「松風庵日記」 心はいつもお茶日和  

後半の人生の楽しみ方見つけましょう!

茶入れの仕覆の紐が風前の灯火

2016年10月31日 | お茶三昧

             

三十年以上稽古に使ってきた茶入れの紐が、
一か所傷んできて、ちょうど結ぶあたりが、切れそうになりました。
糸でかがって補修しながら使っていますが、
皆さん「どうか私の時に切れませんように」と恐る恐る使っています。
おかげて紐を結ぶ力が抜けて、優しい結び方になったような。

いつだったか、
もう一つ、何か違う稽古用の唐物写しを手に入れようと思った時、
商売っ気のない道具屋さんに、
「お稽古用は一つで十分ですよ」と言われて、
それもそうかと買わずじまいでした。

それ以来この茄子の茶入れが、ずっと活躍してくれました。
皆さんの稽古も進み、出番多くなり、使いが激しくなって、
裂地は何処も痛んでいませんが、紐が擦り切れてきました。
仕覆の裂地は「鎌倉間道」です。

なんでもそうですが擦り切れるまで使ったということは、
残念というよりも、満足感でいっぱいになりますね。

「さてこの仕覆に引導を渡すのは誰かしらね」
なんて楽しんでいても、皆さんには気を使わせてしまいますので、
次の代の唐物写しの茶入れを用意することにしました。
初めての時は何も考えずに、稽古用にと選んだのですが、
今度は少しドラマのある「大名物」の写しをと、
唐物文琳、「本能寺」写しに決めました。

今は五島美術館所持になっている本能寺文琳は、
信長に滅ぼされた、越前の戦国大名朝倉 義景から、
織田信長に伝わった漢作唐物の大名物です。
銘の由来は信長が京都本能寺に寄進したことによるとか。

その姿を写した茶入れで、「ご伝来は?」と楽しむのも良いものかと。
仕覆の裂地はもちろん、私の好きな「朝倉間道」です。

             

新旧の唐物写しの茶入れを、
お点前によって使い分けて楽しみたいと思います。
もちろん古い方は恐る恐るですが。
紐が切れたら、紐だけ取り替えることにしてもと。

初お目見えは何時にしましょうか。
今考えているのは、近々挙行する予定の、真の許状の引次の時に、
なんて言ったって、私が点前で初使いしようかしらと思っています。

 

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