ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

Courage and Wisdomのこと

2015年12月03日 | 指輪物語&トールキン
トールキン #束adv Advent Calendar 2015企画参加のために書いた記事です。
と言いつつ全然いつもの感じそのままですが…(汗)

Courage and Wisdom、BoFAでトーリンをビルボが看取る場面のサントラCDでのトラック名です。(でも今回はサントラの話ではないのですが)
この場面、原作ファンとしては「なんでビルボ一人だけなの」とか「西の国のけなげな子よ」がなかったとか色々あったのですよね。まあそんなことを考えつつも映画館でボロボロ泣いてましたけどね(笑)
ところが、DVDが出て、台詞を確認したくて英語字幕を見て、意外にも原作から取った台詞を使っていることに気が付きました。
トーリンに「危険な目に遭わせてすまなかった」と言われたビルボが、「みんなと一緒に冒険できて嬉しかった。どんなホビットにもできない冒険だ」と言う台詞です。
映画ではNo, I'm glad to have shared in your perils, Thorin. Each and every one of them. It is far more than any Baggins deserves.
原文ではYet I am glad that I have shared in your perils―that has been more than any Baggins deserves.
瀬田訳では「でもわたしは、命をかけてあなたと冒険をともにしたことが、うれしくてなりません。それだけは、わが家の誰もうけたことのないわたしのほこりです。」となっています。(瀬田訳格調高くてしかも優しくていいなあと改めて…)
瀬田訳と映画の日本語訳の雰囲気が違い過ぎて、同じ台詞だとは気づきにくいですね。英語ネイティブの原作ファンならすぐわかったのでしょうか…
この台詞の前に、トーリンが「危険な目に遭わせてすまなかった」と言う台詞が、少し唐突な気がしていたのですが、このビルボの台詞につなげるためのあの台詞だったんだなあとわかりました。

この少し前にも、原作から取った台詞がありました。トーリンが「友に見送られてあの世に行ける(字幕)(吹き替えだと「仲直りしてあの世に行ける」)と言う台詞です。
映画も原作もI wish to part in friendship from you.で同じでした。
瀬田訳だと「心をこめてあなたとわかれたいと思う。」です。(またしても瀬田訳の名訳ぶりに唸る…)
ここも正直原作と全く同じだとは思っていませんでした。
その直後のI would take back my words and my deeds at the Gate.も原作と全く同じです。

原作とは関係ないのですが、その後の台詞、日本語だと「そなたは真の友だ」というところ、英語ではYou did what only a true friend would do.となっていました。
ビルボがアーケン石を持ち出したあの行為が、真の友にしかできないことだったと言っているのですね…。
原作ではトーリンはビルボの人格を讃えていますが、映画では友情の話になってるんですよね。その善し悪しはともかくとして、トーリンがビルボのあの行為を素晴らしいことだと認めてくれていたのだな、ということがはっきりわかって嬉しかったです。(日本語訳が省略して「真の友だ」になってしまうのは仕方ないと思います…意味は間違ってないですし)

余談ですが、トーリンがビルボが来たときに言う「I'm glad you are here」は、LotRでフロドがサムに言う台詞と同じですね。FotRラストと、RotKの滅びの山とで。これは意図的なのかどうかわかりませんが。

さらに、サントラのトラックタイトルであるCourage and Wisdomですが、これも原作のトーリンの台詞から来ていることに気が付きました。
「Some courage and some wisdom, blended in measure.」瀬田訳だと「しかるべき勇気としかるべき智恵がほどよくまじっておる」というところです。(「西のくにのけなげな子よ」の後です)
映画で使わなかったこの台詞をなぜトラックタイトルに…?使わなかったけれどリスペクトしているということを示したかったのでしょうか。それとも元は入っていたけどカットしたとか。
色々と気になります…

この場面に限らず、ホビットもLotRも思わぬところで原作の台詞を使っているので気が抜けません。
ついこの間も、ガンダルフがビビンを連れてエドラスを出発する時の台詞が、原作の療病院でガンダルフがヨーレスに言った台詞から来ていることに気が付いたところです。
(映画 Run Shadowfax, show us meaning of haste. 原作 and Shadowfax shall show her meaning of haste.
映画「飛蔭よその俊足を示せ」原作「飛蔭に急ぎの意味を教えてもらうのじゃな」
これも日本語が違い過ぎて気づきにくい例ですね)
13年目にしてまだ発見があるとは…(汗)

さらに余談ですが、この場面、画面から切れてるんですが、トーリンとビルボの手の演技が気になります。
ビルボが来たときに、トーリンが右手でビルボの腕を掴むのですが、ビルボが上記の台詞を言う時に、両手でトーリンの右手を握りしめてるんですよね。トーリンも握り返しているように見えます。
このあたり、画面からほぼ外れてしまっていて映っていないのが残念…せっかくこんな演技してるのに!贅沢なカット割りですね…
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