goo

Rossetti, DG, "The Love-Moon", The House of Life (1870) 17

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
「愛の月」
『命の宮』(1870) 17

「死んだあの人は君と一心同体だったはず。でも、もうあの人の顔は
年月の森のはるかかなたに消えてしまって、
思い出が波のように打ちよせることもなく、
涙の飛沫(しぶき)がもう心にふりかかることもない。
でも、今好きな人を君が見つめるとき、
不思議な愛の媚薬の力で、
その人の両目のなかに、
過去に埋もれた愛の誓いが見えたりしないかい?」

「違います! やさしい愛の神さま、愛のやさしさの神さま、確かに
ぼくはこの二人に愛を告げました。
あなたの鐘の二種類の音に導かれたからです。
でも先生、死んでも、結ばれて絶頂まで昇りつめても、
魂になるのは同じですから、重なって見える二人の女性の目は
満ち欠けする愛の月のようなものではありませんか?
この月がぼくの魂を照らし、真の愛に導いてくれるのです。」

*****
Dante Gabriel Rossetti
"The Love-Moon"
The House of Life (1870) 17

'When that dead face, bowered in the furthest years,
Which once was all the life years held for thee,
Can now scarce bid the tides of memory
Cast on thy soul a little spray of tears,―
How canst thou gaze into these eyes of hers
Whom now thy heart delights in, and not see
Within each orb Love's philtred euphrasy
Make them of buried troth remembrancers?'

'Nay, pitiful Love, nay, loving Pity! Well
Thou knowest that in these twain I have confess'd
Two very voices of thy summoning bell.
Nay, Master, shall not Death make manifest
In these the culminant changes which approve
The love-moon that must light my soul to Love?'

http://www.rossettiarchive.org/docs/1-1870.1stedn.rad.html
最後の行は日本語訳では二行。

*****
心変わりを正当化する屁理屈と見るか、
人を求める感情の本質と見るか。

*****
学生の方など、自分の研究/発表のために上記を
参照する際には、このサイトの作者、タイトル、URL,
閲覧日など必要な事項を必ず記し、剽窃行為のないように
してください。

ウェブ上での引用などでしたら、リンクなどのみで
かまいません。

商用、盗用、悪用などはないようお願いします。


コメント ( 0 ) | Trackback (  )
« Rossetti, DG,... Milton, Parad... »