超短編小説おじいのつぶやき

&おばあのすっとぼけ

漢字問題

2008-01-31 | 超短編小説おじいのつぶやき
 ・漢字問題


 クイズ番組を見ています。漢字の読み方問題です。

おばあ「はあ日本人だもの。漢字ぐれえ、読めねえとな」

おじい「ん、まあな」

テレビ『第五問。次の漢字の読みを答えよ……
    「空っぽ」』

おばあ「はあ簡単だ。そらっぽ……!」

テレビ『「からっぽ!」……正解!』

おばあ「……なーんて読んだら赤っ恥かくかんな!
    そう、あれは『からっぽ』なんだから。
    お父さん、まちがってもよそで『そらっぽ』
    なんて読んじゃダメだぞ! ホントに
    くれぐれも! な! わかったな!」

おじい「……うん」

 返事しました。


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騙し合い

2008-01-30 | 超短編小説おじいのつぶやき
 ・騙し合い


 おじいとおばあは信号を渡ろうとしています。
が、歩行者用の信号が、点滅を始めてしまいました。

おばあ「はあ待つか」

おじい「ん、そうだな」

おばあ「なんか、信号長げえな」

おじい「ええ? まだ赤んなったばっかじゃねえか」

おばあ「いや、長げえよあの信号。たてに、三センチ
    ぐれえ長く見えらあ。なーんてな。あははー!」

おじい「……馬鹿みてえだな」

おばあ「はあなにぃっ!? 失礼だな!」

おじい「この電柱についてるネジの頭。凹凸が
    なくなっちまってて、馬鹿になってる
    みてえだ」

おばあ「くっ……!」

 おばあはやり返されました。


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チョコレートサンデー②

2008-01-29 | 超短編小説おじいのつぶやき
 ・チョコレートサンデー②完


 おばあは喫茶店へ行き、チョコレートサンデーを
注文しました。月曜日だったので「チョコレート
マンデー」と注文しましたが、店員に無視されました。

 さて、その翌日。
 おじいが居間へ入ってきました。

おじい「……ん? なんだこりゃ?」

 ちゃぶ台の上に、メモ用紙を見つけます。

おじい「『チョコレートサンデー七変化。
    ①チョコレートマンデー ……失敗
    ②チョコレートサンダー ……
    ③チョコレート三号   ……
    ④チョコレートサンデッキ……
    ⑤チョコレート散歩   ……
    ⑥チョコレートサンタ  ……
    ⑦チョコレート日曜日  ……』。
    ??? ……何やってんだ? あいつ……」

 いろいろやっているようです。


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チョコレートサンデー①

2008-01-28 | 超短編小説おじいのつぶやき
 ・チョコレートサンデー①


 おばあは親友の林さんと近所の喫茶店に来て
います。

林さん「なんか、甘めえもんでも食おうかね」

おばあ「はあそうだな。甘めえもんは、コーヒーと
    合うからな!」

林さん「これにすっかな。チョコレートサンデー」

おばあ「おっ、いろいろ乗っかっててうまそうだな。
    じゃあ、私もそれにすべえ。……あっ、
    頼むときは、別々に頼もうな!」

林さん「??? あ、ああ。まあ、梅ちゃんが
    そうしたいんなら……」

 店員を呼びます。

女店員「ご注文は?」

林さん「えーと、チョコレートサンデーを一つ」

おばあ「はあ、私はチョコレートマンデー。月曜な
    だけに! ……プッ、あははー!」

女店員「はい、チョコレートサンデーお二つで
    よろしいですねー。少々おまちください
    ませー」

林さん「……………………」

おばあ「……………………」

 流されました。


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おやつ

2008-01-27 | 超短編小説おじいのつぶやき
 ・おやつ


 おばあがお菓子を買ってきました。「色々好み」
と書いてあります。

おじい「色々好み、か。どんな菓子だ?」

おばあ「はあその名のとおりだ。いろんな味の、
    せんべいやら豆菓子やらが、一つの袋に
    へえってるんさ」

おじい「へえ。いろいろ楽しめるな」

おばあ「だから色々好みっつうんさ! ……あっ、
    そうだ。せっかくだから、袋に手え入れる
    とき目えつぶってよ、なに食うか、口に
    入れるまでわかんねえっつう遊びしねえか?」

おじい「ええ? ったくおめえは、くだらねえな。
    ふつうに食えばいいじゃねえか」

おばあ「いいや、せっかくだからやるだ!」

 おばあは目をつむり、袋に手を突っ込みます。

おばあ「おっ、なんだこの手触りは! さあて、
    どんな味かなあ……こうして、ドキドキ
    しながら口に入れて……って、酸化防止剤!
    食~べ~ら~れ~ま~せ~ん――――ッ!」

おじい「(ひとりで、よく騒ぐなあ……)……ズズッ……」

 おじいはお茶を飲みました。


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芸人意識

2008-01-26 | 超短編小説おじいのつぶやき
 ・芸人意識


 お笑い番組を見ています。

テレビ『今年はみんな、寝不足でテレビを見なさい。
   なんたって今年はネズミ年、寝ず、見、年、
   なんちゃって』

おばあ「……つ、つまらん」

おじい「ふっふ、そうか? 俺には、わかりやすくて
    いいけどな」

おばあ「いや、ぜんっぜんおもしろかねえや。……
    いや逆に、このお笑いブームで真新しさ
    ばかりが追求される昨今において、ここまで
    ベタベタなネタを堂々と披露できるこの男
    はおもしれえんだろうか?」

おじい「そうさ。単純で、いいんじゃねえか?」

おばあ「うーむそうするとはあそうすると、つまんな
    すぎておもしれえ、っつうことになるな。
    つまんなくねえ芸人は当然おもしれえし、
    おもしろくねえ芸人はつまんなすぎて
    おもしれえし。じゃあ、全員おもしれえっ
    つうことかや。ということは……私はもう、
    芸能界にポジションがねえ、必要とされて
    ねえっつうことかや――ッ!」

おじい「もともと必要とされてねえだろ」

おばあ「はんがッ……!」

 おばあはショックを受けました。


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うどん

2008-01-25 | 超短編小説おじいのつぶやき
 ・うどん


 おばあが買い物から帰ってきました。

おばあ「はあただいま~。お父さん、今夜はうどんで
    いいだろ? 讃岐うどん!」

おじい「ん、ああ。この時期は、特にうめえな」

おばあ「麺と、掻き揚げ買って来ただ。えーと、
    ということは、たぬきうどん……?」

おじい「たぬきは、揚げ玉だろ?」

おばあ「あーっ、あーあーあー、そっかあ! そうだ
    そうだ、たぬきは揚げ玉だ。掻き揚げは
    天ぷらうどんだな!」

おじい「ん、そうだな」

おばあ「あれ? するってえと、今日買って来たのは
    讃岐うどんだから……もし、これで具が
    揚げ玉だったら『サヌキタヌキうどん』
    ちゅうことになるんかなあ」

おじい「かもな。そう言う必要は、まったくねえけど」

おばあ「まあでも、揚げ玉じゃねえからな。サヌキ
    うどんだけど、タヌキうどんじゃねえ、と。
    つまり、タヌキ抜きうどん、ということに
    なるってことは……。♪パンパカパーン! 
    今夜のウチの夕飯は、『讃岐たぬき抜きうどん』
    でーす!」

おじい「天ぷらって言葉がねえじゃねえか!」

おばあ「へ? なにムキになってるん」

おじい「あ、い、いや、別に……」

 おじいは天ぷらうどんが大好きです。


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ラーメン

2008-01-24 | 超短編小説おじいのつぶやき
 ・ラーメン


 おばあが即席ラーメンを作りました。

おばあ「お父さん。ラーメン食うべ」

おじい「ん、ああ」

 二人はラーメンを食べ始めます。と、テレビの
中のサスペンスでも、刑事がラーメンを食べて
います。

おばあ「あれえ。はあお父さん。刑事もラーメン
    食ってますよ」

おじい「そりゃそうだろ。刑事だって人間だもの、
    腹が減りゃラーメン食うさ」

おばあ「ウチのとどっちが豪華かなあ」

おじい「即席で、豪華もなんも、ねえだろ」

おばあ「でもほれ、ウチのは私がいろいろ入れたもの。
    長ネギだろ、にんじん、タマネギ、ハム、
    ノリ、タマゴ。それに引きかえあの男が
    食ってるやつは、具がねえで。麺だけだ」

おじい「まあ、撮影用だしな」

おばあ「それにほれ、見てみろや! あの刑事が
    食ってるラーメン湯気が出てねえぞ! 
    こりゃラーメンとしては致命的だな、
    致命的! ぬるいラーメンなんて旨くねえ
    もの! ……ところではあ、お父さん。
    この劇の犯人は誰かなあ?」

おじい「おめえのおしゃべりは、自由すぎる!
    ……ズルル~……」

 おじいはラーメンをすすりました。


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干しイモの思い出

2008-01-23 | 超短編小説おじいのつぶやき
 ・干しイモの思い出


 孫のまゆみが遊びに来ています。おじいが白く
粉のふいた、「群馬の干しイモ」をすすめました。

おじい「まゆ。干しイモ食うか?」

まゆみ「あっ、なつかしい。いただきまーす。
    もぐもぐ……ねえ、これってさあ。白い
    粉ふいてるけど、カビじゃないんだよね」

おじい「ふっふ、そうだな。甘い証拠さ」

まゆみ「そうなの? でもさあ昔、まだ幼稚園のころ
    だったかな。私、ここで干しイモ見つけて。
    おばあちゃんに、食べていいか聞いたの」

おじい「ほう」

まゆみ「そしたらおばあちゃん、『まゆ。そらダメだ。
   カビが生えてらあ』って言って、台所に
   もってって」

おじい「??? 白く粉ふいてるだけで、カビじゃ
    なかったんだろ?」

まゆみ「まあ、そうなんだけど。で、干しイモを
    もってかれちゃったけど、なんとなく、
    台所までおばあちゃんのあとをつけたの。
    そしたら……」

おじい「そしたら?」

まゆみ「ガツガツ食べてた」

おじい「……どうしょうもねえなあ……」

 しみじみしました。


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おばあVS孫

2008-01-22 | 超短編小説おじいのつぶやき
 ・おばあVS孫


 孫のよしおが遊びに来ています。

よしお「あ、おじいちゃんが寝ちゃった」

おじい「ぐが~……ぐが~……」

おばあ「おーおー、大口開けちゃって。……よしっ、
    お茶でも垂らすべ」

よしお「ええ? やめなよそんなの。かわいそうじゃん」

おばあ「いいからいいから。どうせたまげて
    目え覚まして、あっはっはーっつって
    終わりさ」

よしお「やめなってば」

 しかしおばあは急須をもち、おじいの口にそっと
お茶を垂らします。

おじい「ぐが~……ぐがッ……な、なんだあ?」

おばあ「ぷーっ、くっく! 起きた起きた!」

おじい「起きた、って……チッ、おめえはホントに
    何くだらねえことやってるん!」

おばあ「あ、あれっ? 本気で怒ってらあ」

おじい「あったりめえだんべや! 人が気持ちよく
    寝てるんに!」

おばあ「……ほらな、よしお。だからばあちゃん、
    何度もやめようっつったろ?」

よしお「……………………」

 孫はあ然としています。


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スパゲティ②

2008-01-21 | 超短編小説おじいのつぶやき
・スパゲティ②完


 おばあはおじいにスパゲティを出しましたが、
味付けは、ソースとケチャップをかけてレンジで
チンするだけでした。

おじい「ったくもう。ぜんぜん旨かねえや。……
    ズルルッ……もぐもぐ。……あ~あ、
    ごちそうさま~」

おばあ「はいよー。……どら、じゃあ私も食うかな。
    麺が~あまってっから~ケチャップソース、
    塩コショウして~ハムとタマネギでも切って~
    フライパンで炒めちまえば、はあまあ旨く
    なるんかな~っと」

おじい「……お・れ・の・も・そ・う・し・ろ!」

 おじいはプルプル震えています。

~Thank you for reading.~

スパゲティ①

2008-01-20 | 超短編小説おじいのつぶやき
 ・スパゲティ①


 お昼です。

おばあ「お父さーん。お昼にすべえ」

おじい「ん、ああ」

おばあ「夕べのスパゲッテーの残り、食っちゃって
    くれい」

おじい「ああ。……あれ? ミートソース、ねえんか?」

おばあ「はあ終わっちまったい。麺、たくさんゆで
    すぎたな。でもほら、ソースとケチャップ
    かけて、レンジでチンすりゃもうサイコー
    だから!」

おじい「ウソつけ! そんなもんが、うめえわけ
    ねえや!」」

おばあ「いや、ホントだって! 信じろ私を!」

おじい「ホントかや」

おばあ「ホント、ホント! じゃ、こうしてソースと
    ケチャップをかけて、レンジに入れて、と」

レンジ『♪チーン……』

おばあ「ほいできた! おばあ特製ソースケチャップ
    スパゲッテー!」

おじい「特製、って。手軽にも、ほどがあるなあ。
    ま、とりあえず、いただきまーす。ズルルッ、
    もぐもぐ……」

おばあ「はあどうだ? 意外といけるだろ!」

おじい「……いや。ぜんぜん。しょっぺえだけだ」

おばあ「あそ? そりゃおかしいな」

おじい「おめえ、そう言うけどよ。ゆでた麺に、
    ソースとケチャップからめてレンジで
    チンしただけのスパゲティなんか、
    今まで食ったことあんのかや」

おばあ「いや、ねえよ。はあまあでもよく考えて
    みりゃ、そんなもんがうめえわけねえやな。
    ……あははー!」

おじい「……な・ん・だ・そ・りゃ!」

 新たなツッコミを獲得しました。


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疑問

2008-01-19 | 超短編小説おじいのつぶやき
 ・疑問


 おじいとおばあは近所のスーパーへ買い物に
来ています。

おばあ「はあ、買った買った。けえるか」

おじい「ん、そうだな」

 店から出ます。

おばあ「ひ~、寒み~」

おじい「このごろホントに冷えらあな」

と、店の外の屋台でタコ焼きを売っていました。

おばあ「おっ、タコ焼きか。あったかそうで、旨そう
    だな。どら、一つ食ってくか?」

おじい「そうだな。たまにはいいな」

 おじいとおばあはタコ焼きを2パック買い、そばの
ベンチに腰かけます。

おじい「どら、いただくか。フ~フ~。パクッ。
    ほふほふ……ん、熱くてうめえな!」

 しかし、おばあはつまようじに刺したタコ焼きを、
ただ、眺めるばかりです。

おじい「??? なんだおめえ、なんで食わねえん。
    冷めるぞ」

おばあ「いやあ、ちっと思ったんだけどよお」

おじい「ん、なんだ?」

おばあ「外からけえって、なんか食う前によ。
    手洗い、うがいをしろっつうだろ?」

おじい「そりゃそうだろ。風邪の予防さ」

おばあ「でもよお。それって、外がきたねえって
    ことだろ? だから手洗いうがいすんだろ?」

おじい「ん、まあ、そういうことになるんかなあ」

おばあ「だろ? じゃあよお。今こうして外で、
    タコ焼き食おうとしてるっつうことはよ。
    言い換えりゃあ今正に、ばっちい外で食う
    わけだからよ。外からけえってうがいしねえで
    なんか食うよりも、よっぽどタチが悪りい
    んじゃねえか?」

おじい「……なんか、めんどうなことを、気に
    し始めたな。じゃあ、タコ焼き食うの
    やめっか?」

おばあ「いや。食う。パクッごくりパクッごくり」

おじい「……………………」

おばあ「……パクッごくりパクッごくりパクッごくり
    パクッごくり……はあ旨かった、ごちそうさま~」

おじい「……さっきの疑問はなんだったんだ?」

 いつものことです。


~Thank you for reading.~

メロンパン

2008-01-18 | 超短編小説おじいのつぶやき
 ・メロンパン


 おじいがメロンパンを買ってきました。

おばあ「おっ? お父さんが買ってくるなんて。
    珍しいな」

おじい「いや、安く売ってたからよ」

おばあ「へ~。メロンパン五個、か」

おじい「そう。いくらだったと思う?」

おばあ「ん~…………450円ぐれえか?」

おじい「いいや。実は、378円だ!」

おばあ「あ、そう」

おじい「あれ? 淡白だな」

おばあ「うーん。まあ、370~380円ぐれえ
    かな、とは思ったけどよ。かわいそう
    だから加減して、高めに答えてやったんさ~」

おじい「……………………」

 ヤな感じです。


~Thank you for reading.~

おもち②

2008-01-17 | 超短編小説おじいのつぶやき
 ・おもち②


 おばあはお雑煮を作りましたが、汁を作るのが
めんどうくさくて味噌汁にもちを入れました。

おじい「ったく、味噌汁にもち入れたって、
    別にうまくもなんともねえや」

おばあ「ええ? そうかなあ。私はうめえと
    思ったけどなあ」

おじい「なに言ってるん。これだったら、別々に
    食ったほうがいいだんべや」

おばあ「はあおかしいなあ。うめえんになあ」

おじい「ったく。こーの味覚オンチが!」

おばあ「なにっ!? はあ聞き捨てならねえ。
    それは聞き捨てならねえ」

おじい「いーや。おめえは味覚オンチだ!」

おばあ「あーっ、また言った! いいか、お父さん、
    これだけは言っておく。私はけっして
    味覚オンチじゃねえ。私はなあ、私は……
    ただの味オンチだ――ッ!」

おじい「言い方変えただけじゃねえか」

 冷たくツッコむおじいです。


~Thank you for reading.~