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【読書】〈インターネット〉の次に来るもの

2017-05-03 21:11:47 | 本と雑誌
「テクノロジーの性質そのものに、ある方向に向かうけれど他の方向には
行かないという傾向<バイアス>がある」
テクノロジーが好む振る舞いの傾向は、著者が未来を予測するときの
暗黙の物差しなのだろう。
 
テクノロジーが増幅させる12の力:
 Becoming(なっていく)
 Cognifying(認知化していく)
 Flowing(流れていく)
 Screening(画面で見ていく)
 Accessing(接続していく)
 Sharing(共有していく)
 Filtering(選別していく)
 Remixing(リミックスしていく)
 Interacting(相互作用していく)
 Tracking(追跡していく)
 Questioning(質問していく)
 Biginning(始まっていく)
の章立てで、不可避な未来を指し示す。
 
全体の情報は多面的で広くかつ重なっていて、ここに要点を書くのは難しい。
 
特に興味深かったところ:
・AIについて、異質の知性をどう信頼するかに関する記述。
・工業用ロボット ハードウェアコストよりも運用コストが大きかった。
・デジタルコピーに関する考察。創出者が対価を得る方法。「発見可能性」
・「分散化した組織を統治する流動的な関係性に対しては、アクセスする
 というスタンスこそが相応しい」
・ブロックチェーンの共有地<コモンズ>の性格
・分散化→脱中央集権~P2Pアクセス
・「テクノロジーによる共有は新しい政治のOS」
・「ある種のトップダウンの知性も必要になる」
 「今日の最前線を活性化しているのは、制御不能性を大量に摂取しつつ
 トップダウン制御を少量加える無限の組み合わせにある」
・人間の時間(24時間)の有限性 ~「アテンションは最後の希少性」
・「われわれがいつでも注意散漫で、次々とフィルタリングしなくては
 ならないように見えるのは、混乱のサインではなく、現行のこうした
 環境に適応するために必要なことなのだ」
・「成長はリミックスから生まれる」~必要とされる法規
・自分を計測することと、認知バイアスのリスク
・ビットの5つの性質
・知識の非対称性 ~ 相互監視
 「共監視はわれわれにとっての自然状態」
・認知限界を超える情報量、
 従来自然と思われていたことが変化していくこと
 
最終の2章はもっとも興味深く読んだ。
データがあふれきるとき、何が起こり、何が変わるのか。
 
人が透明化を余儀なくされていくなかで、従来「差」と思われていたことは
単なる「データ上の違い」になり、良くも悪くも誰かの特徴は、他者への
インパクトを失っていくだろう。
同時に自分自身へのインパクトも失うのかもしれない。
無味無臭の自己は自ら何かを選べるのだろうか。
自己定義のコアを極小化して堅持しないと、選ぶことすら難しくなりそう
だな、と思う。
 
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〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則
ケヴィン・ケリー 著
NHK出版 2016/07
https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000817042016.html
 
当初読んで、感想を書きあぐねて半年経ってしまった。
読み返すと一部はすでに世の中の方が変わっている。
 
(2016.9.25 + 2017.4.29)
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