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【読書】権力の終焉

2017-05-14 19:28:55 | 本と雑誌
原著出版は2013年。

権力とは「他人に何かをさせる能力、またはさせない能力」とした上で、
権力は「より弱く、より移ろいやすく、より制約されたものになりつつある」。
ここ十数年に世界で国内で、起こっていることを思えば、実感として理解できる。
 
権力を持ち、行使している存在は依然としてあるし、社会の相当部分を
支えてもいる。しかしその当事者が無力感を感じているという。
 
最近言われているポリティカル・コレクトネスの側面もある。
 
そして、マイクロパワーの勃興。
 
その特性は、アジャイルやリーンのアプローチに重なるところがある。
小さく、俊敏で、今を重視し、ゲリラ的で、予測不可能。
 
著者はそこに至った背景を3つの革命、豊かさ革命、移動革命、意識革命で
紐解いていく。筆の走りは縦横無尽。
 
著者は、世界的に近年増加し今後も増えていく中間層が、自分たちよりも
より豊か(「繁栄、自由、個人的充足」)な人びとを知っていて、そうなる
ことへの期待を持つことと、生じる「疎外感」に焦点を充てる。
このくだりを読んでいると、国内の様々な事象(ネットで"炎上"ネタになる
ような)も、相似形なのではないかと思ったり。
 
権力の劣化から生じる変化を想像すると、やや暗澹とした気分になる。
著者は最終章で方向性を提示している。
今はたぶん、過渡期なのだ。
道、というより空間かな、2つの方向の可能性がありそう。無秩序と均衡。
法的支配の在り方は、変化する世界にどう対応していくのだろう。
 
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権力の終焉
モイセス・ナイム 著
日経BP社 2015/07
http://store.nikkeibp.co.jp/item/books/P50980.html
 
並行で読んでいるSF「ゴッド・ガン」の一篇、海の話に、
なんだか重なるところがあるなぁと。
 
(2017.5.10)
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