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■小樽芸術村 × mima 絵画コレクション―三岸好太郎とその時代 (2017年4月22日~6月18日、札幌) 6月3日は4カ所(2)

2017年06月14日 20時25分00秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
承前

 すみません。同じ日に見た展覧会の記事であるにもかかわらず、公開の時期がばらばらになってしまいました。


 さて、すでに書きましたが、本年度のmima こと三岸好太郎美術館のラインナップには「捨てるところ」「今回はパスしてもさしつかえない会期」というものがありません。言い換えれば、ふつうの所蔵品展がまったくないのです。
 今回も、ニトリが小樽運河沿いに整備中の「小樽芸術村」からコレクションを借りており、岸田劉生や藤田嗣治のはじめて見た作品が何点もありました。

 ニトリは、自分の施設で展示する前に所蔵品を貸し出してくれているのですね。
 もちろんPRも兼ねているのでしょうが、太っ腹だなあと思います。

 なかでもおどろいたのは、棟方志功の代表作「二大菩薩釈迦十大弟子」が展示されていたこと。
 筆者は、これまで何度か同作を見ています。ただし、ガラスケース無しで、ジグザグに屏風の形式を保って展示されているのを見るのは、これが初めてです。
 11日までは、1点ずつ額装した12点を横一列に並べた展示スタイルで「二大菩薩釈迦十大弟子」が、おとなりの道立近代美術館の「大原美術館展 II」に出品されていました。
 展示手法で、受ける印象がだいぶ異なることに驚かれる人もいることでしょう。


 ほかに小樽芸術村の所蔵品で、展示されているのは

岸田劉生「黒き土の上に立てる女」「婦人像」
藤田嗣治「婦人の顔」「仰向けの猫」「仏印河内郊外」
中川一政「薔薇」「向日葵」
梅原龍三郎「カンヌ港」

 梅原はいつもの調子。太めの筆で、細部に拘泥せずわしわしと風景を大づかみでとらえていきます。これはカンヌではなく、師のルノワールが住むカーニュらしいとのこと。
 おなじ南フランスの地中海岸で、十数キロしか離れていないのですが…。

 上記の中でおやっと思ったのが、フジタの「仏印河内郊外」。
 仏印とは、フランス領インドシナの略で、河内は現在のハノイです。
 藤田が従軍して1940~41年に描いたものと思われ、彼にしてはずいぶん穏やかな、いってみれば「ふつうの」風景画です。
 しかし、フランスがナチスドイツに降伏したドサクサにまぎれて東南アジアの一角をわがものとした日本軍のやり方は、米国を怒らせ、あの無謀な対英米戦争への大きな一歩になることを思えば、この穏やかな風景も、穏やかな心持ちで見ていることはできなくなってきます。


 なお、三岸についても「檸檬持てる少女」「のんびり貝」「オーケストラ」「黄服少女」「猫」といった代表作は展示されているので、ご安心を。



2017年4月22日(土)~6月18日(日)午前9時30分~午後5時、月曜休み
道立三岸好太郎美術館 mima (札幌市中央区北2西15)

□公式サイト http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/mkb/





・地下鉄東西線「西18丁目」4番出口から750メートル、徒歩9分

・中央バス、ジェイアール北海道バス「道立近代美術館前」から500メートル、徒歩6分(札幌駅や北1西4から乗って、手稲、小樽方面へ行く大半のバスが停車します。ただし、北大経由小樽行きは除く)

・ジェイアール北海道バス「桑11 桑園円山線」(JR桑園駅-円山公園駅-啓明ターミナル)で「北3条西15丁目」降車、約170メートル、徒歩3分

・市電「西15丁目」から770メートル、徒歩10分


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