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【読書】第四の革命 情報圏が現実をつくりかえる

2017-05-14 22:06:01 | 本と雑誌
原著は2014年。
題材はICT。
切り口は哲学。
 
「情報圏(インフォスフィア)」。
バズっぽいワードにとらわれてはいけない。骨太な本。
 
哲学特有の言い回しの波を乗りこえ乗りこえ、ページを繰っていくと
現れてくる、「情報圏」のイメージ。
著者の言う「ハイパー・ヒストリー」は確かに既に存在している。
 
「ICTによってもたらされる大きな可能性には、それを正しく理解し、
正しく利用するという、大きな知的責任が伴う」。
 
"正しく理解し"にこの本の趣旨がある。
"正しく理解し"は簡単じゃない。けど面白いし気になる。
 
超超超大枠のメッセージとしては、
人=情報圏であり、情報圏=人であることを、二項対立を脱して
感じ取れ、と言っている気がする。
私たちはそこに住んで、私たち自身(の情報、情報化された意識)が
環境そのものの一部であって、その環境を作っていることを自覚し、
環境が永続的に営まれる方向にふるまわなければならない。
地球環境に対する人の関わりの文脈と似ている。
 
以下断片メモ。
 
・クラウド化によるデータの物理所有と、所有権の分離。
・私たちユーザ自身の脱個人化、タイプ化。
 
・我々が何者であるか:パーソナル・アイデンティティ、と、
・我々が自分を何者であると思うか:自己概念 ~社会的自己
 
・意識の連続性と、ソーシャルメディア上の断片的な自己、
 社会関係の機会の量と質の増加との関係。
 
・身体→意識→身体とは独立の自己→社会的圧力による変質の可能性。
 
・AIの発展に関連して「ヒューマンベースコンピューテーション」。
 使う者・使われる者の逆転。あるいは補完関係化。
 
・「政治的アポトーシス」
 切り口は異なるが『権力の終焉』と重なる要素がある。
 →「政治的マルチエージェントシステム」には行き着けるのだろうか
  行き着かなければ。
 
・じわじわと響いてきそうなのは、プライヴァシーとインフラ倫理。
 →多くの人は「気が付いたら身動きが取れない」になるのでは?
 
・エネルギーの問題。
 →技術による解決で乗りこえるスピードと、
  幾何級数的に増えていく計算量と、どちらが早いだろう。
 
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第四の革命 情報圏が現実をつくりかえる
ルチアーノ・フロリディ 著
新曜社 2017/04
http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/978-4-7885-1522-2.htm

(2017.5.11)
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