ぐるぐる・ぶらぶら

歌舞伎と映画と美術と読書の感想

【歌舞伎】歌舞伎座 芸術祭十月大歌舞伎 2016年10月

2016-10-16 01:20:42 | 歌舞伎
歌舞伎座
中村橋之助改め 八代目 中村芝翫 襲名披露
  中村国生改め 四代目中村橋之助     
  中村宗生改め 三代目中村福之助 襲名披露
  中村宜生改め 四代目中村歌之助     
芸術祭十月大歌舞伎
-----
この雰囲気は予想外。いい意味で。
襲名おめでとうございます。
 
◆昼の部
 
一、初帆上成駒宝船
橋之助さんて予想以上に踊れるんだなぁとか(扇をうしろに投げた
とき気持ちいいほど決まってた)、弟さんのほうはまだ身体が
道具としてこなれてないんだなぁ(だからこれからが楽しみ)とか、
全体としては澄んだ鮮度の清々しさを楽しんでいたのですが。
最後の宝船で勢ぞろいしたときに、ふいに鳥肌。
未だ理由は分からない。心動かされた。

二、女暫
イイ、惚れる!!!
七之助さんの巴御前。
襲名の主役は別として、今回一番の感激はこの幕。
朗々とした台詞がよく通ってしなやかで力強い。
最後の花道での口上の、たおやかさと頼もしさ。
もはや引っ張っていく側に立ったのだなぁ。
祖父の名跡を叔父が継ぐ。そういう背景を知って観る楽屋落ちは、
見る側にとっても幸せで、作り物っぽさなく受け止められる。
松緑さんの舞台番、懐深い感じがすてき。

三、お染
もはや「若手」と一くくりで呼べない。
初帆上成駒宝船→女暫→お染と来て、役者層の底上げを実感。

四、極付 幡随長兵衛
襲名披露ながら、超・地に足が着いたというか余裕・安定すら
感じる芝翫さんの幡随院長兵衛。
そこにこれも襲名の3人のご子息が共に舞台に在ることで、
青さが入って、いい緊張感の襲名披露らしくなっていた気がする。
一見おだやかな会話から、ふいの殺気立った無音の対峙への変化。
菊五郎さんの水野十郎左衛門との間の緊張感など。
東蔵さんの近藤登之助も印象に残る。

◆夜の部
 
一、外郎売
すなおにおおらかさを楽しむ。
歌六さんの工藤祐経が存在感。
 
二、襲名披露口上
襲名披露口上ってどなたの襲名でも人となりや役者さんの間柄が
ほの見えて楽しい。
今回は芝翫、橋之助、福之助、歌之助が同時襲名で、より、そういった
感じが強くて微笑ましくまた清々しい。
七之助さんの口上が際立ってよかった。

三、熊谷陣屋
芝翫型の熊谷陣屋。
初めて観たのですが、人物たちの心情が理解しやすい気がする。
暇乞いを許されて、僧衣となった芝翫さんの熊谷直実。
「あ、小さい。」
そう思った。
何かを失った、心細い小ささ。
このギャップの出方は芝翫型と團十郎型との違いだろうか。
それゆえ、最後に魁春さんの相模が傍にいることが観る側の癒しになる。
團十郎型の直実だと相模が置いてけぼりだよね。
弥陀六(歌六さん)も、見慣れているイメージ、やや計算高い親爺よりも
身代わりに討たれた小次郎への思いやりが一段深い印象。
吉右衛門さんの源義経が若々しい。 
葵太夫&宏太郎、堪能。

四、藤娘
すごいなぁ。
藤の精だ。
無邪気に何かに集中したり、気のままに漂ったり。
人の体重や輪郭を感じない、やわらかく軽やかな所作。
 
(2016.10.15)
 
+佐藤可士和氏による祝い幕も素敵。
-残念な瞬間、観客側、お風呂を勧める台詞への笑いの反応。
ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 気になる本 2016/10/11-16 | トップ | 【文楽】にっぽん文楽 in 浅... »

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。