削ぎ落とす

♪要るもの　要らんもの　見極めて　削ぎ落とせたら　夢が手繰れるかもね‥
　と、どっかのおじさんがが唄っているが、この「削ぎ落とす」ことの意味は、非常にDeepで難易度が高く、「足るを知る」の近道になるようなキーワードなのだ‥が、やっぱり壁は高い。

　知人に鬱を病んだ男が居た。
　彼は実直で責任感強く、難問も投げ出さん性格‥が故に、そう云う病を背負った。
　医者にも通い、一杯薬も呑み込んだ。
　‥が、治りゃあせんかった。
　長い時間病との付き合いを余儀なくされた頃、ある人からバイクに乗ることを勧められる。
　それも1000ccを超えるビッグなバイクで、昔からの憧れじゃったんじゃと後で聞いたが、それを知ってか知らぬか、勧めた御仁に感謝したい。
　彼は、見る見るうちに水を得た魚の如し活き活きとし、ありゃ何じゃったんほどのライダーおじさんになっている。

　わしもビッグな単車に乗りたい。
　身体全部にエンジンの振動とタイヤからの起伏と真正面から風と匂いと音をまた感じたい。
　‥と思うが、あいつが「要るもの」としたほど今のわしには必要なものでは無い‥と云うことが分かった。

　例えばライブを取られたら、ヘナチョコおじさんになるじゃろし、山を歩くなと云われりゃ咬み付くじゃろし、自転車無かったら落ち込むじゃろう‥と云う風に、その人その人に今要るもの大切なものを見極めること、そうして他人が要るものを尊重出来ること。

　そんなことを今日の午後、「観てや」と見せて貰うたFIATに思うた。
　　　確かにシンプルで可愛いシルエットにはそそられる‥が。


　【本日の注意喚起】「この車はよう走るんよ」云うても、飛ばし過ぎてフィアッとせんように‥