gucchan_ぶろぐ

パカパカ、ラグビー、クラシック。そして徒然なるままに・・・。

アンチ・反捕鯨

2007-12-03 23:52:42 | Da日記
放送大学の課題提出期限が迫った土曜日に、大学の図書館に出向いて資源人類学のレポートを仕上げ、提出まで済ませてきました。他の2教科(現代を生きる哲学、英語中級B)についてはマーク式で10問程度に回答するだけですので既に終わらせて郵送済みなのですが、資源人類学だけはちょっと異色で、本当に「レポート」を提出する必要があるんですよね。放送大学の学科も数あれど、こういうパターンは初めてのことで驚きましたが、逆に担当講師陣のヤル気が伝わってきて非常にやり甲斐を感じさせてくれます。採点する方だってそりゃ大変でしょうに(笑)。

お題は以下の通りです。
「あなたがいまもっとも興味のある資源をひとつ挙げて、その生態的側面と象徴的側面について800字以内で説明せよ」・・・なかなか骨が折れそうな課題でしょ?(笑)
ネタはいろいろ悩みました。「自転車」「エコバッグ」「温泉」「メイド」「オタク」etcetc・・・で、結果的に取り上げたのが「クジラ」なんですね。

そもそもこの「クジラ」ちゃん、生態的資源として見た場合には、日本人にとっては「100%利用できる、捨てる部分のない資源」でしたが、欧米人は鯨油目的として皮脂だけを剥いで、残りは海洋投棄していたことは有名な話です。シロナガスクジラもホッキョククジラも、絶滅の危機に追い込まれたのはイギリス、オランダ、アメリカの乱獲が原因であり、日本型のsustainableな捕鯨は原因ではありません。

ところが近年、このクジラを自然保護のイメージキャラクターに仕立て上げて、反捕鯨運動がやかましくなっているわけです。環境テロ集団・グリーンピースとか各種NGO/NPOなんかもそうですが、一番うるさいのがイギリス、アメリカ、オーストラリアにニュージーランドといったアングロサクソンだと言うのがちゃんちゃらおかしい話なわけで。彼らは自らが絶滅の危機に追い込んだクジラをまさに象徴資源として利用することで、自国の利得を企んでいるわけなんですよね。
クジラは絶滅危惧種だから獲ったちゃーダメ!というのが当初の理屈でしたが、最近の調査ではクジラの過剰保護によってその数は急増しており、むしろ他の海洋資源の枯渇が進んで人間の生活を脅かしている可能性すら示唆されています。そればかりか、このまま放置しておくと、一部の生物に至っては逆に絶滅の危機に追い込まれるという予測すら出ている始末です。
それを受けて、今度は「あんな可愛いクジラを食べるなんて、野蛮だ!」という意味不明の理屈をつけて捕鯨反対を叫ぶ始末・・・・。ですが、その本質のところは「クジラ増えて魚減ってタイヘンデスネー、動物性タンパクが必要ならオイシイUSビーフかオージービーフを食べなサーイ」という狙いにあるのは明白なのですが、いやいや、恥ずかしいと思わないんですかねぇ(笑)。

私個人は別にクジラを食べたいわけでも何でもないですが、捕鯨はれっきとした日本の文化であり、例えばクジラのヒゲが文楽人形に使われていることを考えても、文化そのものの象徴的一面をももっているわけです。それを否定する権利は誰にもないわけで、ましてや利得目的のアングロサクソンに言われて「ハイ、そーですか」と聞ける話ではありません。
韓国人が犬を食う?いいじゃないですか。オージーがカンガルーを食う?結構、結構。それが私のスタンスです。捕鯨反対を叫ぶおバカさんは、それこそ民族の固有文化の大切さを無視する野蛮人だというのが私の立場なわけで、そういう意味で「アンチ・反捕鯨」を語ってみた次第なんですよね。

ま、こんな感じでツラツラとレポートを書いたのですが、所詮800字ですからやや中途半端に終わってしまったキライがあります。講師の先生方があのクセのあるレポートにどんな評価をしてくれるのか、楽しみでなりません(笑)。

By.Da

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3 コメント

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Unknown (Unknown)
2007-12-04 02:48:39
>そもそもこの「クジラ」ちゃん、生態的資源として見た場合には、日本人にとっては「100%利用できる、捨てる部分のない資源」でしたが、欧米人は鯨油目的として皮脂だけを剥いで、残りは海洋投棄していたことは有名な話です。


油を取る為だけに鯨を殺し肉を棄てたのは欧米人だけではありません。 日本も似たようなものです。
第2次大戦前には日本の捕鯨船団も南極で大量の鯨肉を南極海に廃棄していました。 日本は1934年に南極捕鯨に参入し、大戦の勃発で中断されるまでの7年間にシロナガスなどの大型鯨を中心に約3万5千頭を殺しましたが、この頃は輸出用の油だけが目的でした。 そして総量約80万トンにも上る驚くべき多量の鯨肉を回収利用せず、南極海に廃棄しました。
このような大量の鯨肉は到底国内市場で処理できず、農林省はその持込を禁止したのです。 

この時活躍した捕鯨母船は大戦中に徴用され連合軍により悉く撃沈されました。

大戦後再建された捕鯨船団は当時の国民の飢えを救うことを緊急の目的としていたのですから、当然鯨肉は消化され、日本捕鯨業は油と肉の両方で利益をあげることが出来ました。 この頃利用度が高かったことも、日本人が欧米人を「油を採って肉を捨てた」と嘲笑う原因となっていますが、同じことをやっていた戦前を忘れてはなりません。

現在はこの逆です。 調査捕鯨では油を回収するボイラーも設置されていません。 彼らは肉だけをとって血液、肺臓や腸などの内臓、骨、胎児、鯨油相当部分などを未処理で南極海に投棄しています。
Unknown (げんた)
2007-12-04 03:34:32
>シロナガスクジラもホッキョククジラも、絶滅の危機に追い込まれたのはイギリス、オランダ、アメリカの乱獲が原因であり、日本型のsustainableな捕鯨は原因ではありません。

鯨を徹底的に痛めつけた20世紀の大型母船式捕鯨では日本はノルウェイ、イギリス、ソ連などの捕鯨国に伍して一歩も引かず頑張りました。 外国のことを乱獲と言うのならば、そしてそれには疑いもありませんが、日本もその片棒を担いだのです。

事実、1960年代の半ば以降、日本は7船団を擁して世界最大の捕鯨国でした。

日本が特異だったのは最後まで執着したことです。 そして各鯨種の乱獲の仕上げを受け持ちました。

言い訳の出来ない日本の乱獲の例としてイワシ鯨があります。 ナガスなど大型鯨が激減するに及んで捕鯨の中心はやや小柄なイワシ鯨に移りました。 この頃捕鯨から撤収する国が相次いだので、ある時点から日本とソ連だけが残ってこれを獲りました。 それならさぞや「sustainable」に獲ったかと言えばそうでは有りません。 日本はソ連を相棒に徹底的に獲りまくりIWCがいい加減にしておけと止めに入ったときには25万頭いたイワシ鯨は5万頭に減っていたのです。
勉強になりました (Da)
2007-12-05 00:32:35
ありがとうございます。正確なフォローをいただき感謝しております。

私個人としては欧米人を血祭りにあげるつもりでも日本人をフォローするつもりでもなかったということはご理解ください(笑)。特定の種を絶滅に追いやったり、固有の文化を根絶やしにするような行為が許容されないことは当然です。日本もその矛先にあげるべき対象であることはよく理解しましたし、今回の件がそれを表現するネタとして適当でなかったことは得心しました。「アンチ・反捕鯨」のココロはそこにはありませんので、何卒ご容赦ください。

私自身の勉強不足で、しかもやや感情的な表現になっているところもありますので、不快の念を抱かせることになったとすると申し訳ありませんでした。