持続可能な国づくりを考える会

経済・福祉・環境の相互促進関係を!

持続可能な国づくりの会 理念とビジョン(画像をクリック)

  「理念とビジョン」全文                   ダイジェスト版                  

                    

質問への回答18:小澤徳太郎

2007年04月09日 | パネリスト

質問18:スウェーデン人が自から世界に今までにないアイデアを進めて行くということに感銘を受けました。スウェーデンと比較して日本人にはこのような発想が弱いと思いますが、その差は教育に原因するのでしょうか。

  広い意味では、教育ということでくくることができるかも知れませんが、それでは議論 が止まってしまうような気がします。そこで、私は次のように考えます。
  スウェーデンは環境問題のみならず、さまざまな分野で他の先進工業国とは一味違う先 進的なアプローチを試みてきた人口900万人の小国です。スウェーデンの行動原理は極 めて常識的で、単純明快です。要約すれば、「当たり前のことを当たり前のこととして実行 する」ということに尽きると思います。その背景には、「自然科学的な知見」と「社会科学 的な知見」に基づいて現実をよく見極め、問題の本質に迫る姿勢、「現実主義(プラグマテ ィズム)」と「人権の重視」があります。

  「少子・高齢化問題」と「経済規模の拡大から適正化への大転換」という二つの大問題への対応策を考えるとき、参考になるフロンティア国家が二つあります。一つはスウェーデンで、もう一つは米国です。日本が手本とするところの多い米国は世界の基軸国(言語、通貨、政治、経済、軍事、文化など)で、新しい発想を生み出し、新しい試みを実行するのが得意な国ですが、自分の都合だけを考えて行動するユニラテラリズム(単独行動主義)の国でもあります。
 22年間の大使館での勤務の体験を通じて私が理解したスウェーデンは、古き良き時代の伝統を守りつつ、伝統的に新しい発想から新しい概念を生み出し、世界に先駆けて新しいシステムを創造し、導入し、社会を変革するのが得意なシステム思考の強い国です。
 これら二つのフロンティア国と違って日本は、与えられた枠組みのなかで工夫し、すぐれた要素技術の開発をするのが得意な国ですが、システム思考があまり無いと思います。

----------------------------------------------

今回の記事で昨年のシンポジウムでの質問に対してのパネリスト小澤徳太郎氏の回答は終了します。小澤氏の主張は、こちらのブログで常に発信されていますので是非アクセスしてみてください。http://blog.goo.ne.jp/backcast2007

 

↓ぜひとも応援を!二つともクリックをお願いいたします。

にほんブログ村 環境ブログへ

人気blogランキングへ

初めての方はこちらへどうぞ!

シンポジウムの趣意書はこちらです!ここからすべてが始まっております。