「英国パブリックスクールを模範とした全寮制の男子校」は、
何も海陽が初めてではありません。
これまでに、日本国内にいくつも作られました。
都立秋川高校、叡明館、暁星国際、那須高原海城、聖パウロ学園・・・。
みな失敗しました。
暁星国際は、東京の名門・暁星が政財界の支援を受けて創った学校。
那須高原海城は、東京の難関進学校・海城が創った学校。
ブランドがあっても、政財界の支援があっても、
進学校としての指導ノウハウを持っていても、失敗に終わる。
授業料が高いからではありません。
秋川高校は公立で、費用は相当良心的だったけど、それでも失敗しました。
「人里離れた全寮制の男子進学校」は、日本では成功しません。
そういう学校をつくっても、いい先生もいい生徒も集まらないから。
結果、都心の良い学校に入れなかった金持ちのドラ息子とか
親の手に負えない不良少年とかが、金で放り込まれる学校になり果てる。
そして、入学希望者激減、退学者激増、先生も居着かない・・・。
失敗した死屍累々の前例がこれだけあるのに
なぜまた、同じ失敗を繰り返そうとするんだろう・・・。
私は、「英国パブリックスクールを模範とした全寮制の男子校」とは、
人々が忘れた頃に定期的に発生する、一種の詐欺ではないかと考えています。
「M資金」とか「徳川埋蔵金」とか「山下財宝」みたいな。
そんなものはないことが分かっているのに、引っかかる人が後を絶たない。
同じく、「英国風全寮制男子校」も、
歴史も社会構造も違う日本でやっても失敗すると分かっているのに
騙されて入学する人が後を絶たない。
ひょっとして、設立する人も騙されているのだろうか?
「イギリスにはパブリックスクールというエリート養成学校があるでしょ、
日本にはそういうのがありません、是非つくりましょう!」と
怪しげなコンサルタントか何かに耳元で囁かれて
過去の失敗事例も知らずに創ってしまうんだろうか?