ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

かいじゅうたちのいるところ(ネタバレ)

2010年02月15日 | 映画
予告動画を見ただけで涙ぐんでしまい、ポスターの画像を見るだけでまたもや涙ぐみ・・・
というわけで映像だけで涙腺刺激されまくりで、かなり期待していた作品でした。
原作の絵本は知ってましたが、とても単純明快で短い話なので、当然かなり話を膨らませては来るんだろうなと思ってましたが・・・
うーん、描こうとしていること自体はとてもよくわかるのですが、なんかもうちょっと面白く見せることはできなかったかな・・・というのが率直な感想です。
興行成績悪かったのも納得・・・
マックスの不安定で孤独な気持ちと、それを映し出すかのようなかいじゅうたちの存在、という設定も悪くなかったんですけど・・・何がいけなかったのかなあ。
マックスやキャロルの、孤独と不安が「手に負えない」暴力の形になってしまう鋭さが、彼らの孤独に共感できないと、ついて行けない感じなのかなあ・・・
正直、私は頭では理解できたけど、共感する感じではなかったですね・・・自分自身がああいう子ども時代を過ごして来なかったからかな・・・
プログラムによると、スパイク・ジョーンズ監督自身の子ども時代がかなり反映されているようで、監督の個人的な思いが強く出た作品なのかなと。もちろん、それに共感する人もいるでしょうが、一般ウケはしなかった、ということでしょうかね。
でも、映像は素晴らしかったです。ジム・ヘンソンスタジオの見事な実物大パペットはかわいいし。かいじゅうたちの細かい表情はCGだったそうですが、違和感全然なかったし、すごくかわいかったです。
かいじゅうたちがかいじゅう踊りをしたり、巨体をぽんぽん飛ばして暴れまわる様子は期待どおり。観ていて童心をくすぐられるというか、ノスタルジックな気分になってちょっと涙腺が刺激されてしまいました。
かいじゅうたちが重なって眠るところも・・・あれはマックスの願いだったんですよね。(このあたりは共感)
砦を作っている途中で、赤い花を点々と刺していた場面が美しくて息を呑んだのですが、あのシーンの画像みかけないなあ・・・プログラムにも載ってなかったし。
オーストラリアで撮影したという、砂漠やどこか寂しげな海辺も美しくて、さすがの映像美でした。
かいじゅうたちはおそらくマックスの心の中の反映のような存在なんだなと。それは原作の絵本でもそうだったかなと思うのですが。
キャロルはマックスそのものだし、KWはこうあって欲しかったお姉さん。
KWの友達のふくろうの言葉がマックスとキャロルにはわからない・・・というのは、お姉さんが付き合っている友達のどこがいいのか全然理解できない、ということの反映かな。
かいじゅうたちが求めていた、孤独をなんとかしてくれるのはきっと「王様」ではなく、マックスが「君たちにもお母さんがいればいいのに」という言葉が答えだったのでしょうか・・・
自分の心の反映のようなかいじゅうたちと過ごし、自分の映し身のようなキャロルを見て、マックスは自分がやっていたことに気づき、成長します。
最後にキャロルのためにイニシャルを残したのは、本当は自分がお姉さんなりにやって欲しかったことだったのだと思うけれど、それをキャロルのためにやってあげるだけの成長をしたんですね。
ラストの、眠ってしまう母親を暖かく見守る姿に、マックスの、愛を求めるだけでなく自分も愛する、ということを知り、大きく成長した姿が見られたと思います。
それにしても、マックスのように愛することに気付くこともできず、孤独を抱えたまま、海辺に取り残されるかいじゅうたちの姿が切なかったです・・・

てな訳で今年見た映画の順位。まだ2つだけですが。
1.Dr.パルナサスの鏡 / 2.かいじゅうたちのいるところ

あと今年これから観に行く予定の映画。
公開終了「復讐者に憐れみを」(鑑賞済み)
公開中「ラブリーボーン」
2月19日公開「コララインとボタンの魔女」
2月26日公開「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」
2月27日公開「ニューヨーク、アイラブユー」
3月6日公開「プリンセスと魔法のキス」
3月19日公開「NINE ナイン」
3月27日公開「誰かが私にキスをした」
4月17日公開「のだめカンタービレ最終楽章 後編」「アリス・イン・ワンダーランド」
4月23日公開「ウルフマン」
11月公開「ハリー・ポッターと死の秘宝 前編」
12月公開「ノルウェイの森」

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