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市場を創る技術革新 発明と発見

2010-08-02 05:50:15 | 知財経営事例
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市場を創る技術革新 発明と発見

おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

昨日(8月1日)のブログで龍馬ゆかりの記事を書きました。

ところで、7月27日に高知県立坂本龍馬記念館(高知市)から龍馬の人形(高さ約40センチ)盗まれていました。

それが、8月1日に、「ごめんなさい。すいませんでした」という謝罪の言葉を印字したメモとともに宅配便で返却されました。

ものを盗むことは許されることではありません。が、龍馬の人形が返却されたことで返却者に良心が残っていたことを知りちょっと「ほっ」としました。

さて、本日の話題です。

産業組織論や競争政策がご専門の東京大学准教授 大橋弘先生の「『発明に偏る日本』」と題された記事が目に留まりました(7月29日付け日本経済新聞「やさしい経済学」)。

大橋準教授は、次のことを述べられています。

■イノベーション活動には、おおまかに発明と技術革新の2つが含まれる。

■技術革新とは、新製品や新サービスを生み出すことで、新たな市場を創りだすこと。

■これまでのイノベーション研究は、発明プロセスに焦点が偏っていた。

■技術的に高度な製品開発に関心が向きがち(技術のガラパゴス化)。


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実務家の立場から「発明」について若干の補足をさせていただきます。

「発明とは、新しい知見を生み出す作業である。一昨年ノーベル化学賞を受賞した下村脩氏による緑色蛍光たんぱく質の発見が好例だろう。」と述べられています。

「発明」と「発見」の違いは何でしょうか?発明と発見はともに新しいものを我々の前に提供してくれることをいいます。この点は両者共通です。

が、その前から世に存在したが我々が知らなかったものを提供してくれることを「発見」といい、それまで存在しなかったものを創りだして提供してくれることを「発明」といいます。

したがって、「緑色蛍光たんぱく質の『発見』」そのものは「発明」ではありません。


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大橋准教授は、「そのものの専らの性質を利用する『用途発明』」や「そのものの抽出方法などの『発明』」などのことを指しておられるのであって、「緑色たんぱく質」そのもののことではないと思います。

話を元に戻します。

大橋准教授のご示唆から学ぶべきことは、「この発明なら特許が取れそうだ」から「この発明を使って新たな市場を創りましょう」という発想が大事である、ということです。

大企業であろうと中小企業・零細企業であろうと、この点に変わりはありません。

事業戦略と知財マネジメントはどのような企業規模にあっても一体である、ということです。

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