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おれと一乃のゲーム同好会活動日誌1巻の感想レビュー(ライトノベル)

2010年07月26日 18時59分47秒 | ライトノベル・小説
MF文庫Jのラノベ、『おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その1 ごく個人的な世界の終わり』(葉村哲先生原作、ほんたにかなえ先生イラスト)が発売中です。

表紙はタイトルにもなっているメインヒロインの一乃さん。
黒髪&黒セーラーがミステリアスな雰囲気を醸し出していて魅力的ですね。
同レーベルの前作、『天川天音の否定公式』が完結してからあまり間を置かずに、両先生コンビの新作を読めるという時点で、個人的に期待値のテンションが上がりまくったわけですが、『可愛い女の子達から想いを寄せられる主人公』という王道のハーレムラノベ的シチュエーションが存分に楽しめる仕上がりになっているので、そういう作品が読みたい方にオススメです。

お話的には、ひょんな事から一緒にゲーム同好会を立ち上げることになったヒロインの森塚一乃と主人公の白崎宗司の、いちゃラブな日常を描く部活モノ的展開です。
というか、前半のほとんどが一乃と宗司のふたり劇的な会話のやりとりのみで進んでいくというのも異色かと。
なんというニヤニヤ展開&宗司ウラヤマシスw
また、普通の日常系作品と違うところは、なぜか一乃が炎に関連した異能の力、『煉獄(カサルティリオ)』という非日常の力を使えるというところ。
『異能が存在しつつも、それを使ってなさなければならない使命は(今のところ)特に無い』という設定自体が、かなり斬新で驚かされました。
普通なら異能→バトルもの展開というのが不文律なところを、あえてそれを崩したわけですから、今後どうやって物語を進めていくのかに期待したいですね。

ゲーム同好会を舞台にしつつも、肝心なのはゲームの内容や戦績ではなく、一乃と宗司がふたりきりで過ごすことの出来る環境をキープするというあま〜い理由がメインになっているのもニヤニヤです。
宗司のニブさと一乃自身の小悪魔的な性格のせいで、当人同士の間ではなかなかダイレクトに気持ちが伝わらないのですが、それを横から見ている読者の視点ではバレバレ。
会話のイニシアティブをとって宗司を翻弄する一乃ですが、愛情と独占欲の裏返し故の態度がニヤニヤ過ぎるw

また、もうひとりのヒロインである沢村キリカの存在が、見た目的にも性格的にも一乃と好対象なキャラクターとして描かれているのも王道で良いですね。
『道化師の栄光(バッドジョーク)』というこれまた厨二病臭い異能の使い手でもあるキリカなので、宗司を巡って一乃との恋のライバル関係になるのは当然の流れでもあったり。
一乃よりも早く宗司と出会い、惹かれていたという強みもありキャラの魅力という意味では甲乙つけ難い関係にあるかと。

共に異能の持ち主ということで、宗司を巡って異能バトルするシーンもあるわけですが、そこが本作唯一の異能の正当な見せ場となっているのが、シュールな雰囲気をにじませてくれます。
本人の意思とは関係なく手にしてしまった異能の力ですが、平穏な現代社会では必要とされる機会も無く、むしろ強大な力を持ってしまったことによる負担が彼女たちを苦しめてしまうというジレンマが切ないです。
普通の厨二病者なら、自分だけには他の人にない隠された力があって…と、ありもしない力を求めて、あるいは持っていると信じてしまうところですが、彼女たちの場合はその逆であるというわけですね。

一見クールな一乃にしても、スキンシップが過剰すぎて本気じゃないように見えてしまうキリカにしても、本当は一途に宗司の存在を求めている者同士。
恋のライバルであると同時に、お互いの理解者でもあるふたりが、やがて奇妙な連帯感で宗司に無理難題をふっかけたり、じゃれついてみせたり…といった辺りは、前作の天音と瑛子の関係を彷彿とさせるところで、前作のファンだった方には同じように楽しむことが出来るかと。
むしろ、メインストーリーの重要性を下げつつ、キャラ萌え部分に焦点を当てる&ラブコメパートの文章量の割合を高めることが出来たわけですから、一石二鳥だったのではないかと思います。
あとがきでも語られていますが、『武器も異能も二つ名も出てくるラノベにしましょう』と提案した編集さんは本当に神ではないかとw
葉村先生の文章や得意な設定といった個性を輝かせつつ、流行の日常モノにシフト出来たことはプラス面が多くて良かったと思います。
前作の魅力となっていた要素を引き継ぎつつの新生は、無事に成功したかと。

同じく、気心の知れたほんたに先生を引き続きイラストに起用されたことも良かったと思います。
SDキャラにメイドコスプレ、水着と見せ場も色々ですが、クールさの中にも本心のデレ部分が見え隠れする表情が可愛らしくてニヤニヤでした。
これもまた、前作ファンの方にとっては嬉しい要素だったかと。

まだ1巻目なので、今後色々と変化が加わる可能性も高いですが、折角、他の作品には無い斬新さを演出出来たわけですから、そこを伸ばしつつゴロゴロと読者を萌え転がせてくれると良いなと思います。
既に伏線の仕込みも分かりやすく終えられていましたし、次巻ではそのあたりの展開に期待したいです。


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