ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

LILIES

2009年07月13日 | ミュージカル・演劇
たまたま立て続けに劇団の再演ものを観たのですが、その第一弾。Studio LifeのLILIESを観てきました。
この作品、テレビで「トーマの心臓」を見たのがきっかけでLifeを観に行くようになった、かなり最初のころに見た作品でしたが、かなり良かったんですよね。それで今回の再演も行くことにしたのでした。
あらすじだけ追うと、耽美で背徳的な話・・・なんですが、なぜか自然と共感できてしまったんですね。男同士のキスシーンも全然普通に観られてしまったというか。
多分、演出も良かったんだと思うし、何よりも多分、一見背徳的な物語でありながら、根底で描いているのは普遍的な愛だったから、なのかなあと思います。脚本が上手くそうやって汲み取ったのかもしれないけれど。
伯爵夫人の存在がかなり効いているんですよね・・・
演出もすごく良くできていると思います。自分の場面を演じ終わった囚人たち(元囚人?)が、舞台の端に引っ込んで劇中劇を見つめる表情が一人ひとり違っていて面白いんですよね。それも、もちろん劇中劇の登場人物としてとは違った表情なんですが、微妙に演じている役の感情ともリンクしているようで。このあたりは、ずっと稽古して来たんだから劇中の役に感情移入もするだろうなあ、というわけで説得力あるなあと思いました。
劇中では情けない感じで演じている林勇輔さんが、場面が終わって脇に去るとすっと冷たい表情になって、舞台に戻るとぱっと情けない役に戻って・・・というのもカッコ良かったなあ。(林勇輔さん贔屓なんであれですけど(汗))
劇中劇の中でも、パーティーに乱入したヴァリエを観ているパーティーの客たちの表情が一人ひとり違っていて、これもまた面白かったです。かなり第三者なユー男爵夫妻の冷ややかな表情とか特に。
原作ものの舞台化としては多分かなり成功しているのだと思います。原作者が来日して観て大変喜んでいたといのも納得です。
キャストは一番評判がいいらしい?FEUチームでした。いや、林勇輔さんが出ているというのが大前提というのもありましたが。
正直なところ、前回よりもキャストが格段にグレードアップしていて、良かったです。
まあ伯爵夫人だけは林勇輔さんの方が良かったかなあ。(この時の伯爵夫人が林勇輔さんが好きになるきっかけだったですしねー)でも関戸さんの伯爵夫人も良かったです。泣かされましたよ。
オールドビロドーの青木隆敏さん、若すぎじゃあ・・・と思っていましたが、いやあ見事にハマッてましたね。粘着質な演技がすごいハマッてました。林勇輔さんのヤングビロドーとも共通点があって、同一人物な感じがすごくしたし。意外なマッチングでした。
あと、山本芳樹さんのリディアンヌの怪演ですね~(笑)いやーびっくりしました。考えてみたら山本芳樹さんが女役やるの見たの初めてだなあ。
パーティーに乱入したヴァリエを観る表情が・・・怖かった~(笑)
ヴァリエの松本慎也さんも素晴らしかったですね。ひたむきでかわいくて、とても共感できるヴァリエでした。
そうそう、今回見ていて初めて冒頭の聖セバスチャンの劇が伯爵夫人の旅立ちの場面とリンクしていることに気がつきました。なるほどね~。
というわけで、やっぱりいい作品だなあと。しかもほぼベストと思えるキャストで観られて、とても良かったです。
コメント
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