Along with the Mekong

メコン川の流れのように

トレーニング初日

2008年02月08日 | アメリカネタ
自己紹介のあと、早速テースティングが始まった。

ほとんどがコーヒー業界で10年以上のキャリアを持つ人たちだけあって、動きも無駄なく、進行も速い。mameにとって救いだったのは、採点を入力するpalmが壊れていて、コースの最後まで終にpalmは使えず、採点シートに手書きで点数を書き込みそれを電卓で合計して・・・という、mameにとっては慣れている手順だったことだ。palmに慣れている参加者はこのイチイチ計算するのが結構大変だったみたい。こんなところでしか優位に立つことのない情けないmameではあったけれど・・・

初日の一回目のテースティングは『お試し』で、ブラジル、コロンビア、エチオピアのサンプルが用意され、テースティングし、インストラクターのポイントと、自分のポイントのズレをチェックする。また、産地によってポジティブに評価する香味、ネガティブに評価する香味を確認する。特に、「発酵」をどう評価するかは興味のあるところだった。ワタシはこの香味が、苦手で、大抵は欠点と評価する。けれど、アメリカでは発酵臭を「ワインのよう」とかいってポジティブに評価する傾向にある、と耳にしていた。でも、それはどうもエチオピアの場合だけらしいこと、他の産地の豆の場合は、結構しっかりdefectにカウントしていること、などなど、それぞれの意見を交換しながらコンセンサスをとっていく。


そう、ここでのカッピングでは、主観的な意見や嗜好は一切排除して、客観的というか、この状況にあった評価をしなければならない。というのも、このトレーニングは、訓練とテストを兼ねていて、テースティングの合否は、参加者全員の平均点との誤差で決まる。自分が最高にいいコーヒーだと感じ高得点をつけても、他の参加者がそう思わずに低い点数しかつけていなかったら、テストは落とすことになる。だから、このテストの合否は、参加者の評価の傾向やレベルによって若干左右される。主観ではなく客観的にコーヒーを評価する姿勢を身につけるよい機会だった。

『お試し』で、全員が自分のつけた点数を披露し、それぞれのカッピングの技量がそこはかとなく晒された後は、本格的なカッピングに入った。中央アメリカのコーヒー6種が今日のテーマ。その速い展開と奥のカップに届かないカッピングテーブルの高さに戸惑い気味のmame。

テースティングは毎日、産地別に行われた。2日目はブラジル、3日目はインドネシア、4日目は東アフリカ、5日目はコロンビアだった。産地による個性を把握し、また産地による評価基準の違いを叩き込む、とてもよい機会だった。時間がたつと香味の記憶が蒸発してしまうおバカなmameには、なんといっても、連日、というのがいい。こんなに系統だって産地ごとのフレーバープロフィールを整理できたのは初めてだった。

ランチの後は、これも連日、トライアンギュレーションがあった。3カップの中にひとつだけ違う種類のコーヒーがあって、それを当てる、というゲームのようなプログラムだ。産地によるフレーバーを再確認するチャンスだった。楽しかった。だって・・・

テストにパスすることだけを思えば、今回のトライアンギュレーションは、最初にカップのふたを開けた瞬間に大方終わってしまう。室内の電気は暗くされ、カップに入ったコーヒー粉が判別できないようにされているというけれど、チャフの混じり方が全然違うんだもん。チャフを確認して、ドライフレグランスを確認すれば、もうそこでテストはおしまい~ 後は産地を推察する楽しいひと時だった。

初日からどんどん飛ばすトレーニングは、有機酸の講義に入った。パワポを使った、ちゃんとした講義だ。ほほう・・・ その後、コーヒーに、有機酸が加わると、香味のどの要素がどう変化するか、自分の舌で確認する。まさかこれがそっくりそのまま、二日後にテストになるなんて思いもせず、疲れてぼーっとした頭で、ただ、へー、とか、ほー、とかいっているうちにハードな初日のトレーニングは終わった。

こうしてたっぷり10時間を「雪原の倉庫」の中の研究所で過ごし、クタクタになってホテルに戻った。初日からこんなにハードで、あと4日、ワタシはもつのだろうか・・・と思いつつも、気がつけば白河夜船なmameなんだった。

最新の画像もっと見る