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筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かない。2巻の感想レビュー(小説)

2016年06月07日 00時04分49秒 | ライトノベル・小説
宝島社文庫から、『筆跡鑑定人・東雲(しののめ)清一郎は、書を書かない。鎌倉の猫は手紙を運ぶ』(谷 春慶先生原作、カズアキ先生カバーイラスト)が発売中です。

表紙は、清一郎と黒猫のツーショット。
人間嫌いの彼ですが、猫に対しては並々ならぬ愛着を感じているご様子。
その優しさの半分でも美咲に向けてくれたら、彼女もだいぶ気が楽になると思うのですがw

お話的には、ストーカー事件の後、清一郎と微妙な距離感を保ち続けていた美咲でしたが、友人達の悩み事を解決するため、再び彼の力を借りることに。
その最中、コンクールを前にスランプに陥り、自身の書に対する葛藤に追いつめられていく清一郎の身を案じた美咲は、ある重大な決意をすることになって……という展開です。

知り合った当初からは随分丸くなった清一郎ですが、相変わらず他人に対して攻撃的&距離を取る孤高主義なのが厄介ですね。
そんな清一郎が比較的心を許しているということで一目置かれる&彼への連絡役として重宝される美咲でしたが、彼女自身は彼との関係に懐疑的というか、きちんと信頼関係を結べているのか不安になってしまうあたり、本当にいい人だなあとw
噂とは違う清一郎の本当の人となりを知ったことで、なんとか彼の孤独を癒やしたいと感じ始める美咲に心癒されましたが、彼女自身はそれを恋愛感情とはっきり認識しているわけではなく、何かにつけて気にしている間にどんどんその存在が大きくなっていっている感じが微笑ましかったですね。
清一郎自身も、なんだかんだと美咲に文句をつけながらも、彼女が自分に関わってくることを完全に拒否しないあたり、だいぶ心を許しているなと。
半ば公認カップル状態であるにも関わらず、最近の大学生とは思えないふたりの奥手っぷりには、見ているこちらのほうがヤキモキさせられましたが、相手を全く見ていないのではなく、むしろ逆に注意深く観察しているからこそ、不用意に相手のテリトリーに入り込んでいくような真似もしない膠着状態になっているのがポイント。
それって、相手のことをめちゃくちゃ大切にしているということに他ならないわけで……YOU達、早くくっついちゃいなYO!(・∀・)ニヤニヤ

美咲が方向音痴の清一郎を介助するうちに、物理的にも、心の距離的にも近付いていくふたりの流れは1巻と同じですが、それに加えて書道家としての清一郎の将来の方向性や、彼との関係のあり方について美咲自身がしっかり考えた上で行動しようとする姿が多々見受けられたのが印象的でしたね。
学園のアンタッチャブルに対して、自ら進んで積極的に介入していくことを決意する美咲がいっそ清々しかったですし、清一郎もそれを嫌がっていない、むしろ心の中では無意識に歓迎している様子で何よりでした。
ぶっちゃけ、美咲が爽やか主人公で、清一郎のほうが癖ありツンデレヒロインっぽい本シリーズですが、デレシーン増量でお腹いっぱいでござるw(;゜∀゜)=3ムッハー

このままいけば、遅かれ早かれふたりは順風満帆かなぁという一方で、裏辻先生をはじめとした一癖ある大人達が清一郎に次々と難題をふっかけてくる罠。
なまじ才能があるばかりに利用されてしまう清一郎が不憫でしたが、今は亡き母親の存在と、希少価値のある作品についてまわる莫大な金の問題が絡みついて、予想外にドス黒い方向へ踏み出していってしまうのが怖かったですね。
前半が、事件といえども心温まる結末に繋がっていく流れだったこととのギャップもあって、人間の悪意怖いわー((((;゜Д゜))))ガクガクブルブルとなった私が通りますよっと。
もっとも、そんなトラブルがあったからこそ、自分から遠ざけてでも美咲を守ろうとする清一郎の格好良さが引き立ちましたし、美咲自身も覚悟を決めて自分の気持ちと向き合う事が出来たのは、まさに災い転じて福となすだったかと。

ただ、今回のような本格的な鑑定と、依頼人&持ち込み主との腹の探り合いがメインになってくるなら、物語全体の方向性も大きく変わってこないか少し心配になってしまったり。
書に関するトリビアや、それと繋げたハートウォーミングストーリーによって人の想いにまつわる事件を描いていくのが本シリーズのテーマであり、魅力だと思うので、犯罪組織との対立やらお金絡みの問題と両立していくのは結構難しいんじゃないかなと。
もっとも、今回の事件自体が清一郎の母親の想いと裏辻先生の真の思惑とを絡めながら描くための前フリという可能性も高そうですし、今巻で登場した新キャラの出番もまだまだ増えていきそうなので、杞憂に終わるはずw

元々頭もいいですし、大学卒業後の進路についてもある程度見定めている事が判った清一郎ですが、その才能を活かし、愛する母親の想いを引き継いで書道家として大成して欲しいというのが、美咲や読者の願いではないかと。
道のりはまだまだ険しそうですが、美咲には引き続き彼の側で迷わないように導いていってあげて欲しいところですね。


気になった方は是非チェックなさってみて下さいませ。


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