マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

起立性調節障害(その1)

2010年02月26日 | 診療
珍しく少し大きい子が対象の記事です。

小学生高学年くらいからやたらと不定愁訴を訴える子が増えてきます。
頭が痛い、おなかが痛い、胸が痛い、めまい、立ちくらみ、耳鳴り。。。などなど。
うちのような小さな病院でも月に何人か来られるときもあるくらいです。
5、6月あたりや夏休み明けの9、10月あたりに増えるなど季節性もありますね。

自律神経と呼ばれる神経があります。
「自律」していますので、意識的にどうこうできません。
交感神経と副交感神経が互いに「調節」しながら「勝手」働いてくれています。
思春期に差し掛かり、身体が大人になる準備を始めるわけですが、
その際に2種類の神経のバランスが崩れるとあちこちに不具合が生じてきます。
主に「血圧」のコントロールに不具合が生じるのが起立性調節障害(OD)と考えていいかと思います。
近年このOD症状を認める子どもが増えてきているとのデータもあります。
中学生男子で10%程度、女子では20%程度にもなるとか。
ちなみに遺伝性も認められており、親御さんが昔そうだったという場合は、
お子さんにも可能性があるということになります。

症状は最初に述べたようにさまざまです。
別になまけているわけでなく、単に血圧が上がってくれないので
「身体が言うことを聞いてくれない」というのが基本的な状態でしょうか。
それに日頃家庭なり、学校なりでのストレス、風邪などの体調不良が重なるなど、
色々な条件も重なってくるのでなかなか難しい問題です。

よくお母さんたちに言っているのですが、基本的に病院は「病気」を調べるところです。
検査をして異常があれば「病気」であると言うのは難しいことではありません。
しかし、起立性調節障害は一応病名はついていますが、
多くは色々な検査をしても何も異常はみつかりません。
起立試験で血圧や脈拍の変動で血圧のコントロールに問題がありそうなことはわかります。
だからといって診断を決め付けると何か見落としがあっては困ります。

症状に合わせて簡単な検査も必要になってきます。
胃の調子が長い間悪いと小学生でも十分に胃潰瘍の可能性だってあるのです。
ある程度大きいと当院でも内科にお願いして胃カメラをしてもらうこともあります。
ものすごく確率は低いですが、頭痛が長引くのでCT撮ってみたら
腫瘍があったなんてシャレにもなりませんしね。
一通りの検査をしておいて何もなければODなのかな?くらいのスタンスが大事です。
本人にもできる検査は早めに済ませておいて、何もないと安心できるのでは?と伝えています。
自分の身体に起こっていることを理解してからでないと前には進めないでしょうから。

(その2)へ続きます。。。
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 水いぼ(伝染性軟属腫) | トップ | 起立性調節障害(その2) »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む