乳ガンのシコリが生菜食で消えたSさん
Sさんは長年,アレルギー性鼻炎と水虫に悩んでこられましたが,玄米菜食主義を実行しはじめると,たちまち効果が現われ,鼻の症状もすっかりなくなって喜んでいました。
ところがそれもつかのま,昭和58年8月,自分の右乳に卵を半分たてに割ったようなシコリがあるのにふと気づきました。
そこで、さっそく大阪市内の某病院へ行って精密検査を受けたところ,乳ガンとの診断が下り,即刻手術という手順になって,入院の日まで決まりました。
しかしSさんはお姉さんのすすめで,筆者のもとに受診してこられ,手術を断わってこの健康法を実行することになりました。
9月6日のことです。
このとき,Sさんに指示した療養日課はつぎのとおりです(表6参照)。
さて,Sさんは筆者の指示を本当によく守って,健康法を真剣に実行されました。
その結果,きわめて順調な経過をたどり,1ヵ月も経たないうちに,乳ガンのシコリがとけ出して,それが膿汁となり,皮膚表面から流れ出してきました。
これには,「イモシップ」と「手当て療法」の効果も見逃すことはできません。
手当て療法中には胆汁の出が一段と増し,手指の間から流れ落ちるくらいだったということです。
こうして約2ヵ月間,生菜食を続けているうちに患部に認められたシコリが大半消えてしまい,筆者も驚いたものです。
そこで現代医学の精密検査を受け,乳ガンがどこまで治ったのかを調べてもらうことにしました。
11月14日,大阪府立成人病センターを訪れたSさんは,期待と一まつの不安の入りまじった気持ちで検査を受けましたが,結果は「ガンは認められない」という朗報でした。
しかし,これですっかり安心するのはまだ早いと判断した筆者は,その後も生菜食の続行を指示しました。
Sさんもかねてから覚悟していたらしく素直に従い,生菜食をまじめにずっと続けて,現在にいたっています。
この昭和59年の正月は例年になく寒さがきびしく,健康な者でも悲鳴をあげるほどでしたが,ましてや生菜食実行者には骨身にしみるほどこたえたものです。
生菜食をはじめるとたいていの人は体温が下がり,通常36度代のものが35度代になってしまいます。
そのため,寒さをひどくおぼえ,夏でも汗ひとつかかぬくらいです。
ですから冬の生菜食は,ひもじさよりはむしろ寒さが辛いといわれるくらいです。
Sさんもその年の冬は寒さに震えあがったものです。
ましてや1日11回の裸療法をやりぬくのですから,その辛さはまた格別です。
しかし,Sさんはついにこの難関を突破して,桜の花咲く春を迎えました。
これはSさんにとって,本当に人生の春でもあったようです。
生菜食を実行されたおかげで,別人のように元気な,しかもきれいな顔になって,生き生きとしてきました。
生菜食が皮膚をきれいにする効果は本当に驚くべきもので,これこそ最高の美容法ではないかと筆者は思っているものです。
生菜食も大変おいしくなり,かつ,お腹もよく減るようになりましたので,2月初めから生野菜の量を少し増やすようにしました。
すなわち,葉の部分を200gから250gに,根の部分も200gから250gにしています。
一方,体重の変動は最初生菜食を開始した当時は44キログラムだったのが,生菜食に入ると目に見えて減りだして,約2ヵ月後には34.5キログラムとなり,約10キログラムもやせてしまいました。
このように,皮下脂肪がなくなってくると,寒さも一段とこたえるものですが,このような
状態で冬を越すことになったのです。
しかし,この年(昭和59年)2月の終わりごろから体重が少しずつ増えだしました。
1日800カロリー前後の超少食でも,体重が増えてくるのです。
増加のテンポはまだ遅いが,少しずつ太ってきました。
4月8日には37キログラムで,最低34.5キログラムのときより2.5キログラム増えたことになります。
そして,生菜食満1年の9月6日には40キログラムになっております。
なおこの生菜食の期間中,宿便が数回にわたって排泄されました。
生菜食を実行していますと特有の便が毎日排泄されますが,それにまじって,または全く別にいつもと全然違った便(宿便)が排泄されれば,すぐわかるものです。
断食中の宿便と同じで,生菜食の場合でもよく観察しておれば見逃すことはありません。
Sさんの体調はこの宿便が排泄されるごとによくなり,疲れやすかった身体にも随分スタミナがついてきました。
そこで今度はいよいよ待望の断食療法を行うことにしました。
生菜食実行以来,早く断食療法ができる身体になりたいと待ちこがれていたSさんでしたが,約1年2ヵ月目にして,その願いがかなえられるようになったというわけです。
すなわち,10月27日から10日間の寒天断食を行いました。
Sさんの場合,10日間の断食はきわめて順調で体力もほとんど衰えず,日常生活はそのまま続けることができました。
やはりこの1年2ヵ月の間1日900カロリーという半断食同様の超少食を実行してこられたため,身体の仕組みが断食に適応するように変わってしまったものと考えられます。
体重のほうも,10日間の断食で約2キログラム減った(40.5キログラムー38.5キログラム)にすぎませんでした。
一般の人が10日間断食を行うと,だいたい3キログラム以上の体重減が認められるものですが,長期の生菜食実行者が断食した場合は,ほとんどみなこのような僅少の体重減にとどまるようです。
この断食6日目に,大豆大の黒色球状便が両手いっぱいくらいも排泄されたといううれしい報告を受けました。
これが「宿便」の排泄であります。
さて断食が終了して1ヵ月あまり経った12月13日,外来へ受診にやってこられたSさんを見て驚きました。
この1ヵ月あまりでまた一段と元気になっておられますし,体重がなんと41.5キログラムに増えてしまっております。
すなわち1ヵ月間で3キログラムも増加したのです。
1日わずか900カロリーの生菜食だけで,このような体重増加がどうして可能なのでしょうか。
現代栄養学の常識ではとうてい考えられないことが,この生菜食実行者には見られるのです。
これはSさんだけではなく,すでに幾人もの体験で実証されているのです(『生菜食健康法』春秋社,参照のこと)。
以上のように,Sさんの体力回復が抜群に良好であったため,ふたたび10日間の断食療法を開始するよう指示しましたところ,さっそくその翌日(12月14日)から断食に入りました。
この断食中に,またまた大豆大の球状便(黒褐色)が両手いっぱいくらい排泄されたのであります。
このような宿便排泄に伴って,Sさんの体調はますますよくなってくるのです。
まず第一に報告しなければならないのは,寒さに対して非常に強くなったことです。
1年前の冬は寒さが骨身にこたえ,相当辛い思いをされましたが,この年は寒さが少しも苦にならず薄着でも平気なのです。
生菜食という陰性の食品ばかり食べますと,ほとんど例外なく寒さが身にしみてこたえるものであります。
生野菜や果物は冷え症のもとといわれているくらいです。
ですから,冷え症には生野菜はいけないと警告しておられる指導者も少なくないのです。
ところが,生菜食を長期にわたって実行している人たちがこの陰性食でみごとに陽性の体質に変わり,寒さに強い身体になってしまうのです。
Sさんもその一人になられたというわけです。
第二に驚くべき現象。
それは第2回目の10日間断食で体重が全く減らなかったということです。
すなわち,断食開始前が41.5キログラムで終了時も41.5キログラムです。
10日間も断食しているのに体重が全く減らないというのはいったいなぜか? という疑問が当然起こるでしょう。
だいたい,生菜食を1年1年と長期に実行している人たちが断食を重ねておりますと,だんだんこのような身体になってくるのです。
進行性筋ジストロフィー症で2ヵ年間生菜食を実行した岡田淳史君(8歳)の場合もそうですし,乳ガンで生菜食1ヵ年実行のT女史の場合もそうでした。
この問題についてはまたの機会にくわしく述べることにしますが,断食によって体重が全く減らないような身体になりますと,10日間でも20日間でも断食しながら平常の生活がなんら苦痛なしに続行できるのです。
これには周囲の人たちが目を丸くして驚かれるようです。
岡田君の場合でも1年8ヵ月目に7日間の断食を行いましたが,この間1日も学校を休まず,平常どおり通学して勉強を続けました。
そしてこの7日間の断食で体重が全く減らなかったのですから,学校の先生たちが,それこそ腰をぬかさんばかりにびっくりされたということです。
Sさんの場合もそのとおりです。
断食しながら従来の日常生活を苦もなく続けられたといっておられます。
超少食の生菜食を1年,2年と続けてゆくうちに,このようなタフな身体になってゆかれる人たちを目の前にしておりますと,生菜食の中に秘められた恐るべき力に圧倒されてしまいます。
現代医学の物差しでは,この生菜食は基礎代謝量にも足りない超少食です。
しかも動物性タンパク質もゼロです。
それなのにやせ衰えるどころか1ヵ月間に3キログラムも太って,10日間や2週間の断食が平気でやれるのですから,生菜食の栄養にはいままでの常識で評価できないなにものかがあるに違いないと考えられます。
Sさんの最近の生き生きとした,いかにも生命力に満ちあふれた表情を見ておりますと,Sさんが生菜食の中に秘められた命をそのままいただいておられるのだと思わずにおれません。
やはり,煮たり焼いたりした火食と生きたままで食べる生食の違いでしょうか。
60年1月1目,新年の挨拶に来院されたSさんの姿には全く健康そのもののような印象を受けました。
体重もまた1キログラム増えて42.5キログラムとなっております。
このようにすぐ太りだす身体になったため,最近は1日1食の生菜食にし,昼食には寒天だけですごしているとのことでした。
この1日1食の生菜食でSさんの身体がどのように変わってゆくでしょうか。
ところで、肝心の右乳房の患部は,相当小さくなったものの,まだ少しシコリのようなものが残っております。
したがって精密検査を行えばガン細胞の検出される可能性が十分あります。
したがってまだまだ油断できない状態だと考えられます。
しかし,現在のように生命力が充実してきた段階では本人自身がガンに対して強い自信をもっており,毎日楽しい療養生活を送っております。
もちろん,手術や放射線療法などの現代医学的治療についてもいろいろ検討を加え,Sさんにもすすめてみました。
しかし経過がしごく順調で,腫瘍も縮小しつつあるため,いましばらく現在の治療法を続行させてほしいと強く要望しておられます。
さて今後の経過がどうなるかについては,後日くわしく報告させていただくことにします。
なお,この1年2ヵ月間の生菜食実行中に行った血液検査(肝機能,貧血,その他)では特に異常を認めなかったことを申し添えておきます。
Sさんは長年,アレルギー性鼻炎と水虫に悩んでこられましたが,玄米菜食主義を実行しはじめると,たちまち効果が現われ,鼻の症状もすっかりなくなって喜んでいました。
ところがそれもつかのま,昭和58年8月,自分の右乳に卵を半分たてに割ったようなシコリがあるのにふと気づきました。
そこで、さっそく大阪市内の某病院へ行って精密検査を受けたところ,乳ガンとの診断が下り,即刻手術という手順になって,入院の日まで決まりました。
しかしSさんはお姉さんのすすめで,筆者のもとに受診してこられ,手術を断わってこの健康法を実行することになりました。
9月6日のことです。
このとき,Sさんに指示した療養日課はつぎのとおりです(表6参照)。
さて,Sさんは筆者の指示を本当によく守って,健康法を真剣に実行されました。
その結果,きわめて順調な経過をたどり,1ヵ月も経たないうちに,乳ガンのシコリがとけ出して,それが膿汁となり,皮膚表面から流れ出してきました。
これには,「イモシップ」と「手当て療法」の効果も見逃すことはできません。
手当て療法中には胆汁の出が一段と増し,手指の間から流れ落ちるくらいだったということです。
こうして約2ヵ月間,生菜食を続けているうちに患部に認められたシコリが大半消えてしまい,筆者も驚いたものです。
そこで現代医学の精密検査を受け,乳ガンがどこまで治ったのかを調べてもらうことにしました。
11月14日,大阪府立成人病センターを訪れたSさんは,期待と一まつの不安の入りまじった気持ちで検査を受けましたが,結果は「ガンは認められない」という朗報でした。
しかし,これですっかり安心するのはまだ早いと判断した筆者は,その後も生菜食の続行を指示しました。
Sさんもかねてから覚悟していたらしく素直に従い,生菜食をまじめにずっと続けて,現在にいたっています。
この昭和59年の正月は例年になく寒さがきびしく,健康な者でも悲鳴をあげるほどでしたが,ましてや生菜食実行者には骨身にしみるほどこたえたものです。
生菜食をはじめるとたいていの人は体温が下がり,通常36度代のものが35度代になってしまいます。
そのため,寒さをひどくおぼえ,夏でも汗ひとつかかぬくらいです。
ですから冬の生菜食は,ひもじさよりはむしろ寒さが辛いといわれるくらいです。
Sさんもその年の冬は寒さに震えあがったものです。
ましてや1日11回の裸療法をやりぬくのですから,その辛さはまた格別です。
しかし,Sさんはついにこの難関を突破して,桜の花咲く春を迎えました。
これはSさんにとって,本当に人生の春でもあったようです。
生菜食を実行されたおかげで,別人のように元気な,しかもきれいな顔になって,生き生きとしてきました。
生菜食が皮膚をきれいにする効果は本当に驚くべきもので,これこそ最高の美容法ではないかと筆者は思っているものです。
生菜食も大変おいしくなり,かつ,お腹もよく減るようになりましたので,2月初めから生野菜の量を少し増やすようにしました。
すなわち,葉の部分を200gから250gに,根の部分も200gから250gにしています。
一方,体重の変動は最初生菜食を開始した当時は44キログラムだったのが,生菜食に入ると目に見えて減りだして,約2ヵ月後には34.5キログラムとなり,約10キログラムもやせてしまいました。
このように,皮下脂肪がなくなってくると,寒さも一段とこたえるものですが,このような
状態で冬を越すことになったのです。
しかし,この年(昭和59年)2月の終わりごろから体重が少しずつ増えだしました。
1日800カロリー前後の超少食でも,体重が増えてくるのです。
増加のテンポはまだ遅いが,少しずつ太ってきました。
4月8日には37キログラムで,最低34.5キログラムのときより2.5キログラム増えたことになります。
そして,生菜食満1年の9月6日には40キログラムになっております。
なおこの生菜食の期間中,宿便が数回にわたって排泄されました。
生菜食を実行していますと特有の便が毎日排泄されますが,それにまじって,または全く別にいつもと全然違った便(宿便)が排泄されれば,すぐわかるものです。
断食中の宿便と同じで,生菜食の場合でもよく観察しておれば見逃すことはありません。
Sさんの体調はこの宿便が排泄されるごとによくなり,疲れやすかった身体にも随分スタミナがついてきました。
そこで今度はいよいよ待望の断食療法を行うことにしました。
生菜食実行以来,早く断食療法ができる身体になりたいと待ちこがれていたSさんでしたが,約1年2ヵ月目にして,その願いがかなえられるようになったというわけです。
すなわち,10月27日から10日間の寒天断食を行いました。
Sさんの場合,10日間の断食はきわめて順調で体力もほとんど衰えず,日常生活はそのまま続けることができました。
やはりこの1年2ヵ月の間1日900カロリーという半断食同様の超少食を実行してこられたため,身体の仕組みが断食に適応するように変わってしまったものと考えられます。
体重のほうも,10日間の断食で約2キログラム減った(40.5キログラムー38.5キログラム)にすぎませんでした。
一般の人が10日間断食を行うと,だいたい3キログラム以上の体重減が認められるものですが,長期の生菜食実行者が断食した場合は,ほとんどみなこのような僅少の体重減にとどまるようです。
この断食6日目に,大豆大の黒色球状便が両手いっぱいくらいも排泄されたといううれしい報告を受けました。
これが「宿便」の排泄であります。
さて断食が終了して1ヵ月あまり経った12月13日,外来へ受診にやってこられたSさんを見て驚きました。
この1ヵ月あまりでまた一段と元気になっておられますし,体重がなんと41.5キログラムに増えてしまっております。
すなわち1ヵ月間で3キログラムも増加したのです。
1日わずか900カロリーの生菜食だけで,このような体重増加がどうして可能なのでしょうか。
現代栄養学の常識ではとうてい考えられないことが,この生菜食実行者には見られるのです。
これはSさんだけではなく,すでに幾人もの体験で実証されているのです(『生菜食健康法』春秋社,参照のこと)。
以上のように,Sさんの体力回復が抜群に良好であったため,ふたたび10日間の断食療法を開始するよう指示しましたところ,さっそくその翌日(12月14日)から断食に入りました。
この断食中に,またまた大豆大の球状便(黒褐色)が両手いっぱいくらい排泄されたのであります。
このような宿便排泄に伴って,Sさんの体調はますますよくなってくるのです。
まず第一に報告しなければならないのは,寒さに対して非常に強くなったことです。
1年前の冬は寒さが骨身にこたえ,相当辛い思いをされましたが,この年は寒さが少しも苦にならず薄着でも平気なのです。
生菜食という陰性の食品ばかり食べますと,ほとんど例外なく寒さが身にしみてこたえるものであります。
生野菜や果物は冷え症のもとといわれているくらいです。
ですから,冷え症には生野菜はいけないと警告しておられる指導者も少なくないのです。
ところが,生菜食を長期にわたって実行している人たちがこの陰性食でみごとに陽性の体質に変わり,寒さに強い身体になってしまうのです。
Sさんもその一人になられたというわけです。
第二に驚くべき現象。
それは第2回目の10日間断食で体重が全く減らなかったということです。
すなわち,断食開始前が41.5キログラムで終了時も41.5キログラムです。
10日間も断食しているのに体重が全く減らないというのはいったいなぜか? という疑問が当然起こるでしょう。
だいたい,生菜食を1年1年と長期に実行している人たちが断食を重ねておりますと,だんだんこのような身体になってくるのです。
進行性筋ジストロフィー症で2ヵ年間生菜食を実行した岡田淳史君(8歳)の場合もそうですし,乳ガンで生菜食1ヵ年実行のT女史の場合もそうでした。
この問題についてはまたの機会にくわしく述べることにしますが,断食によって体重が全く減らないような身体になりますと,10日間でも20日間でも断食しながら平常の生活がなんら苦痛なしに続行できるのです。
これには周囲の人たちが目を丸くして驚かれるようです。
岡田君の場合でも1年8ヵ月目に7日間の断食を行いましたが,この間1日も学校を休まず,平常どおり通学して勉強を続けました。
そしてこの7日間の断食で体重が全く減らなかったのですから,学校の先生たちが,それこそ腰をぬかさんばかりにびっくりされたということです。
Sさんの場合もそのとおりです。
断食しながら従来の日常生活を苦もなく続けられたといっておられます。
超少食の生菜食を1年,2年と続けてゆくうちに,このようなタフな身体になってゆかれる人たちを目の前にしておりますと,生菜食の中に秘められた恐るべき力に圧倒されてしまいます。
現代医学の物差しでは,この生菜食は基礎代謝量にも足りない超少食です。
しかも動物性タンパク質もゼロです。
それなのにやせ衰えるどころか1ヵ月間に3キログラムも太って,10日間や2週間の断食が平気でやれるのですから,生菜食の栄養にはいままでの常識で評価できないなにものかがあるに違いないと考えられます。
Sさんの最近の生き生きとした,いかにも生命力に満ちあふれた表情を見ておりますと,Sさんが生菜食の中に秘められた命をそのままいただいておられるのだと思わずにおれません。
やはり,煮たり焼いたりした火食と生きたままで食べる生食の違いでしょうか。
60年1月1目,新年の挨拶に来院されたSさんの姿には全く健康そのもののような印象を受けました。
体重もまた1キログラム増えて42.5キログラムとなっております。
このようにすぐ太りだす身体になったため,最近は1日1食の生菜食にし,昼食には寒天だけですごしているとのことでした。
この1日1食の生菜食でSさんの身体がどのように変わってゆくでしょうか。
ところで、肝心の右乳房の患部は,相当小さくなったものの,まだ少しシコリのようなものが残っております。
したがって精密検査を行えばガン細胞の検出される可能性が十分あります。
したがってまだまだ油断できない状態だと考えられます。
しかし,現在のように生命力が充実してきた段階では本人自身がガンに対して強い自信をもっており,毎日楽しい療養生活を送っております。
もちろん,手術や放射線療法などの現代医学的治療についてもいろいろ検討を加え,Sさんにもすすめてみました。
しかし経過がしごく順調で,腫瘍も縮小しつつあるため,いましばらく現在の治療法を続行させてほしいと強く要望しておられます。
さて今後の経過がどうなるかについては,後日くわしく報告させていただくことにします。
なお,この1年2ヵ月間の生菜食実行中に行った血液検査(肝機能,貧血,その他)では特に異常を認めなかったことを申し添えておきます。










