理不尽な要求で学校現場を混乱させる保護者が増えているという。彼らは「モンスターペアレント」と呼ばれるらしい。教育現場が混乱していることは昨今言われ続けているのだが、こうした事態の背景には、どんな原因があるのだろうか。
保護者の理不尽なクレーム、専門家による支援検討 文科省
7月9日8時1分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070709-00000001-san-soci
文部科学省は来年度から、こうした理不尽な保護者に対処するべく本格的な学校支援に乗り出す方針を固めた。地域ごとに外部のカウンセラーや弁護士らによる協力体制を確立し、学校にかかる負担を軽減することを検討している。来年度の予算要求に盛り込みたい考えで、各地の教育委員会にも対策強化を求めるという。
ところで、保護者の理不尽な要求とは具体的にどんなものがあるのだろう。
以下の2つの記事から、実例を紹介しよう。
学校の悲鳴…急増する「イチャモン保護者」 産経イザ H19/03/06 16:56
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/42061/
・子供がひとつのおもちゃを取り合って、ケンカになる。そんなおもちゃを幼稚園に置かないでほしい。
・自分の子供がけがをして休む。けがをさせた子供も休ませろ。
・親同士の仲が悪いから、子供を別の学級にしてくれ。
・今年は桜の花が美しくない。中学校の教育がおかしいからだ。
親の不当要求…おびえる学校 先生の訴訟保険、3人に1人加入 都公立校
2007年7月1日 東京新聞朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007070102028652.html
・小学校の個人面談で教員との会話の録音を父親に要求された。
・小学校の運動会で子どもに日差しが当たっていたことに立腹した母親から「熱射病になったら責任がとれるのか」と苦情が寄せられた。
・運動会直前に父親から「うちの子が騎馬戦で上に乗れないのはおかしいじゃないか」と怒鳴り込まれた。
・周囲の子とぶつかって階段を踏み外した児童の母親に「うちの子が殺されそうになったそうじゃないの」と怒鳴り込まれた。
これらを見ると、まず、学校側と、子供達や保護者との間に信頼関係が著しく薄れてきているのが読み取れる。桜の花が美しくないのを中学校の教育のせいにしたり、教員との会話の録音を要求したり、熱射病になった時の責任問題を問うというのはまさに信頼関係がなくなっている証拠だろう。
次に、保護者の「親馬鹿」傾向も読み取れる。自分の子供が可愛いのは当たり前なのだが、だからといって親のエゴを学校に押し付けるのは筋違いだろう。親同士の仲が悪いから子供を別の学級にしてくれとか、うちの子が騎馬戦で上に乗れないのはおかしいというのも、親のエゴではないだろうか。
産経イザのニュースでも触れているが、こうした信頼関係低下の背景には、教師への尊敬の念がなく、自分と同等という潜在意識が保護者側にあり、垣根が低くなったからではないだろうか。
またこうした事態を助長する社会風潮も悪い。本ブログでも取り上げた久間発言や柳沢発言など、人の言葉を論(あげつら)って悪者に決めつけ、徹底的に集団で非難するという風潮も、学校内でのいじめを助長していると言える。保護者からの理不尽な要求は、まさに教師に対するいじめとも言えるのではないだろうか。
更に、ある現役教員(恐らく高校教師)が開設している「『教育の崩壊』の掲示板」では、こうした記述もある。
『教育の崩壊』の掲示板
http://otd12.jbbs.livedoor.jp/1287242/bbs_plain
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教師に対しても面と向かって刃向かったりしない。
授業中、教師の困るわざとらしい質問をしたり、質問の振りして周囲と私語をして授業中の雰囲気を壊したり、雑音を出して教師の授業を妨害する。
注意すれば止めるが、それを複数の人間が時々繰り返す。
あるいは教師のおもしろおかしい物まねをして、プライドを傷つけ、教師の口を封じていく。
注意すれば止めるが、目に見えないところでそれを繰り返す。
教師に対する尊敬などはなく、
教師さえいじめの対象ととらえている。
しかも証拠を残さず、聞かれればシラを切る。
*****(No.1847「いじめの方法」より引用。)
最早教育現場は「教育の場」ではなく、教師が如何に生徒に嫌われないようにご機嫌取りをしながら切り抜けていく場と化しているのではないか。
暴力行為やセクハラなどで処分される教師が後を絶たないが、これも子供達が教師というものを見下していることも影響しているのではないかと私は思う。教育現場にもフェミニズム教育が蔓延しているので、特に女子生徒、児童から男性教師を見る目は偏見が顕著になりつつあるのではないだろうか。
自分が不快に感じた、だから相手が悪い、従って社会追放せよ。こうした安易な排除社会が、教育現場を強者が弱者を駆逐する弱肉強食の場へと変えてしまっているのではないだろうか。相手を貶すことによって自分の地位を高めようという風潮が社会全体における「権力主義」を助長し、それが教育現場も腐敗させ、理不尽な保護者を生み出す結果につながっているのではないだろうか。
確かに昨今の親たちの学校へのクレームは目に余ります。ゴネ得というフェミたちの考え方がいかに浸透してきているか。
そんな馬鹿な母親に育てられた子供がかわいそうに思います。
女がごねれば何でも通ってしまうような世の中、しかもそれが女だけに与えられた特権であるかのように信じられない政策が次々と出されていく、女性専用車両はじめ各種のアファーマティブアクションが際限なく行われる社会では、馬鹿親が出てくるのも無理もないかもしれません。
これも必要かと。小児医療無料化なんてしたら「どうせタダだし」って殺到すること間違いなし。合併症を医療ミスと吹きこまれ素人が検証し裁くのも不毛の極地。いいがかりは当直医から「夜中のキティちゃん」といわれ医師はじめ看護師や事務系にまで疎んじられている。
生徒の人権は盛んに言われていますが、教師の人権はないような気がします。
人権意識というのは大切ですが、最近では人権イコール何でも自由に出来る、という勘違いが至る所で発生していると思います。
元に戻ることも先に進むことももちろん逃げることもできず、たぶん死ぬほど辛くても働かされます。
人権擁護団体など、相談する場所はないですか?
守秘義務もあるから変なことも言えませんが、もう自分を守るすべがない人は死ぬだけなのでしょうか。