北海道美術ネット別館

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■第17回教職員OB美術展 (5月25日まで)

2008年05月22日 21時26分14秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 62人が絵画、写真、彫塑、版画、工芸・造形、書を出品している。
 小品が多い中で、小野建壽さんが、ほぼ等身大の裸婦「間」をはじめ「間」「叫ぶ女」「憧れ」「太った女」と、彫塑を5点も出品する元気なところをみせて、会場を引き締めている。

 絵画では、藤井正治さん「ゼンマイ仕掛けのマエヘナラエ」がユニーク。戯画的な人物を紙に書いたものをキャンバス(?)に貼り付けた、一種のコラージュだ。画面の下半分に箔足のようなものが見えるのもおもしろい。
 坂口清一さん「遠い季節」。坂口さんは近作で、白いおばけのような形態を3つ、暗い色で山を描写した風景画の中央に入れるのを通例としているが、これは風なのだろうか。
 斎藤洪人さん「春のニセコ」。斎藤さんはますます抽象画に接近している。
 最近はざるを組み合わせた作品が多い種市誠次郎さんは、「銚子やガラス器など」を出品。一般的な静物画はめずらしいが、物の配置には、作者なりの試行錯誤があるのだろう。
 未知の人では、白井圀毅さん「玉村古鎮<湖南省>」が落ち着いた風景画で、目についた。
 ほかに、今本哲夫さん「足摺岬」、香取正人さん「神仙沼」、香西富士夫さん「会話」、村谷利一さん「石狩」、版画では浅野さん「里・巣」、佐野千尋さん「早春・カテドラル」など。

 道展会員で金工作家の中村矢一さんの遺作「春日」が展示されていた。
 中村さんは道展のほか、光風会や北海道金工作家協会で長く活躍しておられたが、亡くなったことは知らなかった。
 北海道の風土を反映した、平易なレリーフが多く、「春日」も、花と2羽の小鳥をモティーフにしたあまやかな小品だった。 
 ご冥福をお祈りします。


08年5月21日(水)-25日(日)10:00-18:00(最終日-16:00)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)

第15回(画像なし)


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