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■風の彩・本田滋絵画展《風の声を聴こう》 (2015年10月26日~11月4日、北広島)

2015年11月05日 23時59分59秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 札幌の本田滋さんは、会社勤めをやめて、絵画三昧の日々をおくっている。一昨年は個展だけで10回も開催しており、ほかにも日輝展やグループ展に出品するなど、非常に精力的に制作と発表を続けている。
 作品の多くは、筆に勢いのある風景画で、アクリルガッシュを用いている。

 今年から多く取り組んでいるのが、横長の画面の天地に黒い帯のような部分を作っていること。
 おそらく額をそろえられないゆえの苦肉の策ではないかと思うのだが、画面を引き締める上で効果があるようだ。
 また、本田さんのサインは大きいので、この黒い帯の中にかきいれることによって、絵を妨げずに済むという要素もある。

 これまで、ほかの誰も描かないような札幌の都市風景に多く目を向けてきた本田さんだが、今回は、北1条と大通の間の西6丁目通の、ビル解体後に巡らされた塀にうつる街路樹の影を題材にした「木陰のメヌエット」を別とすれば、札幌郊外の風景をもっぱら題材にしている。
 今年、石狩市望来もうらいの「夕日の美術館」で働いていたことも要因だろう。

 冒頭画像、いちばん手前の作は「未完に続く道」。
 こういう切り通しの情景に、どこか心ひかれる。


 


 左が「夕陽のシラツカリ川」。
 早春の草原を流れる河口付近の川が、西日を反射して輝いている。

「夕暮れなので、スケッチをゆっくりしている暇がなくて」
と本田さん。
 原野は町に比べ、確たる対象がなく、描きづらいとも言っていた。

 右は「此処に生きる」。
 手前に伸びた草が、画家の心象を映し出しているようでもある。

 左右をつなげれば、ひとつながりの風景になるそうだ。


 本田さんの、この会場での個展ははじめて。
 すっかり葉が落ちて明るくなった窓から入る光が、絵画作品とうまくマッチしている。


2015年10月26日(月)~28日(水)、11月2日(月)~4日(水)午前10:30~午後3:30
黒い森美術館(北広島市富ケ岡509-22)


 なお、本田さんは、札幌駅前でも現在、2人展を開催している。

八代千里(水墨画)・本田滋(アクリルガッシュ)二人展
=2015年10月31日(土)~11月13日(金)午前8:45~午後9時(最終日~午後1時)
北海道銀行札幌駅前支店ミニギャラリー(札幌市中央区北4西3)


風の彩~本田滋絵画展― (2015年2月)
本田滋絵画展 (2014)
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上砂川・北の創造者達展07


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