ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

Play back ちいチャン物語(57)囲炉裏のお話

2017年01月13日 18時21分04秒 | 日記

ちいチャンの家は、玄関を入ってすぐの部屋には“囲炉裏(いろり)”があります。

囲炉裏には、冬には炭がくべられて、天井からは“鉤(かぎ)”が降ろされます。

ちいチャンは、鉤を鍵だと思っていましたが、後々に、正しくは“自在鉤(じざいかぎ)”

と言うのだと分かりました。

この自在鉤は、普段は天井の角に斜めに吊り上げられています。

冬場の囲炉裏に火が入る時にだけ、この自在鉤が降ろされ、鉄瓶というやかんがかけられま

す。

鉄瓶は、鉄で出来たやかんです。重いです。

炭火で鉄瓶のお湯を沸かし、そのお湯でお茶を入れます。

鉄瓶は、シュンシュンシュンシュンお湯が沸き、部屋を暖めてくれます。

おじいちゃんは、囲炉裏の家長の座る場所に、いつも座っていて、タバコをぷかりと吹かし

ます。

自在鉤には、疑問符を逆さにしたような鉤が付いていて、それに掛けている鉄瓶は、360

度どの方向にも回ります。

おばあちゃんが側にいない時、おじいちゃんは、急須に鉄瓶からお湯を入れ、自分でお茶を

入れます。

お酒を飲むお客様が来ると、お銚子を鉄瓶のお湯の中に入れて、暖めます。

お客様は、自分に出されるお酒が温まるのを、目の前で見ていられるのでした。

囲炉裏の横の床下には、炭を入れる場所がありました。

囲炉裏には、五徳(ごとく)、火箸(ひばし)、灰ならしが置いてあります。

五徳には急須をのせ、火箸で炭をくべ、灰ならしで灰をならします。

ちいチャンは、灰ならしで灰をいじるのが、チョット好きです。

灰ならしの先端は、ギザギザになっていて、灰の上をすべらせると、ギザギザの形が付きま

す。

囲炉裏には、水を入れる釜が付いていて、その上には柄杓(ひしゃく)が置いてありました。

コメント
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