■mani個展(3月16日まで） とmicro.の今後

　mani（マニ）さんの個展。
　これまで、ヘッド・オブ・ザ・ルームなどのグループ展に出品してきましたが、個展は初めてじゃないでしょうか。
　
　さて、
「ヘンな絵」
と
「まともな絵」
があれば、筆者は前者が好きだし、評価すべきだと思います。
　maniさんの絵は、かなりヘンです。
　それも、一部のシュルレアリスムの絵のように、意図してヘンな絵にしたというよりは、期せずしてヘンになったという感じがします。

　たとえば「安心感」という絵は、正面を向いて横に並んだ女性2人の髪の毛がくっついている図柄で、なんとなく「TSUTAYA」のマークを連想させるのですが、頭上にカラスがのっかっています。しかも、カラスは下半分だけ描かれ、上はすっぱりキャンバスの端で切れているのです。

　あるいは、女性の吐いた息が、タコのかたちに変わっていくという絵もあります。
「タコ、好きなんですよ。刺し身も好きだし、形も好き」
と屈託のないmaniさん。
　ちなみに、キノコも好きなのは、冒頭の画像「きのこたち」を見れば、わかると思います。

　　　　　　　　　

　　　　　　　　

　ずいぶん色合いがちがいますが、壁はおなじ黒です。
　なお、木の横に、左端に見えている茶色は、micro.の代表のsamくんの背中です。
　下のフロアは、輪郭に沿って切り取った動物たちの絵がメーン。
　緑の犬やイノシシ、指が6本あるシカなど、子どもの描いた動物園みたいなたのしさがあります。

　上のフロアは、四角形の絵がわりと多いです。ただ、「きのこたち」は上のフロア。
　このほか、階段には、葉をそのままかたどった絵もあり、どこに作品がかくれているか、わかりません。
　どちらかというと、上のフロアの作品のほうがあたらしいそうです。

　なぜ輪郭で切っちゃうのか、ご本人に聞いたら
「私ヘタだから。周りを切ると、目立たないかなと思って」
と謙遜(けんそん)します。
「制作前に、描きたい頭の中にイメージはちゃんとあるんだけど、描いているうちにそのときの思いが入ってきて絵が変わっちゃうんです。そんな絵をこれからも描いていきたいです」
　なるほど。タコの刺し身が食べたい－と思っていたのかな。

　下の画像の真ん中の絵は「チョコレートケーキ」。
　犬の背中にろうそくが立っています。
　そういえば、緑の犬の絵もあったなー。
「だって、茶色の犬って、地味じゃないですか」
　やっぱり、maniさん、おもしろい。(笑）

　ところで、maniさんはこれまで、オダカオリ名義などで作品を発表してきています。

3月10日(土)－16日(金)　14：00－23：00
micro.(中央区南5東3)

　さて、話は変わって、スクープです。
　会場のmicro.は、4月に取り壊されることがきまっていますが、山鼻地区に1軒の家を確保し、引っ越すことになりそうです。
　「ここより雰囲気はだいぶ落ちるんですが」
とsamくん。
　でも、すごいなー。