北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

舛添要一東京都知事の支出について。この美術品、本物なの?

2016年05月23日 02時02分02秒 | 新聞などのニュースから
(23日午後、題を変更しました)

 東京都の舛添要一知事が、政治資金名目で、あまり政治目的らしくない支出を繰り返していることが発覚し、多くの批判を浴びている。
 このうち、当ブログとしては、美術関連の出費に着目したい。
 詳しく報じているのは、読売新聞の5月18日付である。
 この記事によると、舛添氏の三つの政治団体が2012~14年、「資料代」名目で画廊や古物・古美術商に少なくても計38件、総額約160万円を支出していた―という。
 資料代計438万円のうち、36%の約160万円が画廊、古物・古美術商などへの支出で、「フランス史資料」「日米現代社会資料」「中国史資料」などと領収書には記載されていたそうだ。中には版画や絵画もあり、また、政治家の伝記など、政治関連といえるものもあったとのこと。
 以下、引用すると―。

 12年には(中略)「ヤフオク!」で、都内の画廊から約2万3000円で梅原龍三郎の版画を購入。画廊は「価値が高い作品ではなく、趣味で買ったと思っていた」と説明した。領収書には「日仏交流史資料」と記載されていた。

 神奈川県内の古美術商からも同年、同じくヤフオクで米国の芸術家キース・ヘリングの原画と手紙を約3万1000円で買っていた。領収書の記載は「現代アメリカ社会資料」だった。

 舛添知事は13日の記者会見で「美術品は外国の方に渡したり、(政治に関する)研究資料として使ったりしている。美術が趣味なのは事実だが、国際交流で使う物とコレクションは明確に分けている」としていた。(以上引用)


 以下、ちょっと考察を加えてみる。

 梅原龍三郎は20世紀日本の洋画壇の大物である。ただし、版画家ではないので、版画があるとしたら、画廊が油絵をシルクスクリーンに仕立てたものであろう。
 それでも、2万3千円は安いと思う。もちろん、大きさによることは、いうまでもないが。
 また、梅原がルノワールの大きな影響を受けていることは有名で、「日仏交流史資料」というのは看板に偽りなしだが、それが政治活動とどうつながるのだろうか。

 もうひとつ例として挙げられているキース・ヘリングだが、これも「原画と手紙約3万1000円」というのは、いくらなんでも安すぎないか。原画とあるが、エディションの多い版画か、印刷物ではないのか。
 世界的に有名なキース・ヘリングの原画が3万円余りで手に入るはずないだろうと思う。

 美術が趣味というわりには、ずいぶんセコい買い物である。
 ポケットマネーではもっと高いものを買っているんだろうか。

 また、国際交流であれば、日本の画家や作家によるものを、プレゼントしたほうがいいんじゃないだろうか。

 筆者は個人的には、インターネットで何を買ってもいいけど、靴と美術品だけはネットで購入することが信じられない。そんな恐ろしいこと、どうやったらできるんだろう。


 あと、舛添のセコイ話より、東京五輪の誘致の裏金のほうが額も大きいし、重要だ―という指摘がある。
 まったく同感だが、だからといって舛添が免責されるわけでもない。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。