ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

再び、カンタベリー平野を走る。オアマル、ティマル、アッシュバートン、ラカイア、そしてスプリングフィールド 自転車で旅するニュージーランド

2016年12月07日 | 自転車の旅 海外

オアマルから先は、久しぶりのカンタベリー平野を走る。
戻ってきたのだ。

国道1号線を北上する。
旅の基点であり、僕らの家があるクライストチャーチに向けて走り始めた。

旅はもうすぐ終わる。

10年以上、ずっと続けてきたNZ旅だけど、今年で最後にするつもりだ。
1号線の荒すぎるアスファルトの、じゃりじゃり感。
いつもと同じように、タイヤを通して伝わってくる。

走り始めてすぐに雨が降ってきた。

突然の雨にて待機中。
こういうとき、国道数十キロおきにあるレスト・エリア(駐車・休憩公園)は本当に助かる。
雨があがったら、出発だ。

何度走っただろう。
国道1号線カンタベリー平野。
飽きるということはない。

アルパカが不思議そうに、こちらを見ていた。

「あら、誰かしら?」

秋まきの麦が風に揺れている。


ちょっと、北海道っぽい。


北海道に、帰りたくなってきた。


休憩。

やはり、いつまでも走り続けていたい。

相棒よ、どうする?

気持ちは揺れる。

道端で揺れるタンポポは北海道の道端のと同じだった。


カンタベリー平野を走り始めて3日目、
再びラカイア河の長い長い橋を渡る。

クライストチャーチが近づいてきた。

さらにラカイアの北、24km地点。
このまま直進したら、あと半日で旅は終わるところまで来た。

どうする?

VIA Arthur's Pass
アーサーズパス経由、西海岸へ

しかしながら、クライストチャーチ側の東から西へ、自転車でのアーサーズパス峠越えは尋常ではいかない。
最初の峠、ポーターズパスから先、
標高600〜800m前後、延々と続く荒野を約100kmにわたって遮るもののない吹きさらしのまま激しい西風に向かって耐えなければならない。
天候は山岳気象、ひとたび荒れると極めて厳しい。
それに言うまでもなく、東から西に向かう場合、西風は向かい風である。

風を敵に回してはいけない。
人は、お天道様には勝てない。

この辺りの事情を知っているチャリダーはアーサーズパスを西から東に向けて横断する。西海岸側の傾斜は極めてキツイが、それは最後の10kだけだし、だいいち西風の援護がある。
逆に風の味方がなければ攻略はただの苦難となる。東海岸クライストチャーチ側から西海岸を目指す場合、地形上の傾斜は幾分和らぐものの、常に吹いている西風に押し戻されることになる。
自分も過去に幾度かアーサーズパスを越えたが、すべて西から東だった。風を味方につけたわけで、だから峠の攻略は容易かった。

風に逆らう西海岸行きは、きつい。

ま、峠は越えなくてもいい。
そこまでしなくていい。

左へ、曲がった。

良い名前の道だと思ったのだ。

山から吹き降りてくる西風をまともに真正面から受け止めながら、僕はなんとなく西に向けて走り続ける。速度は一気に時速10k前後まで落ちた。
平野でコレだ、荒野ではどうなるだろう?

どうしたいんだ?俺?

天気は急速に悪化。まもなく雨が降ってきた。

徐々にサザンアルプスが、近づいてくる。

行く先は空が暗い。
明日は雨だろう。

水路にはクレソンが生えていた。もう白い花をつけている。

小雨が降っている。

サザンアルプス最初の峠、
ポーターズパスの麓、
スプリングフィールドに着いた。
小さな村だ。

まもなく本降りの雨になった。

僕は2日間、スプリングフィールドにいる。
空を眺めながら、自分はどうしたいのか、ぼんやりと考えている。

ニュージーランドが、大好きだ。








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