、たしかに逆三角形の顔がカマキリに見えます。
林さんのオブジェは白いことが多いですが、今回は酸化鉄を加え、チョコレート色に仕上げています。
□FAF工房 http://www8.plala.or.jp/FAFkoubou/
■FAF工房展 (2015)
■置戸コンテンポラリーアート (2013)
■林沐雨とFAF工房展(~15日)、および、趣味の器「ギャラリー和香思」のこと(2012年)
札幌市西区西町に大和屋ギャラリーがオープン(2009年)
■FAF工房陶展(2009年)
■林雅治個展(2008年)
■風の中の展覧会 IV (2007年)
■NAC展13th 陶による造形(2007年)
■FAF工房陶展(2007年)
■レリーフによる作品(06年)
■12th NAC展(06年)
■風の中の彫刻展(06年)
■新春茶わん展(06年、画像なし)
■風の中の彫刻展(05年)
■林雅治個展 陶による造形(03年)
■林雅治個展 ニュースペーパーは伝える After the fall(02年、画像なし)
■第7回NAC陶展(01年、画像なし)
■富田知子・林雅治・林玲二3人展(01年)
■林雅治個展(01年)
2017年3月21日(火)~26日(日)午前10時30分~午後6時30分(最終日~午後5時)
さいとうギャラリー(札幌市中央区南1西3 ラ・ガレリア5階)※H&M のあるビル
(※2018年3月。土井さんのお名前が誤っていたので、おわびして訂正いたします。申し訳ありませんでした)
一人ずつ、簡単に紹介します。
近年は、鋭角的な直線の組み合わせによる抽象絵画に取り組んでいる黒木孝子さんは、今回「邂逅」というシリーズを6点出品しています。
全道展や主体美術で見る作品に比べ、オーカー系などの色彩が後退し、モノトーン中心に構成されているという印象を受けました。
第44回主体展
■黒木孝子個展
■第6回主体美術北海道グループ展(2006年、画像なし)
■黒木孝子展 1985年から2003年の500枚の小さな世界(2003年、画像なし)
■黒木孝子展(2001年)
■主体美術8人展(2001年)
千歳市の島津明美さんは、段ボールにボールペンで描いた絵で知られます。変わった技法ですが、チープさは感じません。
今回も同様の手法で制作された5点。
なかには、支持体に切り込みを入れて、左側から見るのと、右側から見るのとで、絵柄が異なる作品もあります。オプアートというのともちょっと違うと思いますが。
島津さんは2006年に2人展、10年に個展を開いていますが、全道展以外で作品を見る機会はそれほど多くない人です。
土井さんは「童夢」と題するシリーズを6点も出しています。
いずれも題のとおり、子どもの夢のような、幻想的な世界を描いています。
たとええば「月の輝く夜に」という副題を持つ1点は、満月の浮かぶ群青の夜空の下、尖端に木馬の付いた棒が立つ城の塔がひっそりと立ち、手前では車輪を転がしてあそぶ女の子と、色とりどりの球体に乗る曲芸師とが向かい合っています。
「にぎやかで騒がしい夜」という副題の作品は、窓の向こうにサーカスが繰り広げられ、ちょうど窓枠が、手前で横たわる人物が見ている夢と現実の境界線になっているようです。
土井さんの絵は幻想文学の世界に、いまの道内の油彩画家でいちばん近い存在かもしれません。
■第15回あなたと育てたい北区のアーティスト展 (2013)
第30回 馬齢会展 (2003)
=以上画像なし、土井さん出品
この4人の中では、個展など、全道展以外で作品を目にする機会がいちばん多いのが富田知子さんだと思います。
モノトーンを基調に天使や十字架、女性、樹木などのモチーフを、力強いマチエールで描き、見ていて気持ちが引き締まる絵を描きます。
この引き締まった感じは、小品でも変わりませんが、活字の数字などをコラージュしてちりばめているのは、全道展で見る100号クラスの作品にはない特徴です。「Dream Box」は、コラージュの小品を額の中にずらりと並べています。
■行動展北海道地区作家展 (2016。画像なし)
【告知】富田知子展 (2013)
■さいとうgallery企画 第15回夏まつり「星・star」展 (2009年、画像なし)
■富田知子展(2008年)
■行動展北海道地区作家展(08年2月)
■富田知子展(03年)
■富田知子・林雅治・林玲二 三人展(01年)
工芸畑の2人にうつります。
橋本祐二さんは、道立総合研究機構工業試験場でガラスを担当する技師のかたわら、作家活動もしています。
使用済みのガラスびんに熱を加えて変形させた作品が多いです。
今回のインスタレーション「どこ行くの?」は、各30ないし31本、あわせて92本を展示。
ただ変形させただけではなく、サンドブラストという技法で、表面をマットな状態に加工しています。
■置戸コンテンポラリーアート (2012)
■はこ展(2009)
■橋本祐二ガラス博物誌 (2002年)
最後は、長年オブジェを手がけている林さんです。
うつわと並行して、これだけ長期にわたり造形活動もしている陶芸家は、道内でも数少ない存在です。
今回は「ヒップなマンティス」と「ヒップな白いマンティス」の2点を出品。
マンティスはカマキリの意味で、たしかに逆三角形の顔がカマキリに見えます。
林さんのオブジェは白いことが多いですが、今回は酸化鉄を加え、チョコレート色に仕上げています。
□FAF工房 http://www8.plala.or.jp/FAFkoubou/
■FAF工房展 (2015)
■置戸コンテンポラリーアート (2013)
■林沐雨とFAF工房展(~15日)、および、趣味の器「ギャラリー和香思」のこと(2012年)
札幌市西区西町に大和屋ギャラリーがオープン(2009年)
■FAF工房陶展(2009年)
■林雅治個展(2008年)
■風の中の展覧会 IV (2007年)
■NAC展13th 陶による造形(2007年)
■FAF工房陶展(2007年)
■レリーフによる作品(06年)
■12th NAC展(06年)
■風の中の彫刻展(06年)
■新春茶わん展(06年、画像なし)
■風の中の彫刻展(05年)
■林雅治個展 陶による造形(03年)
■林雅治個展 ニュースペーパーは伝える After the fall(02年、画像なし)
■第7回NAC陶展(01年、画像なし)
■富田知子・林雅治・林玲二3人展(01年)
■林雅治個展(01年)
2017年3月21日(火)~26日(日)午前10時30分~午後6時30分(最終日~午後5時)
さいとうギャラリー(札幌市中央区南1西3 ラ・ガレリア5階)※H&M のあるビル