グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

大いに共感

2017年06月04日 | ツアー
先日2日間、富士山をベースに活動されているプロの映像カメラマンI氏と歩きました。

「写真では表現できないものが伝えられるから、動画を撮影し続けている」というI氏。

裏砂漠では海を背景に、風に揺れるアズマノイバラの花を撮影されていました。
確かに風の音や空気感は、動画の方が伝わるかも…。

では、自然の中で生き物と対峙し続けているベテランカメラマンの撮影意欲を刺激した伊豆大島の風景とは、どのようなものだったでしょうか?

噴火後の焼け野原に、グングン成長するたくましい植物たちや…


点在していた緑が融合して、一面緑の山に変わりつつある風景。


裏砂漠に存在する、雨が削った一筋の道。


雨が削った、海へ続く道。


そして波しぶきのかかる海岸の溶岩を、じわじわ覆っていくオオシマハイネズたち。

どれも、私が毎回心奪われる風景です。
(おなじだ〜☺️)

I氏には、色々なことを教えてもらいました。

たとえば、足元のツツジの葉についていた「虫こぶ」


これは、糸状菌(カビの仲間)の感染により起こる病気なのだそうです。

何度も歩いている場所でしたが、今回教えてもらうまでは気がつきませんでした(^_^;)

溶岩に張り巡らされた細い糸は、たぶんヒメグモの仲間の巣で、地面を歩いている虫を糸に絡めて引き上げるのだそう…

すご〜い!(◎_◎;)

こんな謎の物体が登山道にいっぱい落ちているのも、教えてもらいました。

誰が何を食べて、どうしてこうなったのか?
(現在、継続観察中です☺️)

裏砂漠第2展望台がある、黒い山の頂上では…


海岸植物であるコウボウムギが生えていることを、指摘してもらいました。

本来は、砂浜に暮らす植物です。

火山灰が積もった山頂は、砂地と似ているのでしょか?

仲間たちと離れて、常に強風にさらされる環境で生きているコウボウムギ。
頑張れ〜!

…ということで、ガイドをしているのだか、されているのだか、よく分からない状況で過ごした2日間(笑)

I氏が足を止める風景が、私が「これはいい!」と思う風景と、ほぼ同じだったのが楽しかったです。

たとえば…

裏砂漠の雨が削った凹みから空を見上げた時に、沢の縁に並んでいるシマタヌキラン。


今が旬の、ヒカゲノカズラ(原始のシダ)の胞子嚢たち。

普段地上を這う植物が、子孫を残すために堂々と胞子嚢を持ち上げている姿は、やはりカッコ良いです☺️

そして、たわわに実をつけたオオシマハイネズが、溶岩の凹みに形よく這っている風景。


「ただ綺麗な花を撮るのではなく、その奥の物語を伝えたい」
「虫も植物も、人間には無いすごい能力を持っていて、尊敬せずにいられない」
…大いに共感して歩いた2日間でした。

I氏は、これからも時々大島を訪ねて、大島の魅力を伝えられる映像を撮影してくれる…
予定のようです。

これからが、とても楽しみです☺️

(かな)


コメント
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