OUR DAYS

日々の雑記。

病んでいるのはどっち?

2006年09月06日 | ポリティカル
北京から東京に戻って、最初に目についたものが、SPA!の吊り広告です。

そこの見出しには『[ありのままの自分でいたい]症候群~些細なことで「素の自分を偽っている」と葛藤する人々への処方箋』と、でかでかと書かれていました。

この見出しを目にした多くの人が、「こういう人いるよなあ」とか「自分もそうかも」と感じるのだと思います。

でも「ありのままの自分でいたい」という気持ちが、「症=病状」と括られてしまうこの社会って一体なんなのだろうかって思います。そっちの社会のほうがよっぽど病んでいます。

それに「自分らしくいたい」という思いが攻撃される社会って、空恐ろしい感じがします。

で、その話しとも繋がると思うのですが、宮崎県の都城市(ちなみに僕の父の実家です)で「都城市男女共同参画社会づくり条例」という条例の修正案が、いまの議会で採択される予定です。

この「男女共同参画社会づくり条例」は、2004年4月に施行されました。その条例は、「性別又は性的指向にかかわらずすべての人の人権が尊重され、~中略~均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会をいう」という条文になっていて、「性的指向にかかわらず」ということが明記してある画期的な条例になっていました。

しかし、今議会に上程された修正案では、その「性的指向」という部分が削除されています。

一体なぜなんでしょう?

それは、「性的指向にかかわらず」という文言をいれることで、同性愛者の権利も認めることになるから、それがイヤな人たちが議会の中にいるのでしょう。

そこにはハッキリとした差別と排除がみてとれます。

この世界は多様な人々の集まりです。そこを認めていかなければ、これからの社会は病んでいきます。

で、最初のSPA!の見出しの話しに戻りますが、「その人らしさ」を許容しない、もしくはさせない社会は多くの人にとって(差別される側はもちろん、差別する側にとっても)、息苦しい社会です。

多様性が尊重され、「その人らしさ」が保障される社会をどう実現していったらいいのか・・・・。

結局は、おかしいと思うことに対しては、それっておかしくない?と声をあげることしかないのだろうなあと思います。

大阪府議の尾辻かな子さん(日本でカミングアウトしている数少ない政治家)が、都城市の問題に対して要請文を送るようです。そして、その要請文の賛同者を募っています。僕も賛同しようと思っています。くわしくは尾辻さんのblogを読んでみてください。http://blog.so-net.ne.jp/otsuji/

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2 コメント

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はじめまして。 (akaboshi)
2006-09-07 19:35:30
都城市の件で、こちらを知りました。

僕も記事を書きまして、こちらへのリンクを貼らせていただきました。

事後報告で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。



>「自分らしくいたい」という思いが攻撃される社会って、空恐ろしい



・・・本当にその通りだし、むしろ

こうした機会に日本社会の狭量さが「可視化」されたのだと思って

「おかしい」と思うことには声を上げようと思います。

こちらの記事を読み、勇気を与えられました。

ありがとうございます。

TBありがとうございます (R)
2006-09-08 08:36:41
はじめまして。TB、リンクありがとうございます。



>こうした機会に日本社会の狭量さが「可視化」されたのだと思って



ほんとそうですね。最近、あちらこちらで、そういった「狭量」さが感じられる動きがありますよね。なんだか、どんどん息苦しくなってくるような・・・。



都城市の問題は、性的マイノリティーのみの問題ではなくて、実際は多くの人に関わっている問題なんですよね。こういった「後戻り=バックラッシュ」がさらに進んで、教育基本法の改正やら憲法改正やらに繋がって行く気がしてなりません。