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歌舞伎と映画と美術と読書の感想

【映画】レッドタートル ある島の物語

2016-09-18 09:45:45 | 映画
「どこから来たのか
 どこへ行くのか いのちは?」
 
ポスターに記されたコピーの含意を、見終えてから反芻することとなる。
 
序盤、シンプルな描線で描かれる繊細な、人の表情。
自然の生命の描写は細密、画面全体の落ち着いた色調、人が景色の中に
小さく存在する表現など、私の大好きな安野光雅さんの絵本を思い出す
ような繊細さと愛おしさ。
 
その中で展開される物語は、「映画な物語」としてつい先を読もうとする
観客(私)を裏切って、心にさざなみを起こす。
時に予想外に平穏。
時に予想外に大胆。
 
そうしてものがたりは幕を閉じる。
 
創生の神話をきいたような余韻。
 
わたしたちは、ふだんはわたしたちを意に介さず存在する大きなものが、
ほんの一瞬、わたしたちに目を向けてくれる時間を借りて、一個の生を
生きる。
その視線がない時間もまた死ではなく、大きなものに境界なく溶けている。
そんな感じがした。
 
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公式サイト:http://red-turtle.jp/
 
(2016.9.17)
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