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Shelley, ("Music, when soft voices die")

パーシー・ビッシュ・シェリー (1792-1822)
(歌は、声が静かに死に、消えても)

歌は、声が静かに死に、消えても、
響く、記憶のなかに。
香りは、きれいな菫(すみれ)が病んでも、
残る、菫の香りで甦った心のなかに。

薔薇の花びらは、花が枯れ、死んでも、
あふれるほどに飾られる、愛しい人のベッドに。
ぼくの想いもそう。君が去っても残り、
〈愛〉の神のベッドを飾る、あふれるほどに。

*****
(20161230作)
パーシー・ビッシュ・シェリー (1792-1822)
(歌は、静かな声が死んで消えても)

歌は、静かな声が死んで消えても
記憶のなかに響く。
香りは、かわいい菫(すみれ)が病んでも、
菫が甦らせた感覚のなかに生きつづける。

薔薇の花びらは、花が枯れて死んでも、
愛しい人のベッドに飾られる。
ぼくの想いも同じ、君が去っても残り、
〈愛〉の神のまどろむベッドになる。

*****
(20120817作)
(「音楽--やさしい歌声が死んでも」)

音楽--やさしい歌声が死んでも、
それは、記憶のなかひびく。
香り--きれいなスミレが病んでも、
それは、それが生き返らせた感覚のなかで生きつづける。

バラの花びら--バラが死んでも、
それは、愛しい人のベッドにたくさん飾られる。
そして、頭に残るいろいろな君の姿は、君が行ってしまった後でも、
ぼくの愛を抱いて眠らせてくれる。

*****
Percy Bysshe Shelley
"To ― " ("Music, when soft voices die")

Music, when soft voices die,
Vibrates in the memory―
Odours, when sweet violets sicken,
Live within the sense they quicken.

Rose leaves, when the rose is dead,
Are heaped for the beloved's bed;
And so thy thoughts, when thou art gone,
Love itself shall slumber on.

*****
7 thought[s]
頭のなかにあるひとつひとつの思考、概念(OED 2)。
[T]hy thoughts = thoughts of you.

*****
リズムについて。



一応ストレス・ミーター(四拍子)だが、歌のビート(拍子B)に
あわせるのではなく、各語の自然なストレスにしたがって読まれるべく
独特のリズムが与えられている。(特に1, 3行目。)

ひびきあう語(脚韻以外):
voices-vibrates-violets
beloved's-bed
love-slumber

*****
シェリーに関するT・S・エリオットの名言--

1
シェリーの考えるようなことは、からだが受けつけない。
I find his [Shelley's] ideas repellent.

2
年をとってもシェリーを読みつづけられる人はどれくらいいるだろう?
[F]or how many does Shelley remain the companion of age?

("The Use of Poetry and the Use of Criticism" より)

シェリーは未熟、おセンチでナルシスティックなガキ、と批判する
エリオットだが、そんなおセンチでナルシスティックなところが
一切見られないエリオットの詩や散文にも、(種類は違うが)
同レベルのナイーヴさが、実は感じられたりする。

*****
英文テクストは、The Complete Poetical Works of
Percy Bysshe Shelley, vol. 2 (1914) より。
http://www.gutenberg.org/ebooks/4798

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