
ずっと前に買ってから積読になってた本を発掘してきました
いざ読み始めたら面白くて一気にさくさく読めてしまった
三章構成になっていて、それぞれ社会科学・自然科学・形式科学における理性の限界について説いています
メインテーマとして持ち上げられるのはアロウの不可能性定理、ハイゼンベルクの不確定性定理、そしてゲーデルの不完全性定理。
こうやって文字にして書くと仰々しくて威圧されてしまいますが(わたしはされた^^;)、実際は思ったより読みやすいです
本書はさまざまな職業の人がシンポジウムの参加者としてディベートを展開してゆく形式で書かれています。
背景知識の皆無なわたしなんかは読んでいく上でしばしば「これってつまり何?」「こういうことなのかな?」みたいな些細な疑問が湧いてきてしまうのですが、
一般的な本だとそのような小さな疑問に触れられていることはあまりなく、結局わけがわからなくなって放り出してしまうことも多々…。
ところが本書は、さまざまな職業の登場人物が、まさにわたしが思った疑問をそのままピンポイントにディベートにおいての質問として発言してくれるのです
つまりなんというか痒いところに手が届くような一冊。内容自体はそれほど難解ではないので、初学者にはうってつけな本だと思いました。
第一章社会科学は多数決の限界(完全に公平でない)に始まり、ゲーム理論やしっぺ返し戦略についてが述べられています
ここは背景知識をそれなりに持っている分野だったので、おさらい感覚でふむふむなるほどと軽く
第二章の自然科学は完全な門外漢… ですが、シュレディンガーの猫や量子論、二重スリット実験といった言葉だけなんとなーく聞いたことあるようなものについて解説されています
自然科学の発展史的な側面もあり、そもそも科学の発展とは何なのか、科学とは何なのかにも触れられていて内容もりだくさん
第三章は形式科学、つまり数学や論理学といった、いかにも理論ですべてを証明しつくせそうな分野に関して
論理学の説明では少しややこしい部分もあって混乱しましたが数度咀嚼してなんとか理解(したつもりに) やはりこちらも見事に世界観をひっくり返されました
本書を読んだうえでいちばんの収穫はやはり理性は完全ではないという事実を知ったこと
それから一般教養としての知識が広がったこと かなと
読んでゆく上でカント主義者やロマン主義者が(お笑い要素として?)突拍子もない横やりを入れてくる場面が何度かあるのですが、
難しい議論の中での息抜きとして楽しめるのと、他の視点からの意見に触れられるのとで一石二鳥のうまいやり方だなと思ったり さすが高橋先生です
積読まだ何冊かあるのでがんばって春休みのうちに消化していきたい
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