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Campion, ("Come, you pretty false-ey'd wanton")

トマス・キャンピオン
(「悪い目をしたいたずらなあなた」)
(『歌の本』2.18)

悪い目をしたいたずらなあなた、
そんなふうにずるく微笑むのはやめてください。
ぼくからうまく逃げるつもりですか?
あいまいな言葉でお茶を濁して?
そうはいきません。前もそうでした、
ぼくをふりはらって逃げていきました。
でも、今日はつかまえました。
羽を切って飛べなくしてしまいます。
息ができないほどキスします、
助けを求めて叫べないくらいに。

数えてみてください、星の数を、
降りそそぐ雹の数を、
テムズ川の柳の枝の数を、
ドーヴァ―の岸を呑みこんでいる砂の数を。
それよりたくさんのキスを雨のように注ぎます、
あなたの唇が疲れるくらいに。
過去最高の豊作のように
たくさんで、とても気持ちいい。
でも刈りとったらすぐに食べて消えてしまう--
貯めておけない恋の宝はそんなもの。

今、誰にも聞かれない真夜中で、
みんな寝ていたら、
ここが砂漠で
誰も見ていなかったら、
欲望のまま、したい放題させていただきます。
君が叫んでも、ぼくは余裕で笑います。
もしいけないことをしてしまったら、
それは恋のせい。
ぼくはあなたの召使いになりたいのです。
あなたを新しい聖人として崇めたいのです。

*****
Thomas Campion
("Come, you pretty false-ey'd wanton")
Books of Airs 2.18

Come, you pretty false-ey'd wanton,
Leaue your crafty smiling:
Thinke you to escape me now
With slipp'ry words beguiling?
No; you mockt me th'other day;
When you got loose, you fled away;
But, since I haue caught you now,
Ile clip your wings for flying:
Smothring kisses fast Ile heape,
And keepe you so from crying.

Sooner may you count the starres,
And number hayle down pouring,
Tell the Osiers of the Temmes,
Or Goodwins Sands deuouring,
Then the thicke-showr'd kisses here
Which now thy tyred lips must beare.
Such a haruest neuer was,
So rich and full of pleasure,
But 'tis spent as soone as reapt,
So trustlesse is loues treasure.

Would it were dumb midnight now,
When all the world lyes sleeping:
Would this place some Desert were,
Which no man hath in keeping.
My desires should then be safe,
And when you cry'd then would I laugh:
But if ought might breed offence,
Loue onely should be blamed :
I would liue your seruant still,
And you my Saint vnnamed.

http://www.luminarium.org/renlit/comepretty.htm

*****
歌い手の男性をどうイメージするかによって
印象が変わる詩。好ましい相手でなければ怖い。

*****
カトゥルス 7 と 48 の翻案。

16-17世紀イギリスにおいてカトゥルスがもっていた
意味は、上のように翻訳・翻案された詩よりも、
そうされなかった詩から推しはかるべき。

全訳が18世紀末までつくられなかったのは、
それどころか当初ほんの一握りの詩しか訳され
なかったのは、カトゥルスの詩がしばしば
猥雑だから。

*****
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