そよかぜ日記

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菩提滝と北山杉と杉林

2016年03月18日 | 自然

 京都駅から西日本JRバス周山行きに乗車、車窓から北山杉が見えだして間もなくの「菩提道」バス停で下車、東海自然歩道となっている菩提道を歩くこと1.5kmほどのところに菩提滝はあります。



 途中の道の左右は北山杉。 雨の中の林も落ち着いていて、なかなか良いものです。

 北山杉は磨丸太ともいわれ、今はどうか知りませんが、菩提滝で取れた砂で磨き製品にしたとのことです。 このように菩提滝は地域の生活と密着した存在であり、旧周山街道沿いにあることからランドマーク的存在として江戸期の地誌書にもしばしば記載される滝であったようで、京都府レッドデータブック(2015)では地形・地質・自然現象のカテゴリー要継続保護に選定されています(こちら)。

 北山杉に関しては、林の中を歩くよりは車窓から谷を隔てた林を見るなど、林を横から見る方がその美しさはよく分かるようです。 杉は密植されているのですが、同じ密植でも大阪府南部の杉林とは大きな違いです。
 大阪府南部の杉林は苗を密植し、林床に光が届かないようにして雑木やツル植物が育つのを防ぐことで、杉林の管理を省力化しようとするものですが、杉が育って葉を広げるにつれて順次間伐していく必要があります。 ところが現在は輸入材に押されて木材価格が下落し、間伐に要する人手の確保が難しくなり、光が十分当たらず弱々しい杉がたくさん混じり、幹の太さが不揃いな杉林が増えています。
 これに対し北山杉は、同じ密植でも、枝落としを丁寧に行うことで、どの木も平等に光合成ができ、また1本の木の葉が少ないので、時間をかけて育つことで、密度の高い良材を得ることができます。
 同じ太さの木が整然と並ぶ林の美しさは、川端康成の小説『古都』で、千重子の
  「 北山杉のまっすぐに、きれいに立ってるのをながめると、うちは心が、すうっとする 」
と語る言葉によく表れているようです。

(撮影日:2016.3.9.)



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2 コメント

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Unknown (わんちゃん)
2016-03-19 22:49:08
北山杉っと聞きますと台杉を思います。
台杉 (そよかぜ)
2016-03-20 14:14:56
台杉は木材を得るには効率が悪く、どんどん減少し、現在の台杉の使途はほとんどが庭園観賞用のようですよ。

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