another prog

冷たい牛乳と柿ピー、そして好きな音楽

暖かくなるとホっとする

2017-03-19 23:21:25 | Weblog

 娘ツアーで公開された「青春 Say A-HA」を聞いた。つんく♂氏の調子がいよいよ上がってきて嬉しい限り。何故かちょくちょく出して来るロシア民謡っぽいノリを元にしたコミックな感じの曲だが、大久保薫のアレンジが「心得てま!」な堅い仕事で、導入のベンベケなスラップベースが印象的な、うねるリズムが心地良いトラックだ。大久保氏の「ウルフボーイ」や江上浩太郎の「負ける気しない 今夜の勝負」が過ぎる。楽しさ満載、これですよ、これ!

 つんく♂(リスペクトしてるから氏をつけたいが、堅苦しいから止める)について、ずっといろいろ言いたかったが、たくさん有り過ぎて後回しになっていた。まずは娘シングルから振り返ると、「そうじゃない」について、「泰然自若なつんくが出た作品で、15歳前後の少女の生活がテーマになっているところに、製作意図に対する興味が湧く」と以前書いたところに戻る。これは結局、事務所から牧野をメインに据えた曲が欲しいというオーダーがあったらしく、娘作品の流れでは割りと突然だった文脈に、それで納得がいった。つんく♂はもちろんロックにも立脚しているので、自分に対する他人の理解が「それだけじゃない」という、ロックではポピュラーなモチーフもよく使う。娘シングルにつんく♂プロデュースではない形で、他の作家が入って来た時期に、通常運転で今までも何度かやってきたような作品を出してきたところに泰然自若を感じたのだ。単に現製作Pの意図かもしれないが。楽曲自体は歌詞の少女の所感をそのまま活かす為、3連符がよく出てくる字余り感が、面白いリズムを産み出すものとなっている。これも結構お得意パターン。EDM系ではあるが、アタックの強いコードを叩く鍵盤が初期テクノ/ハウスを思い出させ、歌謡曲テイストも含めて全体的に懐かしい。間奏カッコイイな。牧野の少し甘えた感じが上手く出ている作品だ。MVは久々に初期娘に回帰したような意味不明なw 昔のCG感溢れるイメージ。もっと暖かい色調でも良かったのでは?



 「セクシーキャットの演説」が公開された時は、ついに意欲的な作品が出て来たと喜んだ覚えがある。ちょっと貧弱な音源だけど艶やかなサックスリフと、ジャングルビート(アイレムの石田雅彦氏のようだ)がクセになる。「本気で挑まぬ女の子」のワンノートパートは、つんく♂が久々に繰り出すパターン。この楽曲方向は、EDMのエレクトロスイングからの流れだろうが、そのまま持ってこないところが流石大久保氏だ。間奏のBPMを落としリズムを変えたパートの挿入も流行りの要素だが、サラっと溶け込み、アクセントになっている。新作「ジェラシー ジェラシー」の大久保氏の仕事にも感じたことだが、洋楽のような同じフレーズでの、曲終盤に向けての盛り上げ、と言う課題に取り組んでいるようだ。元々Cメロを殆ど作らないつんく♂作曲ではあるが、追加のバッキングやベース/リズムトラックで、どこまで華やかに彩れるか?ということに挑戦しているように思う。タイトル通りの”セクシー”さが出たカッコいいトラックに仕上がっている。歌詞については、前向き、チャレンジ、向上心、と言った、病後つんく♂がより好んで使うようになったモチーフに則っているが、意欲的だと思ったのは女性らしいセクシーキャットという艶のある言葉を選んで来たところ。しかも1コーラス・2コーラスどちらでも、ピュアを言い訳にズルく怠惰を貪ってないか?と挑発している。ピュアを持ち上げた上での非難は既に面白いが、この歌詞はタイトルも含めて少々トリッキーな構成だ。「セクシーキャット」とは、歌の主人公が成りたい自分、仕事や学業がデキる女性、自分の意見をハッキリと持ち、遊びも慣れていて、且つ美しくセクシーで誰もが惹かれる、そんな存在だと思うが、その成りたい自分から今の自分へと発破をかける内容を、”演説”と纏めているのだ。メタ視線のつんく♂流啓発は、若手の作詞と違って流石に上手い。「大器晩成」の歌詞のような、主張したいテーマと表現の力点の齟齬も感じない。MVでは、成りたい自分が更に暴走し、怠惰な現在の自分を猫のように気ままに邪魔して嘲る作りになっているが、歌詞に基づいたコンセプトで好感が持てる。怠惰な今の自分とセクシキャットが一緒になって暴れている終盤シーンの解釈が難しくはあるが。セクシーキャットへの道を放り出して開き直った、ということはまさか無いと思うので、殻を破って本気出すことを無礼講で好きなように暴れると言うことに、象徴として置き換えているのだろう。最近、ハロコン等で藤本のソロ曲を歌う機会が多かったせいか、譜久村の歌声が艶のある藤本の声に似て来た。工藤の少し粗野な声の使い方も良いね。



 新曲「ジェラシー ジェラシー」はデラックス幕の内弁当のような作品だ。作詞・作曲:つんく♂、編曲:大久保薫。ジャミロクワイの「Too Young Too Die」を思い出させるストリングスのイントロから始まり、Juice=Juice曲のような4つ打ちパート、そして2本(正確には下の音も合わせて3本)のリズムギターとリズムトラックとシンセブラスのみのファンキーなラップ部。シンセブラスのアレンジはディスコだし、2度目のラップ部はトラップが導入されている。ワンポイントの小田のフェイクや、続く「ジェラシー」はわざとメンバーの声を乗せずに加工した男声のコーラスを大きくして驚かせる。しかし、ラップアレンジがU.M.E.D.Y.とは言え、 見事なフロウで、ネイティブな英語発音ができる野中はもちろんだが、小田の破裂音の立ち上がりが素晴らしい。後半の譜久村ソロの凛々しさもいいね。歌詞はずっとキャンペーン中の、つんく♂からの生きるアドバイスだが、ジェラシーを成長の糧とせよと言うサマになった内容で、定番の言葉も多い為僅かに物足りなさはあるものの、端々にオリジナリティを感じさせる言葉のチョイスがあり楽しめる。誰もが注目する2回目のラップ部の「細い」は、その前の言葉「Girly」のガーリーから、「ガリやから、細いやん」みたいな関西ノリだったのでは?と邪推。

 娘作品につんく♂作以外を混ぜるなは前回ブログでネチネチやったので繰り返さないが、やっぱ曲で楽しめて、アレンジで楽しめて、歌詞で楽しめて、歌で楽しめて、と言うのはモーニング娘。が歌うつんく♂作品ならでは。次作も期待してますよ、と言いつつ、最初の「青春 Say A-HA」に戻る。



 ここ2週間で大好きになった曲がある。下手すりゃ好きな「ジェラシー ジェラシー」を上回る勢いだが、まずは東京女子流の「リフレクション」。一年少し前の曲だが、不覚にも気づかなかった。女子流は初期のアルバムを2枚購入したことがある。楽曲は好きな系統だが、ハロのように歌詞を考えて歌いなさい、があまり徹底されていなかったのか、歌に気持ちが乗っておらず、製作陣が少女を使ってコンセプトを忠実に再現したい、というところが一番感じられて興味を失った。楽曲も悪くないんだけど、割りとこなれたファンキーJPOP路線なので、愛嬌が無いというか、それが無くてクールだけでキメちゃうと、逆に古さが出てくるようで没入できなかった。フィロソフィーのダンスとか、エスペシアなんかもそれに近く、なんか素直に好きとはならないw だったらアイドルベース止めて、cymbalsとか流線形とか、ああいう活動にすればいいのにと思っちゃう。いや、そういう活動なのか?  元々アニメ声アイドルは嫌いなので、好みの領域幅が狭い私。そもそもアイドル好きかどうかも怪しい。「リフレクション」は、作詞:カミカオル 作曲:Cho Sung Hwan, Noh Young Won 編曲:中村祐介。言われてみれば、歌い出しの少女のか細いファルセットから始まるところが、KPOPにありそうだ。コード進行がもろ好み。竹内まりやの「夢の続き」みたいと言うか。シンプルな4つ打ちトラックと相まって、被虐的な歌声に滲む恋のペーソスがたまらない。こういうか弱い女性の表現って、KPOPは上手い。強いのも上手いと思うので、強弱どちらかのベクトルに振り切ると言うか。女子流メンバーの歌も、一人減っている危機感がシンクロするのか、倒れてしまいそうな薄幸感が、恋の不安をよく表現している。割り切る、開き直ることのできる大人の手前の刹那にしか、現れない切なさが感じられて、ディレクションがあったのかどうかは分からないが、少しねっとりと歌うスタイルがまた、それを盛り立てる。本当好きです、これ。昨年秋頃の「ミルフィーユ」は打って変わって明るくポップなナンバー。これもKPOPにありそうで、若干ステレオタイプながら、よくできている。ただ、最近の女子流ファンに人気があると言う「深海」や「predawn」は、如何にも向こうのEDMサウンドを引っ張って来たようで(Juice=JuiceのDream Roadも)、マイナー調なだけに今更感があって、あまり好きではない。歌自体はやはり昔より魅力あるが。




 そしてもう一曲の大好きな曲が、エラバレシ「選ばれし二人になりたい」だ。これも一年近く前の曲だが、作詞・作曲:つんく♂、編曲:平田祥一郎のお馴染みコンビ。ハロではしばらく書いていないような、完全に恋に落ちた曲。バクステメンバーの年齢に合わせた作品だが、以前にも書いたように、つんく♂作品はピュアな世界観によるものか、実年齢よりも幼い感じになる。これ、いい曲だなぁ。メンバーが感情移入し易そう。似た雰囲気の楽曲を歌ったこともある、Juice=Juiceに歌わせてみたい気もするが、歌えるかな?こんな風にw  同じエラバレシの「もうなんなの!?私」もまぁまぁ良い。作詞:つんく♂、作曲:志倉千代丸、編曲:大久保薫。千代丸さんの曲では、「アイドルがクラスメイトなのに、気付かないキミ達は情弱乙でしょ」が好きだ。それと同じようにアップテンポでまくし立てる楽曲だが、そこは大久保薫、プラチナ期楽曲のようなヨーロッパラウンジな香りも入れて、切ない一瞬を演出する。全体的につんく♂曲とは違い、ゲーム音楽のように過剰で圧しの強いアレンジになっているのが、千代丸さんの指示なのか、大久保氏の忖度なのかは分からないが、面白い。こちらも恋の歌。まだこの辺りの歌詞をハロに投入するには、確かにちょっと早いんだな。昔の娘やベリのデビュー曲みたいなのもあるけど、ここ数年の間、そういう世界観に合うメンバーがまだいないのだろう。田中がいた頃はまだあったけど。



BELL & JAMES - SAY IT'S GONNA LAST FOREVER 
https://www.youtube.com/watch?v=BC__SZItRSo

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