ぐるぐる・ぶらぶら

歌舞伎と映画と美術と読書の感想

【映画】怒り

2016-09-18 10:13:08 | 映画
痛い。痛いなぁ。
 
痛いけど、観てよかったと思う。
 
登場人物たちの痛みをこんなにも感じるのは、
覚えのある、小さな手痛い失敗の個人的記憶に重なるから。
俳優陣の熱演はじめ映画としてうまさあってのことではありますが。
 
山神の起こした事件は、それぞれの人々の"事件"の触媒。
どう受け取り、信じ、疑うのか。
 
「どう受け取るかは俺自身の問題だけどさ」。
登場人物の一人が劇中で言う。おそらく登場人物中最も己に客観的で
あろうとするその人にも、揺らぐ瞬間がやってくる。
 
もう一つ、別の痛み。
登場人物たちは、世の中の「ふつう」からはみ出している。
少なくとも本人はそう感じている。
違う環境の人(わたしたちだ)には理解されない痛み、あるいは怒り。
頭では分かっても共感し難いその痛みの片鱗を、
この映画を、役者を介して体感するのである。
 
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公式サイト:http://ikari-movie.com/
 
印象に残ったところ、役名でなく役者名で書きます。
 
宮崎あおいの不安定さ~強い慟哭、広瀬すずの雛鳥感~腹からの絶叫。
池脇千鶴の冷静と愛情。
渡辺謙の狭い懊悩(狭さがすばらしい)、娘を抱きしめる姿。
妻夫木聡の俺様押しと実直が一個の人物に自然に同居。映画の登場人物と
して描かれることの少ないタイプ、社会を引っ張るのはこういう人かも。
綾野剛の徹底した繊細。
松山ケンイチ、近くにいそうな人(特殊でない感じがすばらしい)。
森山未來のワイルド。
刑事コンビの、三浦貴大が任務遂行(硬い世界)の隙間に人間味を滲ます。
 
(2016.9.17)
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