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(3)ゲストハウス×ギャラリープロジェクト Sapporo ARTrip「アートは旅の入り口」―各会場のようす

2017年11月23日 20時08分05秒 | 札幌国際芸術祭
(承前)

 ゲストハウス×ギャラリープロジェクト Sapporo ARTrip「アートは旅の入り口」について、これまでの2本の記事で触れなかった各展示も簡単に紹介しておきたい。

 まずは札幌ゲストハウス雪結(中央区南3東4)。
 前項で述べたとおり、写真家2人の作品が展示されていたが、筆者が訪れた時にはすでに酒井広司さんの「胆振線19792017」だけになっていた。

 「胆振 い ぶり線」とは、旧国鉄胆振線のこと。
 しりべ管内倶知安の倶知安駅から、京極、喜茂別、大滝、壮瞥を経て、伊達市の伊達紋別駅に至るローカル線だ。

 酒井さんは室蘭に住んでいた1979年1月3日、北から南に向けてこの路線の列車に乗り、羊蹄山のある風景など沿線を撮影。
 ことし6月に再訪して撮影した。
 いずれもモノクロで計23枚。

 蟠渓ばんけい駅跡など、かつて鉄道が走っていたという面影がほとんどない箇所もあったそう。

 1990年代の酒井さんは、正方形にトリミングしたモノクロームの風景写真に、撮影した場所の緯度経度と時刻を数字で付し、「固有の場所・時間であると同時にアノニマス(無名)である風景」を撮影し続けていた。今回の写真は「胆振線」という主題を持っているものの、アノニマス性において、過去の作品群に通じるものを持っているように思う。


 Ten to Ten Hokkaido Hostel & Kitchen(中央区南8西5)の1階カフェに展示された、富士翔太朗「きこえるまち」。
 このほか、宿泊者用のスペースにも作品があったとのこと。

 カフェ入り口の立体作品は、手作りプラネタリウムとでも称するタイプのもの。
 さまざまなシルエットを切り抜いた板を大きな正多面体につなげて、中央にあかりを仕込んで四方に光を散らす仕組みで、本郷新記念札幌彫刻美術館で6~7月、子ども育成事業「わくわく★アートスクール」作品展で富士山が地元の小学生と合作・発表したものに似ている。

 このほか、壁には、自転車に乗った人の絵や、札幌の街並みを遠望したような絵が展示され(壁に直接描いた?)、国内外の旅人を迎え入れるアートとしてぴったりのように感じられた。
 富士さんの作品の持つなんともいえない向日性というか明るさが、ここにもこだましている。

 筆者が訪れた翌日には、会場で富士さんのライブも行われていた。


 話は変わるけれど、このカフェはなかなか応対が気持ちの良いお店で、フレンドリーなのになれなれしくなく、筆者のような初めての客にも、海外からしばらく滞在している客にも、楽しげに言葉をかけてくれる。
 クラフトビールなども充実しているので、できれば再訪してビールのジョッキを傾けたいと思っているのだが、なかなか機会がないのが残念だ。

 
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