ひなたぼっこ

「まだ見ぬ素晴らしい景色」を求めて自転車で。

赤波渓谷~物見峠~黒木ダム~辰巳峠

2014-04-29 | Bicycle ride



NEWなシューズを試してみようと、
去年くらいに計画してたけど実現できてないままだったルートを走ってきました。



まずは用瀬を目指して北上。






ちょうど八重桜が満開ですねー!

視線を山方面に移すと



ちょっと霞んでますが、まだ雪が残る山の姿が。
雪が無くなるまでになんとか大山を見に行きたいとこです。


いつもの佐貫経由で鷹狩まで行き、そこからまたいつもの赤波渓谷へ。
車がいないので、最近智頭に行くには毎回このルート通ってますね。







ネタ的に渓谷の中に持って下りてみるが・・・
こういう写真を撮らしたらベンさんがピカイチだと思うw


頂上まで登って、智頭側へバビューンと駆け下りる。
ここの下りはめっちゃ面白いですが、所々のグレーチングは隙間が開いてるので注意しましょうね。


智頭宿から折れてK6号 物見峠方面へ。

道中の木造校舎が素敵な富沢小学校で一枚。



2年前に閉校しちゃってるんですが、まだ綺麗にされてて子供達の声が聞こえてきそうでした。



本日二つ目の山越え、物見峠へ。




・・・


うん・・・


特に展望がいい場所があるわけではなく・・・


そんでもって凄い激坂区間があるわけでもなく・・・


あまり盛り上がりもなく、淡々と登ってく道って感じですね(笑)


あ、ちょびっと眺めがいいとこもありました!




そんなこんなでピークへ。



意外とあっけなかった印象・・・

ここには分岐があって、那岐に抜ける「林道宇塚観音寺線」があります。



舗装されてるんでしょうか? なんにせよロードタイヤで行くのは厳しそうです。


ここから加茂方面へ一気にダウンヒル!!

と思ったらまた登るやんか!w



ま、ここからもそんなに大した勾配ではなかったです。




森林全開の道で雰囲気はいいですね。
でも展望は全くと言っていいほど期待できません。


ピークを越えてダウンヒルを駆け下りると、おや?



なんか不思議な一画が・・・





ここの前のお宅を中心とした一画がこんな飾りつけ?がしてあります。
小さな小屋はゴミステーション。

趣味・・・なんでしょうか?





らしいです。
ちゃんとルールを守りましょうね。


加茂町までやってきたらお昼にいたします。
というか、ここで食べておかないと以後補給ポイントはありません。

「ひなせ」でお好み焼きをいただく。



カキオコが食べれるのは3月いっぱいまでだそうです。残念!

店員さんに聞かれたので今日走るルートを説明したら、「え~!?凄い!凄い!!」って五回くらい言われましたけどね・・・

いやいや奥さん、この世界にはもっと凄いとこを平気で走る変態が大勢いるんでっせ。



お腹を満たしたら黒木ダムを目指してK336号を登っていきます。



本日三つ目であり、距離20km、標高差750mのボスキャラとも言える山越えに向かいます。
最後まで脚が持つように無理しないようにゆっくりと。

黒木ダムに到着。静かだ・・・







ダムをすぎて奥のキャンプ場へ。



静かな道。車も全然通らねえw

キャンプ場の管理棟の自販機でドリンクを補給しようと思ってたんだけど、使用中止になってて愕然としましたw





この先自販機あるかな・・・これから登り本番なのに困ったぞ・・・

あ、でもこの先に「倉見温泉」ってとこがあるらしい。
そこなら自販機ぐらいあるっしょ!



で、倉見温泉到着。



秘境すぎワロタwww


自販機もだけど人の気配が全く無いw
「本日休業」と書いてありましたが・・・
電気メーター止まってましたんで、もう営業してないんでしょうかね。

ボトルが空っぽで困ったな~と思いふと横を見ると



なんだ、ミネラルたっぷりの澄んだ水がいくらでもあるじゃん♪
もっと早く気付けば良かったw


この辺り、別荘?のような立派な建物がけっこうあったんですが、かなりゴーストタウン化してました。


だいぶん標高を上げてきましたんで、まだ桜がどっさり咲いてます。





今年の桜見納めですね。



で、ま~こっから長い長い。



車と出会ったのも2台だけと、この世界独り占め感高いですが、展望もあまりないので盛り上がりもなく、やたら静かです。




さすがに1,000m近くにもなると雪もけっこう残ってますな~。
この日は暖かいというか暑かったので、ここでも寒さは全然感じませんでした。


    






最後の方で少し展望が開けましたが、やっぱ下まで見えないと登ってやった感が薄いです。

ようやくピークへ。



長かったー!





ここから恩原高原までのダウンヒルは道が広くて爽快ですね。凄いスピードに乗る。
でも距離が4kmしかないのであっという間です。
もうちょっと長かったらいいのにね~。


恩原湖畔のアップダウンを駆け抜けて



少し登れば辰巳峠ピークへ。
辰巳峠は鳥取側から登るとかなりキツイですが、下りはそりゃーもう爽快ですよ。


佐治ダム下の自販機でコーラ補給。



コーラは断然ペプシ派です!
なんで最近どこもかしこもZEROしか置いてないんですかね?
カロリー気にするならまずコーラ飲まないし、何よりZEROって美味しくないのに・・・


下り基調の自宅までを一気に走ってこの日のライドは終了。
山越えを三回もしたのでそれなりに達成感はありますが・・・

景色が見えないとツマランと再認識しました(笑)
このコースは一回走ったらもういいなw




あっ!そういえばNEWシューズのレビューしてなかったですね。

えっと、ソールが硬いといいなと思いました。以上!w


そもそもロードシューズを使った事がない自分にどんなレビューが出来ると?w





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GIRO REPUBLIC

2014-04-25 | Bicycle Parts&Maintenance
新しいシューズを買いました。



GIRO REPUBLIC



ロードバイクであるCASATIに乗り出して、丸二年が経ちました。
自転車に乗る時にはもう絶対欠かせない存在になってしまったビンディングシステムですが、
未だにSPD-SLを始めとするロードペダルを使ってないし、持ってません。
一時は導入も考えましたが、出先で歩き回る事が多いし、景色が良ければそのまま山にプチハイクまでやってしまう事も珍しくないので、
ずーとスニーカーSPDを使ってきたんですよ。
ぶっちゃけ自分にはこれで十分だと思ってるし、それどころか旅先なんかでは夜に歩いて居酒屋に出掛ける時も違和感なくて、すごく便利なんですよね。
あと、ぶらっとご飯食べに出掛ける時はデニムで乗る事も多いので、その点でもスニーカーってのは都合がいいです。

ただまあ、全く不満が無いかと言えばけしてそうではなくて、
重いのは別にいいとしても、やっぱスニーカーだとソールが柔らかいんですよ。
歩く為にはその方がいいですし、だからこそプチハイクも出来ちゃうんですが、
でも毎回毎回ハイクするわけでもないんですよね。
走る方がメインの時もそれなりにあるわけで、そういう時はもうちょっとソールが硬いといいな~と思ってました。

だからと言ってクリートが剥き出しのはやっぱ自分には都合悪すぎます。
イベントの時ならそれでもいいですが、年に数回しかないその時の為だけにシューズとペダルを用意するものなんかな・・・と。
MTB用のSPDシューズという選択もあるんですが、なかなかデザインが気に入るのが無かったんですよね。


そこでこの GIRO REPUBLIC ですよ。



もちろんSPDです。

ソールは硬いし、重量も片側300gちょいと軽いし、デザインもいい。
しかもウォーキングパッドと言われるソールの出っ張った部分は、歩いて擦り減ったら交換も出来る。

ようやく願ってた形のシューズに出会えたって感じでしょうか。
明日は天気もいいみたいなので、早速試してきたいと思います。






~~~~~~





先日、帰宅したら阿蘇でお世話になった蘇山郷さまより封筒が届いてました。

中身はというと・・・・





コルナゴ部長が撮られた、ヘリからのラピュタの道の写真が入ってました!

阿蘇を訪れた記念にと、わざわざ送っていただいたんです。
本当に素晴らしいお宿です。
蘇山郷さんにお世話になって良かったと改めて思います。


しかも、



こんな粋すぎるクリップでメッセージを添えて。

内容はここでは明かしませんが、また阿蘇に行かなきゃならない理由が出来ました(笑)




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九州旅三日目(最終日) 高千穂渓~崩野峠~大分へ

2014-04-13 | Bicycle ride
4月3日 AM6:00
サイクリストの朝は早い。


おはよう太陽くん・・・はこの日は雲に姿を隠していた。

九州入りしてから二日間、幸運な事に快晴が続いていたが、
三日目にしてついに午後から雨の予報となってしまった。
いや、変わりやすい天気の中よくもってくれたと言うべきだろう。

6:30開始の朝食バイキングをモリモリ食べて、7時すぎに宿を発つ。
今日は旅の最終日だ。



阿蘇ではまだまだ行きたい場所やお店があったのだが、それらを止めてでもこちらに足を延ばしたのは、
この高千穂が「神話の地」であり、「天孫降臨の地」だからだ。


天孫降臨 = 天の孫(まご)が降り立つ。


ここで言う「天」とは、「天照大御神(アマテラスオオミカミ)」をさす。

祖父母の家の床の間にはこの文字が書かれた掛軸が掛かっていたので、小さい頃から文字だけは知っていた。
もっとも、文字しか知らないから小さい頃は「てんしょうだいごじん」と読んでたのだけどw


キリストやイスラムの教えは、一神教 = 唯一絶対の神は一人だ。
比べて、日本の神道では人は死んだら皆神様になる。
それだけでなく、海にも空にも山にも川にも、さらにその地域に、もっては石ころにまで神が宿る。
それぞれを「氏神」といい、全てに宿る神を「八百万(やおよろず)の神」という。
(完全独自解釈で書いてますので、所々間違ってる恐れありw)
特に信仰している宗教があるわけではないが、自分はこの八百万の神という考え方が好きだ。
なぜなら、巡った先々で「ここに神はいる・・・」と思わずにいられない場所がいくつもあったから。

天照大御神とは、日本の氏神の最も上に立つ「総氏神」であり、日本民族の祖先なのである。
ちなみにそれが祭られているのが伊勢神宮だ。

その天照の孫であるニニギノミコト(邇邇藝命)が降り立った、との神話が伝えられるのがこの高千穂なのだが、
その由来はこの場所があるからだろう・・・というか、もしかしたら本当に降り立ったのかもしれない、
ここならありえる・・・

そんな風に思えてならない場所が、この 高千穂峡 である。

    


宮崎県の北部を流れる一級河川、五ヶ瀬川にある高千穂峡。五箇瀬川渓谷とも言われる。
ここも是非とも訪れたかった場所だ。

先日まで圧倒的な光景の数々を見せてくれた阿蘇カルデラ、それは27万年~9万年前という太古の昔におきた大規模火山活動によって創られた。
その時の火砕流は半径160kmの範囲にまで放出され、海を隔てた山口県は秋吉台まで達したと言われるほどであるが、
この高千穂峡もまた、阿蘇の火山活動によって創られたのである。



ここだけ明らかに水の色が違うし、何より空気が違う。
朝一番というのもあって、静寂で、厳かで、まさに天孫が降り立っても不思議ではない。



    

これも写真に納めたいと思っていた。
年代の違う橋が三本もかかる場所は、日本広しといえどもそうはあるまい。


この渓谷の中にはボートで入る事が出来る。

だけど30分2,000円って高いよ!高いってば!
でも乗るよ!乗るってば!





真名井の滝を下から眺める為には、それなりの代償が必要なのだ。

ボートに乗れるっていうから、てっきりモーターボートで遊覧なのかと思ってたら、
手漕ぎボートに乗せられて「はい行ってらっしゃい!30分で帰ってきてね」てなもんだw
ボートを漕いだ事ない人はちょっと戸惑うだろう。
自分は船舶免許保持者だし、西表島では荒れる海のなか10kmの距離をシーカヤックで進んだほどの腕前だから問題ない。

あれ? 意外と難しいな・・・w






これを創りあげたのは自然の力のみというから驚きである。
大自然こそ最高にして究極のアーティスト。




青空でなかったのだけが残念ではあるが、
日本にはこんなに美しい場所がある・・・と嬉しくなった。


高千穂を後にする。
ちなみに、この渓谷はとっても深いんで、こんな道を経てやってきます。



当然登らないと帰れません。油断したらあきません。



まずは、昨日やってきた道のR325号を北上していく。



さすがに雨に変わる予報なので、これから向かう山の上には雲がかかっている。
雨が降る前にあの山の向こう側まで行きたいところだ。

県境手前でK8号に移って北上する。
ここから崩野峠で山越えだ。



だがこの崩野峠・・・予想以上にガチだった。
4kmで400m登る = 平均勾配10%!
かなりっていうか、むちゃくちゃきつかったです。正直二度と登りたくないレベルw

息も絶え絶え登りきって、多少アップダウンをこなすと視界が開けて五箇所高原へ。



正面に見えるのは祖母山。
標高1,756mで宮崎県の最高峰であり、日本百名山の一つだ。
特別天然記念物のニホンカモシカの生息南限地帯でもある。

ここからは阿蘇五岳を望むことも出来る。



あのギザギザは釈迦の顔である根子岳だ。
釈迦が「また来いよ」と言ってくれた気がした。


五箇所高原を越えると熊本県に入る。
その後は大分に行くので、この日は一気に三県を移動するのだ。
もっとも熊本は7kmくらいで走りすぎちゃうんだけど・・・w




下り基調のアップダウンのぐりぐり道を走り抜けていく。





道中では、たくさんの満開の桜が楽しませてくれた。
九州では桜はまさに見頃ど真ん中という感じで、今年は地元であまり楽しめなかった分こちらで大いに楽しませて貰った。
桜吹雪舞う中を走る区間もあり、なかなか乙なもんである。


K8号からそれて、少し寄り道をする。


白水ダム



日本一美しいと言われるダムだ。
対岸の道から見るとダムを正面から見れるのだが、残念ながら今回のルートでは叶わなかった。
高千穂から大分に抜けるにはいくつかのルートがあったが、これを見たくてこのK8号ルートを選んだのだ。



日本一美しいダムと日本一美しいバイク(当社比) ※感想には個人差があります。

いや、実はね。
ここけっこう下ったとこにありまして・・・しかもありえないくらい急な坂を・・・
正直自転車持って入った事を後悔したくらいの道だったんで、写真くらい撮りたいとこですよw


再びK8号に戻って大分を目指す。
本当はここから神原渓谷というとこに下って渓谷沿いの道を走りたかったのだが、天気が崩れる前に先に進みたいのでそれも叶わず。
だがK8号にはもう一つ見ておきたい場所があった。



明正井路



古代ローマ建築を思わせる石積みのアーチ橋。これは水路橋だ。
水を引く為にこんなのを造ってしまう。それほど人間の生活にとって水は必要な物なのだ。
完成したのは大正八年。
こんな土木遺産は、自分にとってたまらんです。



入田湧水群



阿蘇カルデラがもたらすのは何も絶景だけではない。
噴火により積もった火山灰は地下まで浸透しやすい層となり、大地に豊富な水の恵みをもたらす。
カルデラの周りはいくつもの湧水箇所があるが、この五ヶ瀬川沿いは特に多く、その箇所60以上、日量は6-7万tに達するのだ。
ボトルにも補給させてもらったが、実は水を目当てで寄ったのではない。
すぐ横のラーメンだ。



なんとまあ、手作り感溢れるラーメンでしょう。
ここ地元の人達が地元の食材のみを使ってやってる店で、なんと麺も自家製で、湧水で回すすぐ横の水車を使って作ってるんですよ。
天気の関係で先を急いできたので、すっかりお昼時を過ぎた空腹状態の補正があったとはいえ、すごく美味しかった。

結果的にこれが九州で最後の食事となったが、今回の旅では食事にハズレが全く無かった。
大変にありがたい事である。

ラーメンをすすってる時に雨が落ちてきた。ほどなくバケツをひっくり返したような土砂降りとなる。
だが心配はしてなかった。もう数キロ走れば大分まで延びる豊肥本線鉄道の竹田駅がある。
万が一を考えて、この日のルートの後半は鉄道沿いを走る道を選んでいたのだ。

小雨になった隙に走り出し、豊後竹田駅へ。



ここから輪行に切り替える。
本当はもう二つほど滝巡りをして大分まで帰るつもりだったし、
「獲得標高2,000m超を三日連続に挑戦」というのも今回の旅のテーマの一つだった。
だが雨では仕方がない。雨の中まで走るつもりはない。
この日は距離62km、1,280m上昇だけとし、九州での自転車区間は終わりとした。


各駅停車でのんびりと走る列車が、旅の最後にはちょうど良かった。
今回の旅であった事、見た景色、出会った人・・・それらが車窓の景色が流れるように次々と思い出される。
長かったし苦しかった、でも圧倒的で感動的だった。
何度も言葉を失ったし、目頭を熱くもした。
この三日間で起こった全てに感謝しながら、窓から流れる雨の大分を眺めていた。




大分駅で乗り換えつつ、フェリー乗り場へ。




あまりにも濃すぎた九州での三日間がついに終わる。



19時の汽笛をもって、船上の人となる。
さようなら&ありがとう九州!




~~~~~~~~


後書き



4回、いや、序章を入れれば5回に渡って書いてきた今回の九州旅。
これだけ長く書いていまさらですが、憧れてた九州は本当に素晴らしく、予想した以上の興奮と感動の連続でした。
今回経験した事は、間違いなく自分の財産となったでしょう。
そして、改めて「旅は素晴らしい!」と感じました。

勿論、自転車の楽しみ方は旅だけではないから、
旅に掛かる金額を機材に投資した方が幸せを感じる人もいるだろうし、
旅をする時間を強くなる為のトレーニングに費やしたい人もいるでしょう。
どちらも魅力的な事です(自分にはなかなか出来ない事なので羨ましくもあります)


旅をする事で、よく「人生観が変わる」と言われます。
確かに、圧倒的な光景を目にしたり、非日常の時間を過ごす事によって価値観が変わったり、燻ってた心が再び燃え出したりする。
でもそれだけでは足りない。
たどり着くまでに苦労したり、頑張った上でその瞬間を迎えるという過程が無ければ、本当の「人生観が変わる」経験は出来ないと思います。
その点自転車はいい。否応なく苦労させられるからw
いつもの愛車と、リュック一つ分の荷物だけあれば、時間の許す限りどこまでも行ける。
縁あって自転車に乗ってるなら、是非旅をして欲しいと僕は思います。



あまりにも素晴らしかった九州を伝える為に、今回は一切手抜きなしで全力で記事を書きました。
(え?今までは? とか、全力でこれ? なんて意見は一切受け付けません!w)
感じた世界観を切り取るのは難しいけど、写真単体で見れば、「よく撮れてるな」とか、「いい写真だな」と思うのも幾つかある。
だからそれを褒めてくれると嬉しいし、これからも更新する励みになります。

でも、もっと嬉しいのは、今回の記事を読んで「旅をしたい」とか「九州を走りたい」と思ってくれる事。
さらにもっともっと嬉しいのは、この地を実際に走り、自分が感じた圧倒的な景色をその目で感じてくれる事だと思うんです。

簡単ではないでしょう。色んな制約の中で生きてますから。
それは自分も同じですし、今回はたまたまチャンスが訪れただけなのかもしれません。
でも願っていたからこそ叶ったとも言えます。

実現できるのは来年かもしれないし、5年後、10年後、もしかしたらもっともっと先かもしれません。
でも願い続ければ叶う日がくるし、ここを実際に見たら、心から「来て良かった」と感じてくれる自信があります。
いつの日か、誰かの九州旅のエントリーが読めるのを楽しみにしてます。
その上で、「あの時ぐりおがこんな風に言ってたな」とか「あいつが言ってたのはこれか!」なんてのを一瞬でも思ってくれたらなお嬉しいです。


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九州旅二日目 ラピュタ~阿蘇山~高千穂

2014-04-11 | Bicycle ride
4月2日 AM6:10
サイクリストの朝は早い。


おはよう太陽くん。



本当は大観峰で君を待ってるつもりだったんだよ。
朝霧に浮かぶ釈迦の姿を拝みたいと思ってたから。
でも4時に起きたら朝霧出てなかったから諦めたよ・・・
というか、真っ暗の中一人であの坂を登るのは無理だと悟ったよ・・・


この辺りが・・・やはりヘタレです。



空が明るくなってきたので気を取り直して出発である。
コルナゴ部長とはお会い出来なかったけど、ラピュタへの入口の写真を託けてくれてたので、
朝食前にそこまで行ってみることにした。

写真の通りの場所を曲がり、身体の状態を確かめるようにゆっくり登っていく。
昨日あれだけ登ったわりには意外と脚が動く。今日も大丈夫そうだ。


朝陽をうける満開の桜と、それを狙う多くのカメラマンを横目に見ながら登っていくと、
そのうち・・・もの凄い光景が出迎えてくれた。










な、なんじゃーここはー!!
朝一からこのインパクトはハンパない。

アスファルトはかなり荒れてるし、坂も急勾配なんだけど、そんな事よりもこの景色である。
ここ・・・グランドキャニオン??






この時点で既に恍惚の表情に満ちていたが、いよいよその時が訪れる。




天空の道 (ラピュタの道)




初めて写真を見た時、一瞬で心を奪われた、まさにその光景が今目の前にある。


・・・・・


相応しい言葉が出てこない。

しばらく余韻にひたっていた。



もう一段登ると、もう一つカーブが追加されて、また違った良さがあるんだけど、
ここにいたカメラマンと旅の話で盛り上がっちゃったよ。
そしたら朝食の時間が迫ってる事に気付いて行けなかったよ。


「新緑の時期にも見て欲しいけどねー」と言われた。
確かに、これで生き生きとした緑だったら、さぞ映えるだろうな~と思う。

でも、一年に一度だけ行われる「野焼き」
この景観を守る為に、なんと1000年も昔からずっと行われているらしい。
コルナゴ部長の言葉を借りると、「1000年前と同じ景色」だ。
野焼き後間もない今のこの景色も、一年で今だけしか見る事が出来ない。
これも「1000年前と同じ景色」だ。

さらに、さらにだ。

これを満開の桜と共に見れる。





いい時期に来れたと思う。




宿まで帰って、朝食をモリモリ食べる。旨い・・・。
納豆ってあまり好きじゃないんだけど、出されたのはえらい美味しかったな~。
食後には再び温泉に入る。なんて素晴らしい宿だ!
巣晴らしすぎて、予定変更して連泊しようか真剣に悩んだレベルw



スタッフの方々には最後までほんとに良くしてもらった。
満足感いっぱい。

こんな気持ちで宿を発つのは初めてではない。
でもあの時はもっとお金払ったぞ・・・



さあ、では出掛けよう。
本日は阿蘇盆地を縦断するのだ。




阿蘇盆地の中に入ってみると、まさに「外輪山」という形が良く分かる。
大自然の脅威のパワー。




昨日最後に大観峰から下ってきた道だ。
ドーンと飛び出ている場所が大観峰。
そりゃ眺めがいいはずだー!




風でじっとしていてくれない水仙と、噴煙を上げる阿蘇中岳。
あの中岳火口まで登っていくのが次のミッションだ。登れるかな・・・



その前に阿蘇駅にも寄っておく。



風情のあるいい駅舎だ。登山ルックの人で賑わっておりました。



駅前の正面に伸びるK111号=阿蘇パノラマラインへ。
その名の通りの絶景ロードである。













この往生岳は、あの草間彌生のかぼちゃのモデルになった(大嘘)

正面及び左手には阿蘇の山々の雄姿、右側には阿蘇谷の大展望が広がる。
かなり長い間登っていかねばならない厳しい道だが、この絶景がそれを可能にする。
自分にとってはどんな補給食よりも効果があった。



草千里



もとは火口だった場所で、直径1キロの草原の広がる美しい場所だ。
富士山のようなきれいな形の山が烏帽子岳。釈迦の膝の山だ。
こちらで代表的なところと言っていいと思う。
標高約1100m地点にあるから、眺めもまた格別なのだ。



昨日の大観峰、今朝のラピュタの道から、釈迦である阿蘇五岳を望んだ。
今度はその釈迦から外輪山を望むのである。
我ながらすごいことしてるなぁ。

真ん中にあるきれいなお椀型の山が米塚。これもまた火山である。




噴煙を上げる中岳はもう少し先にある。
その前にここでご飯にしよう。


桜丼 = 馬肉丼



火の国熊本の名物に馬肉が上げられる。
馬刺しは地元でもたまに出す店があるけど、熱を加えた料理というのはなかなか食べられない。
実は以前チャイナで馬肉の串焼きを食べたことがあるのだが、その時の印象はすこぶる悪い。
だからちょっと恐る恐る食べたのだが・・・

これがなかなか旨いのである。
馬刺しのようなさしの入った肉ではなく赤身の肉で、噛めば噛むほど甘みというか旨味が出てくる。
馬肉はこんなに旨いと知れた。また一つ人生で損をせずにすむ。


デザートはソフトクリーム。烏帽子岳を添えて。



今回の旅では天気もすごく良く、ヒルクラもたくさんしたが、ボトルのドリンクを買ったのは2本だけだった。
でもソフトクリームは5回も食べたw
阿蘇のソフトクリームは美味い。是非食べるべきだ。


中岳へは一度下って、また登る。
入り口からは1,000円払ってロープウェイ、もしくは600円払えば車でも火口まで上がれる。



自転車は??・・・無料だ!




でもここから火口までがめっちゃ勾配きつい。おそらくダルガ峰に匹敵する。
ダンシング・・・というか立ち漕ぎw でなんとか登り切った。




火山の火口というのは独特の世界。
そういえば富士山の火口も似たような感じだった。




ゴーーッ!という轟音とともにモクモクと噴煙が上がっていた。
辺り一帯には硫黄の臭いが立ち込め、この風景とあわせて別世界感ありありである。
火山活動の状態によっては、別府で見た海地獄のようなブルーの湯溜まりがあるようだが、
この日はグレーの水が見えたので「湯だまり減少」という状態だったのかもしれない。





ここらの山って、山肌の表情が超かっこいいんだよな。
阿蘇の山まじイケメン。


ロープウェイ乗り場の下の分岐を左折して、南側に下っていく。
ここからも非日常の景観が続く。




特に南郷谷の田園地帯を見下ろしながら豪快に下る場所は爽快!
吹き上げる風が強くてちょっと怖い思いもしたけど、800m近くも一気に下れるのは恐ろしく気持ちいい。

南郷谷は、車の少ない南阿蘇高森線の線路沿いで横切っていく。

    

    こちらの駅舎はお洒落さんですな。


南側の外輪山を越える為、旧道で高森峠を登っていく。
この道中には「千本桜」というとこがあって、ちょうど桜祭りの最中だった。






分かってた事だけど・・・今日も登らすね~w
でもこれは仕方がない。阿蘇を走るとはこういう事なのだ。


R325号に入ってからは下り基調のアップダウンが続くので、軽快に走る事が出来た。
ぐんぐん距離を延ばして宮崎県へと入っていく。
九州に入って三県目だ。
二日掛かりではあるが、一気に三県を自転車で移動したのは初めての経験である。


神話と渓谷の町 高千穂へ。



    

さすが渓谷の町。橋が多い!
昔の人はさぞ大変だっただろう。
それを考えればロードバイクで走るなんて楽なもんだ。


今日の宿までもうすぐというとこで、唐突にこんなのが出てきてびっくりしちゃったよ!



九州横断鉄道計画によりこのトンネルが掘られたが、事故により工事は中断、後に計画は頓挫。
今では年間通して安定した低気温を利用して、地元の神楽酒造が焼酎貯蔵庫として使っている。



そうか!宮崎は焼酎の町でもあるんだ!
「ひむかのくろうま」は知ってるぞ! 「とっつあんはエライ!」だ!!

決めた!今晩は焼酎で乾杯しよう!



高千穂ではビジネスホテルに泊まる。
「自転車部屋に持って入ってもいいですか?」と聞いたら「はい、どうぞ♪」と答えてくれた。



ありがたやありがたや。



ホテルにお勧めされた居酒屋で乾杯する。



宮崎の焼酎はアルコール度数20%と低い。だからカパカパ飲めるw


宮崎地鶏のたたきを頂くなど。



地元の、というか自分がよく食べる店での鳥たたきとはかなり違う。
もっと色が白っぽいし、もっとレアだ。
だがこれはかなり火が入ってて外側はカリっと焼いてあるし、色が随分と赤い。
これは旨いのだ。

大将のキャラクターも面白くて、とても楽しいお酒が飲めた。
九州いいとこよー!


ほろ酔い気分で、帰り道の桜ハントして帰る。





マニュアルレンズは手振れ補正もないし、ピントを追い込むのが難しい。
でも面白い。


九州旅の二日目が終わる。

この日は110kmと2,050m登った。
二日続けて100km超は何度か経験あるが、2,000m超を続けたのは初めてだ。
意外となんとかなるもんだなw



三日目につづく



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九州旅一日目 後編 やまなみハイウェイ~阿蘇へ

2014-04-08 | Bicycle ride
九州旅一日目 前編 大分~湯布院~やまなみハイウェイ のつづき


九重夢大吊橋からの絶景を楽しんだら、再びやまなみハイウェイに戻ってくる。


そして・・・


ここから、まさにやまなみハイウェイの真骨頂という景色が続く。






先が見えないほど続く直線の一本道。
微妙に登ってるのでそんなにスピードは乗らないんだけど、これで興奮するなと言うのは無理な話だ。



長者原







やまなみハイウェイを代表する場所!憧れた光景をようやく目にする事が出来た、感動の瞬間。

前方にそびえる久住連山。
少し見にくいが、中央の硫黄山からは噴煙が上がっている。
最初の看板のとこがビューポイントみたいだけど、個人的には少し戻ったとこからの眺めが良かった。



さあ、ここからいよいよ本日の最高地点、標高1,330mの牧ノ戸峠を目指す。
ここまでかなり登ってきてるし、ただでさえ脚力が劣る自分が、無謀にもノーマルクランクを使っている。







前方には無慈悲とも言える急勾配の坂が、永遠にとも思えるくらいにどこまでも続く。
もう登れないかも・・・と何度も心を折られそうになる。

だが進むしかないのだ。目指す場所はその先にあるのだから。


少しづつ少しづつ、ひと踏みひと踏みゆっくりと、でも確実に登っていく。




横に見える山肌の表情が変わってきた。低木に覆い尽くされ、確かに標高を上げてる事を実感する。それに勇気づけられる。

そして、長い長い我慢の時間を耐え、ようやく辿り着いた!


牧ノ戸峠



標高1,330m=本日の最大高低差1,330m。
大山でも最高で1,000m弱、さらに近県でも自転車でこの標高差を実現できる場所はない。
この時点で獲得標高は2,300mを超えていた。

よく頑張った!とにかく乾杯しよう!




ソフトクリームでw

濃厚でめっちゃ美味い。幸せを感じるほどに美味い。




走ってきた方を見ると、山の間から由布岳が覗いていた。あんなに小さくなってまあ・・・

売店の人に「ここから先・・・下りですよね?」って思わず確認した自分がいたw



ここから豪快なダウンヒル。
さらなる絶景が続く。






阿蘇盆地、そして阿蘇五岳を望むダイナミックビュー。
想像を絶する光景だ・・・










なんて言ったらいいんだろう・・・ 広い!とにかく広い!圧倒的に広い!(ボキャブラリー貧しすぎて悲しい)
山に囲まれた小さな町の鳥取人としては、ただただ驚かされる。
この広さは北海道をイメージした。



舞台は、いよいよ阿蘇カルデラ 外輪山へと移っていく。

右折して外輪山を縦走するK45号=ミルクロードへ。
ここの景色もまた素晴らしかった。










強烈なまでの 非日常感。
こんな場所は今まで見たことがない。
凄すぎるぞ阿蘇・・・




大観峰

この日のクライマックスである。



阿蘇谷の田園地帯、そして阿蘇五岳を望むNO.1ビュースポットとの呼び声高い場所にやってきた。
北側のこちらから阿蘇五岳を見た姿は、釈迦が寝ている姿=涅槃像と言われる。
左のギザギザした根子岳が顔、その右の高岳が胸、中岳が臍(へそ)、杵島岳と烏帽子岳が膝。
神々しい・・・




ここからは360°のパノラマビューが広がる。
夢中でシャッターを切り続けていたが、途中で止めた。

この雄大な景色を目の前にして、カメラの小さなディスプレイと睨めっこしてるのが馬鹿らしくなったからだ。

これしか言えなくて申し訳ないが、阿蘇の景色は本当に広い。驚くほど広い。
いくら広角レンズを使っても、切り取れるのは目にする世界のほんの一部だけだ。
例えスイングパノラマ機能を使っても、残念ながら自分の腕では結果は同じ。
視線の方向を変える度に、いちいち素晴らしい世界がそこに広がる。

これは写真ではなく、絶対に自分の目で見て、全身で感じるべきだ。


誰もが、日々を様々な制約の中で生きている。
仕事、家庭、そしてもちろん金銭的にも、その他にも。
走ってみたいと思った場所があっても、すぐに実現できる人なんて少ないだろう。
今自分がこの場に立っているのは、いくつかの幸運が重なった結果なのは間違いない。
でも実現する為に多くの事を犠牲にした結果でもある。

その上で、船に揺られ海を渡り、幾度となく苦手な坂道を越えて、長い長い道のりを経てたどり着いたこの世界・・・

筆舌に尽くし難い。


目頭を熱くした38歳の男がいました。



ラストのここで、大好きな夕日を見たいと思っていた。タイムスケジュールは完璧である(キリッ



でも想像してたのとは違う方向に沈んでいって、阿蘇五岳とのコラボレーションは拝めなかったんだけど・・・




コルナゴ部長の宿 蘇山郷

大観峰に近い内牧温泉にこの日の宿をとるのは決めてたんだけど、初めての地だし、何も分からないから、
当初はじゃらんで適当に探して、普通の民宿みたいなとこを予約していた。
自転車での一人旅だし、その方が気兼ねが無いと思ってたからだ。

でも出発前に阿蘇の情報をあさっていたら、偶然このブログを見つけて急遽ここにお世話になることに決めた。
是非一度読んでみて欲しい。
自分とは比べ物にならない美しい写真と素敵な文章で、この素晴らしい阿蘇の地が紹介してある。




愛する阿蘇にお客を迎えるということの意味を、真正面から真摯に向き合って、常に改善していっているのその姿勢に感銘を受けたんだが、
それにまして「自転車に理解がある」というのが大きな決め手になった。



旅先の宿で心配するのは自転車の置き場だ。
輪行袋に入れればどこでも部屋まで持って入らせてくれるけど、手間もかかるしできればそのまま置きたい。
理解がある、というか自身がサイクリストであれば、その事も分かっていてくれる。
「本当にここに置いていいの?」というようなリアルな倉庫を案内されてちょっと驚いたけど、
出来れば客には見せたくないだろうバックヤードを、快く使わせてくれたのが素直に嬉しかった。


一日中ペダルを漕いできたんだから、お世辞にもきれいな姿とは言えない。
さらに一人旅の客なんて、宿側からすればけして嬉しい客ではないだろう。
それでも笑顔で家族のように迎えてくれて、最後まで本当に身に余るようなおもてなしをしていただいた。




料理もとても素敵だった。
どれも美味しく、けっこうな量があったのに何一つ残さず食べた。
おひつのご飯も全部たいらげたw だって高菜がめっちゃ美味しいんだもん・・・w

建物も風情があってほんとうに素敵で、部屋も一人で使うには申し訳ないくらい広かった。
さらに100%源泉掛け流しのお風呂に一晩中いつでも入れる。

それでいて、値段は特に高いわけでもない。というか内容を考えれば安い!

当のコルナゴ部長とはシフトの関係でとうとうお会い出来なくて残念だったんだけど、
ここで過ごした時間は、今回の旅の素敵な思い出の一つとなりました。

阿蘇を訪れた際には「蘇山郷」、自信を持っておすすめします。


九州旅の長くて濃い一日目が終わる。
121kmの距離と、2,540m登って疲れた身体を、快適な宿で翌日に備えてゆっくり休めた。


二日目につづく



読んでくれてありがとう!
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